2014年3月17日月曜日

NHK, 理研:信用失墜は瞬時、取り戻すのは至難の業

公共放送のNHK,日本を代表する理化学研究所が存亡の危機に瀕している。信用を失うのは瞬間であるが、取り戻すのは至難の業だ。NHKは籾井会長の記者会見での発言、佐村河内さんの偽作曲家問題で、理研はSTAP細胞論文疑惑で国民ばかりでなく、海外からの信用も落とす結果になった。

NHKは26年度事業収支6629億円のうち6428億円は受信料で賄っているいわゆる税金で持っているようなものだ。理化学研究所にも年間850億円の巨額な国費が拠出されている。どちらも職員、研究員は恵まれた待遇を受けているのだ。

NHKの最近の経営委員会議事録を見ると、籾井さんが経営委員に聞かれて答えた「それでもなお私は大変な失言をしているのでしょうか」という発言が、真意を離れた報道をされていると言い、「真意は、放送法を守り、公平、公正な放送を行っていく」と弁解している。

詰まるところ、慰安婦問題は日本だけの問題のように批判されているが、「どの国にもあったこと」と発言することで、公平、公正を期したと言うことのようだ。

これに対して浜田経営委員長は「自分のおかれている立場に対する理解が不十分」として、誤解を招く発言をするな。事態の収拾に誠心誠意取り組め」と忠告している。

311日の経営委員会では、2度にわたり注意を受けたことは誠に遺憾とし、「経営委員会が事態収拾に向け、監視、監督機能を十分に果たす」という申し合わせをしたようだ。これは異例のことだという。

籾井さんは、前回の経営委員会で「事態収拾に向け特段の方策はない。営業にがんばってもらう」と答えていた。

佐村河内さんの問題についても朝日新聞(2014.3.17)によると、偽装工作に気づかなかったと「とっておきサンデー」で報告したらしい。

一方、理化学研究所のSTAP細胞論文疑惑では野依理事長も出席した記者会見で中間報告がされたが、6件の疑惑の中で2件は「不正なし」と判断するも、論文の核心となる4件については「調査継続」で結論先送りの印象を植え付けた。おまけに調査委員長が理研の上席研究員では本気かどうかも疑問だ。

他人の論文の一部をコピペしたり、画像の使い回し、切り貼り行為をメデイアに登場する研究者は一様に「あってはならないこと、やってはいけない事」と言い、野依理事長も「こういう行為が横行しているとしたら大変なこと、よく勉強したい」と言うような発言をしていた。

理化学研究所は業績を上げ評価されなければ予算もつかない競争の激しい研究機関と言われているが、それはどこの機関でも同じではないか。

特に理研は新制度となる特定法人指定の時期とも関連し、組織ぐるみでアピールする機会を狙っていたのではないか。

小保方さん一人を「未熟な研究者」として片付けては何ら問題の解決にはならない。

NHKは国会同意人事、監督官庁である総務省との関係で政治介入されやすい面も問題ではあるが、NHKが一致団結しこの事態に対応するには、浜田経営委員長、安倍総理人脈の2人の経営委員、籾井会長の辞任で一度収拾に向け動くべきではないか。

安倍総理は国会で「経営委員会での発言が重要」として、2人の任命責任の回避を計っているが、経営委員会は提案事項に「うん」と言っていれば良いそうで、発言することは歓迎されないらしい。

理研も我が国の科学に対する信用を失落させる事態になった責任は大きい。野依理事長は辞任し、センターの上層部、STAP細胞論文に係わった共著者も辞任すべきだろう。

NHKも理研も上層部の辞任でことの重大さを職員に見せつけ、事態の改善に努めるべきである。

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