2014年3月20日木曜日

2%物価目標未達なら黒田・日銀総裁、岩田・副総裁は潔く責任を取るのか

日銀が異次元の金融緩和を謳って1年、2%の物価目標に向かって順調に経過していると黒田総裁は言うが、民間エコノミストは悲観的見方が大勢だ。審議委員の23人は表現に異論を唱えている。決して一枚岩ではないのだ。目標未達なら日銀総裁、副総裁は責任を取って辞任するのか。2年という期間も「2年程度」と表現が変わり責任逃れの臭いもする。

何でも2%であってはならず、好ましい経済環境での2%目標でなければならないのは当然だ。

2%のインフレターゲット設定、2年で2倍の異次元の量的緩和は、長年のデフレ、円高、株安に苦しむ日本経済にあって脱デフレ、円安、株高の「国民の期待」に十分答えられる政府、日銀の政策だった。

過去の政権(自民党も民主党も)も脱デフレを望んでいたが問題解決には至らなかった。国民も市場も見据えていたのだ。

衆院選では市場におカネを流す量が不足しているからデフレから脱却出来ない、円安にならないと時の民主党政権は批判の矢面に立った。そこで安倍総裁(当時)、安倍政権は経済学会からも否定されていた異次元の量的緩和に踏み切った。これが海外ファンドの儲けの糸口になり株価は高騰した。

円安もあって輸出企業は活気を取り戻す結果になり驚いたことに赤字企業が一変し、黒字を計上することになった。アベノミクス礼賛で安倍政権は国内はもとより、海外でも「日本経済の復活は世界経済にも好影響だ」との論法で評価された。

そして1年、今年1月の物価上昇は1.3%で、2%へ向け順調に推移していると黒田総裁は言う。その達成期間は14年度から15年度らしい。2%で終わるのではなく、安定的に2%を維持できるかがポイントなのだそうだ(朝日新聞2014.3.15)。

4月からの消費税増税では景気の腰折れが心配されているが、そういうときは躊躇無く次の手を打つことに言及しているが、どんな手があるのか。更なる緩和ぐらいでは期待外れだろう。量的緩和効果も疑問が出て来ている。

よく新聞紙上に出るのが、量的緩和を進めても銀行や信用金庫から市場に出回るカネは微増にしかならないのだ。この点は経済財政諮問会議でも指摘され麻生財務相は「そこが問題なのだ」と言うし、民間議員は「その点も議論しましょう」と提案するが、議論した形跡があるのか。

要は、銀行からカネを借りて投資する新しい事業が見つからないのではないか。

そこでいつも第3の矢「成長戦略」が話題になるが、内容が乏しいと批判され、6月に見直し案を出すらしい。でも検討している人間は同じ官僚であり、官制ファンド依存で税金を無駄遣いされてはいい迷惑だ。私企業が個人のカネで事業に手を出す魅力のある事業分野が見つかるのか。

国内需要を喚起し、賃金上昇による好循環の経済下での物価上昇なら良いが、円安による物価上昇での好ましくない経済下での物価上昇は禁物だ。

好ましくない状況下での2%物価上昇あるいは好ましい状況下での2%未達の時は、黒田総裁、岩田副総裁は潔く自ら身を引き責任を取るべきではないか。

政権に同調し大洞を吹けば政権に取り入れられるようなことがあってはならない。


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