南海トラフ地震 防災対策推進地域 津波避難対策特別強化地域指定 讀賣新聞 2014.3.29 |
南海トラフ巨大地震では震度6強以上または3mの津波が予想される地域を「防災対策推進地域」、30分以内に30cm以上の浸水のある地域を「津波避難対策特別教科地域」、首都直下地震では震度6弱以上か3m以上の津波が来る地域を「緊急対策区域」に指定された。
指定地域は、自治体の事情も考慮しその範囲が拡大され、国の補助も引き上げられ財政面で支援を強めるというのだ。
更に死者を今後10年間で8割、倒壊家屋を5割減らす目標が設定された。
南海トラフ巨大地震の震度と津波 到達時間 讀賣新聞2013.5.29 |
しかし対策は、費用vs効果、許容出来るリスクを考慮しなければ実効性にある対策は無理だろうが、なかなかそこははっきり言えないところだ。
その考えを少し見ることが出来るのが、避難所利用に優先順位をつけ軽微な被災者は「在宅で避難」の「トリアージ」制度を提言している(同上)。でもこの在宅避難でも救援物質が届かない恐れもあることが東北地方太平洋沖地震でもはっきりしていた。予め計画を作成しておく必要があるのだ。
津波災害でよく聞くことに、「80年住んでいるがこんなことは初めてだ」、「昭和南海地震でも津波は来たが町は流されなかった」があるし、不思議なことに過去に大津波で浸水した地域に再び市街地が出来ているのだ。そして普段は気がつかなかったがお寺の門に「ツナミ」と刻まれた石碑も建っていたのだ。
寺田寅彦博士は、「津波に襲われた直後は高台に避難するなど色々対策を立てるが、そのうちに不便を感じてまた海岸近くに住むようになる。役人も替わってくるので危機意識は薄らぎ、又被害に遭遇することを繰り返している」と警告していた。
東北地方太平洋沖地震でも高台移転が検討されているが、そのうちに不便さから海岸近くに移り、明日か、数十年先か、いつ来るか分からないM8クラスの余震で被害に遭うと言うことにもなりかねない。
「高齢者が多く、避難に時間がかかる」「避難できる高台がない」ことも津波対策を難しくしているが、高知では1m浸水に3分、土佐清水市では25分後に34mの大津波が押し寄せる想定だ。「逃げ切れない」ので「諦める」考えも出てくる。
津波対策では高台移転、避難ビル、避難タワーが建設されているがどこへ行っても高齢者には負担が大きい。
今復興計画で防潮堤がやり玉に挙がっている。役所は大津波にも耐える街作りとして15mの防潮堤の建設を提案するが、住民は海の見えない環境は生活に不安を感じるとして5m程度の防潮堤を希望する。
柔軟に対応という政府の考えもあって住民側の希望を取り入れるようになった。
費用vs効果の考えだろう。防潮堤を高くすると底盤も広くなり砂浜もなくなり建設費用も高く生活環境も悪くなる。14mの大津波が来れば役に立たないが、生活環境を優先するのだ。
それに巨大地震、巨大津波対策、そして復興で過疎化地域にどれだけの投資が出来るか。
南海トラフ巨大地震になると東海地震、東南海地震、南海地震の3連動に日向灘地震、南西諸島海溝地震の加えた5連動の超巨大地震、巨大津波も想定内なのだ。
しかもこの中央防災会議の被害想定は小さすぎると言う意見が多い。死者数もこんなものではないというのだ。
そうなると許容出来るリスクをどう考えるかだ。
娘と孫達と一緒に鎌倉へ行ってきた。鎌倉は9mの津波が10分で襲ってくることになっているが14mと言う説も出ている。以前のハザードマップは7mだった。
鎌倉駅で孫達に「万一地震が発生したら10分後に10~14mの大きな津波が襲ってくる。その時は出来るだけ早く鶴岡八幡宮の階段を駆け上って本殿まで上がれ。そこは大丈夫だ」、「おじいちゃんやおばあちゃんは足が遅いので一緒に逃げると津波に襲われる」、「だから気にせず先に行け」と教えた。
孫達は「イヤだよ」と言ったが「先に逃げれば助かる」と教えるしかなかった。
学校での避難訓練で「出来るだけ高いところに逃げろ」は分かるが、家族と一緒の時に「先に逃げろ」は説得力がなさそうだ。
首都直下地震では品川区で2.6mの津波、私の住んでいるところは海抜11m位なので津波に襲われることはないが、付近は傾斜地にマンション、住宅が建っているし、1階が駐車場で柱しかないアパートも多い。震度7,6強でどうなるか。
首都直下地震、南海トラフ地震の記事が新聞に載るとどうしても気になる。
南海トラフ巨大地震死者最悪32万人 讀賣新聞2013.5.29 |
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