2015年3月31日火曜日

辺野古移設:仲井真前知事の最後っ屁が県民の民意を制するのか

辺野古移設で仲井真前知事の最後っ屁が移設反対の県民の民意を制することになるのだろうか。翁長知事が発した作業中止指示に対して沖縄県vs政府の対立が深まってきた感じだ。農水相が県知事の作業停止指示の効力を止める決定を沖縄県に通知した。無効とするかどうかは審査を続けるらしい。

メデイアの報道によると現地では陸上、海上で反対運動が激化し逮捕者も出る事態になっている。このまま行けばエスカレートするのではないか。

一方、記者会見した防衛相は6月までにボーリング調査を終え、次の埋め立て工事に移ると強気の姿勢を崩さない。

ここは沖縄県の要望を聞いて一旦作業を中止し話し合うべきではないかと思う。

この岩礁破砕許可、埋め立て承認許可は、辺野古移設反対から賛成に回った仲井真前知事が退任間際に放った最後っ屁である。先の沖縄県知事選で推進派の仲井真現職知事と移設反対の翁長候補が戦って翁長さんが当選し仲井真さんは敗退した。

仲井真さんは県民の民意を得られなかったのだから、退任間際に許可を出したこと自体が民意を踏みにじった行為だった。このままでは今まで自分が進めてきた移設問題が頓挫すると思ったのか、政府から最後の強要をされたのかは分からないが県民を裏切ったことは確かだ。

本来であれば、仲井真さんは翁長さんに後を託すのが常道ではなかったのか。

ところで今後どうなるのか。

沖縄県は工事が中止されないときは「岩礁破砕許可」を取り消すというが、政府はあらゆる法を駆使して対抗するはずで最後は裁判も辞さないようだ。しかし在日米軍基地、日本の防衛、安全保障と言うことになると裁判所が判断を下せるか。

決着は着かない間に工事はドンドン進んでいくことになる。

さらに沖縄県は仲井真前知事が出した埋立承認許可のプロセスに問題が無かったかどうかも検討するともいう。
知事が促進派か、反対派かで行政指導も違ってくるし、しかも法解釈に疑義が出たときは本庁に問い合わせるのが常だから沖縄県の役人も大試練に立つのだ。

ここはにらみ合ってばかりいても仕方ない。一度県と政府が話し合う必要があるのではないか。農水相は「工事を中止しなくても調査は出来る」と発言していたが、ならば共同して調査すれば良いのではないのか。


アジアインフラ投資銀行へ44カ国も参加:それでも中国の覇権主義に寄りそうのか

中国が提唱するアジアインフラ投資銀行に44カ国も参加を表明、更に増えるらしい。それでも領土問題で近隣諸国と紛争を繰り広げている中国の覇権主義に寄りそうというのか。GDPで世界第2位にのし上がった中国がインフラ投資などで途上国に政治経済面で発言力を高めようとする姿勢はありありだ。

世界銀行は歴代米国が総裁を出し、IMFは欧州出身者、アジア開発銀行は日本人が総裁を務める。GDP第2位の中国が発言力をあげ主導権を握りたいと思ったとしても不思議ではない。

途上国、新興国の台頭で世界銀行、IMF,アジア開発銀行も十分に機能していない不満がこれらの国にはあるのだが、IMFなどの改革は叫ばれているが米国の反対でなかなか進まないのだ。

しかし経済力をつけてきた中国といっても地球温暖化防止では大量のCO2を排出しながらその削減には発展途上の大国だと言ってみたり、力を発揮したいときは大国だと言ってみたり、その時その時で適当に使い分けしている国だ。

そういう中国が参加国から出資金を集め主導権を握る(?)のだからアメリカや日本が運営、審査の透明性や中立性を確保するよう要求しているが、理事会などの設置は不透明なのだ。

麻生財務相もガバナンスの不透明、債務の持続可能性などに懸念をしめしているのも当然だ。

イギリス、ドイツ、フランス、イタリアは参加表明、カナダは米国の様子見で検討中、米国、日本は参加に慎重ということらしい。G7でもその姿勢に違いが出ている。

テレビの情報番組では、財界はビジネスの事を考えると参加すべきだと主張する。中国や途上国へのインフラ投資に期待してのことだ。

でも、参加しても日本は多くの出資金を拠出しなければならず、その融資、投資の采配を中国に握られその安全性に問題が出てくれば、うまく利用されて終わりということにならないか。

既設の世界銀行、アジア開発銀行との関係をどうするかも問題で世界銀行の枠組みの中でという考えもあるだろうが、中国はあくまでも補完的銀行だと言い対抗する考えはないというが鵜呑みにはできない。


ある時は発展途上の大国と言ってみたり、ある時は経済大国の権威を振るう中国に利用され、中国の覇権主義に手を貸すことで終わりそうな気もする。

2015年3月30日月曜日

安倍総理の「我が軍」発言:これも岩盤規制(憲法9条、自衛隊)へ楔を打ち込もうとしているのか

安倍総理の「我が軍」発言は憲法9条、自衛隊に関する岩盤規制に楔を打ち込むことになるのか。安倍総理は参院予算委員会で他国軍との共同訓練での対比イメージとして自衛隊を「我が軍」と呼び、菅官房長官はすかさず「我が国の防衛を主たる任務としている組織を軍隊と呼ぶのであれば自衛隊も軍隊の一つ」とフォローした。

ところが、30日のNHKラジオニュースで衆議院予算委員会で安倍総理が「予算委員会でこんなに時間を取られるのであればもう「我が軍」という言葉は使わない」と発言したという。

この安倍総理の「我が軍発言」はメデイアや国会で大きな批判に会っている。事の重大性を安倍総理はどう思っているのか。予算委員会で予算審議が進まないから困って「もう使わない」と言ったとすればあまりにも酷すぎる総理ではないか。

憲法第9条には、陸海空軍その他の戦力は保持しない。自衛のための必要最小限度の実力は認められている論法から自衛隊は合憲として来た。

従来の政府の考え方も「自衛隊は軍隊とは異なる」と憲法上は軍隊でないと否定してきた。1967年頃からそう考えられているのだが、既に40年が経過、安倍総理は集団的自衛権をはじめ安保法制化に異常な執念を持ち憲法解釈を閣議決定したいらしい。

安倍総理は今までタブーとされてきた課題に思い切った発言し改革しようとしているが、この「我が軍」発言も憲法9条、自衛隊に関する岩盤規制(?)にドリルの刃となって風穴を開けようとしているのか。

だとすると、言ってみたり引っ込めたり出来る政治課題ではないはずだ。

今、野党もメデイアも大いに安倍発言に言及しなければならない時であるが、なんだか頼りない。

あの総選挙前のTBSニュース23でのアベノミクスに関する街頭インタビューで成果を否定する発言が多かったために生出演の安倍総理は俄然異論を唱えた。「偏っているのではないか」と反論し、多くの経済指標を上げて好転していると反論に出たのだ。

これがメデイアにとっては政府が言論封じをしていると見て取った。それ以降メデイアは萎縮したままだ。国会で野党がこの点を追求すると「言論の自由」と応えたそうだ。「言論の自由」とは総理をはじめ権力者の言動に自由に異論を唱えることが出来ることではないのか。権力者が言論の自由で何を言っても良いと言うことではないはずだ。

27日の報道ステーションでもコメンテーターの古賀さんが番組から降ろされることになり、古館さんらと政府の介入の有無に関して激論があったと言う。政府に反対する有能なコメンテーターが下ろされたことになるのだ。

国会でも野党の追及は元気がない。

「政治とカネ」の問題で民主党の質問者に「日教組、日教組」と異例な発言をして後で間違っていたことが分かり謝罪していたが、民主党はおとなしく引き下がったようだ。昔なら首を取るぐらいのことはやったはずだ。

時々国会審議をNHK中継で見ているが、「ああ言えば、こう言う」で議論がかみ合っていない。野党の質問者からは「答弁をはぐらかしている」とは総理も大臣も閣僚も同じだ。


こういう偏見を持った総理に安保法制化を託してはいけないと思うのだが。

2015年3月26日木曜日

STAP細胞の不思議:騙した小保方さんが悪いのか、騙された理研が悪いのか

STAP細胞不正事件は、その本質がわからない不思議な研究だった。騙した小保方さんが悪いのか、騙された理研が悪いのか。理研は本質的な解明をせぬままに幕引き、批判を受けるべき野依理事長は高齢を理由に辞任するという。「STAP細胞不正事件での引責ではない」という度に「本当か」と疑いが濃くなる。

理研での長期政権を企み文科省と特定国立研究開発法人設立、理研指定に動いたが指定への功を焦って虚構でイカサマ科学のSTAP細胞研究に手を染め失敗に終わった。

しかもこの研究に費やされた予算は8400万円という途方もない巨額で、小保方、笹井、丹羽、竹市、若山、バカンテイさんらの一時の夢に巨額の投資をしたことになるが、その金の出所は交付金であり私たちの税金からだ。

朝日新聞(2015.3.26)の「STAP細胞 解明なき幕引き」の記事をよんでやりきれない思いがするのだ。

この事件は今後研究者倫理教育の資料に使われるであろうが、アイディアの是非、ES細胞混入の行為者、動機がはっきりしなければ何の参考にもならない。世界三大不正事件と言われた韓国の再生医療、ベル研究所の超電導研究では詳細が分かっているのだ。

それにしても専門外でも知りたいことがある。

このSTAP細胞のアイディアはバカンテイさんだというが、米国ではこの研究は否定されていたのではないか。それが何故日本に持ち込まれたのか。バカンテイ研究室でのやり取りが分からない。

そしてバカンテイさんは自ら実験をやっていたのか。再現実験に失敗というニュースが流れると酸性溶液で処理する以外に細い管を通す必要があると言ってみたり、実験者のテクニックにおうところが大きく簡単にはいかないと言ってみたり、自分で実験して小保方さんをフォローした形跡がない。

朝日新聞の記事で、川合理事が「客員として研究していた時に何故気がつかなかったのか」と述懐しているが、その通りだ。若山さんは自分の研究室に理研を通さず迎え入れたという。では、若山さんの責任は重大であるが既に退職し山梨大に移っているので処分は出入り禁止程度だ。
若山さんはどうして山梨大に移ったのか。自ら新しい職場を見つけたのか、理研を追い出されたのか。

また、小保方さんはすぐにバレることをどうしてやってしまったのか。バレることはないだろうと高をくくっていたが、バレてしまったということか。

STAP細胞はES細胞の可能性が非常に高く、頻度も多いと調査委員会の報告には出ていた。ES
細胞を故意に混入したとして誰がやったというのか。実験者本人の小保方さんが研究の成功をごまかすためにやったというのが一番分かりやすいが本人は否定する。

では他人が混入させたとして何のためか。どのサンプルにどれを加えればいいのか分かるのか。混入の頻度が高かったということは手あたり次第に混入したとでもいうのか。

思い出してみよう。あの論文発表記者会見での喜々として満面の様子は何だったのか。「見失った息子を捜しに行きたい」とか検証実験に自ら参加を希望したことが理解できない。

先のNHKのニュースで小保方さんには「自家発光」の認識がなかったという。「緑色に発光すれば万能性あり」と考えたのだろうが他の研究者は「自家発光」と考えて万能性は否定していた。ここが成果としての見方の大きな違いではなかったのか。

でも、調査委員会の報告を公開しなければ詳しいことは分からない。理研は隠しているようだが8400万円も費やした不正研究だ。公開すべきと思うが。

しかし小保方さんにも一抹の不安はあったのではないか。メデイアの報道によると発表前に野依理事長にあいさつに行ったそうだが、緊張していたという。不安そうな小保方さんを見て野依理事長は「小保方を守れ」を命じたようだ。

ノーベル賞受賞者を前に「悪行がばれること」が頭をよぎったのではないか。

理研の解明が中途半端に終わった要因に「理研の被害者意識」があるという。アイディアはバカンテイさんで、実験者の小保方さんは「未熟な研究者」なのだ。被害者意識があることは確かだろうが、若山さんはその時理研の人間で若山研究室でやっていた小保方さんのSTAP細胞研究がどうして理研の今後を左右するテーマに持ち上げられたのか。

メデイアの報道によると、笹井さん、竹市さんらのトップダウンで秘密裏に進められた研究だという。もっと所内で議論する機会があればこんな不祥事は避けられたというのだ。

ところで野依さんは新しくできる特定国立研究開発法人を「トップダウンで研究できる法人」を目指すと言っていたが、STAP細胞不正事件はトップダウンでやった結果ではなかったのか。

「理研の改革は進んでいる」、「目途はついた」というが身内だけの見方ではないのか。もっと情報を公開し、小保方さんも逃げてばかりでなく説明しなければ、ペテン師のレッテルを貼られて終わりではないか。


2015年3月25日水曜日

沖縄県の作業中止指示に国が対抗:政府は沖縄県にケンカを売っているのか

翁長・沖縄県知事の作業中止指示に国は法的処置で対抗する姿勢を鮮明にしているが、政府は沖縄県に「理解を得る」姿勢よりもケンカを売っているのか。県の作業中止指示にかかわらず国は作業を続行していることに県知事は「指示を真摯に捉え適切に対応してほしい」とコメントした。

菅官房長官は24日夕方の記者会見で「違法性が重大かつ明確で無効だ」という。

でもこの会見で気になったことがある。

菅官房長官が国の対応の経過を説明している過程で、農水省の職員が県庁に出かけて今後の手続きを説明したが、県側から特に意見はなかったと言ってニヤッと笑みを浮かべたのだ。

何やら沖縄県を嘲笑っているようだったが、政権のスポークスマンとしては不謹慎な態度ではなかったか。

民主主義国家、法治国だからあらゆる法を駆使して対抗するのは当然といった姿勢だが、むしろ「理解を得るため」に県側と真摯に話し合う必要があるのではないか。

そして、菅官房長官の記者会見の会場ががら空きなのはどうしてなのか。時々テレビは会見場全体からズームする時があるが、記者が座っているのは会見場の4辺の席で真ん中はがら空きなのだ。

勿論、重大事件で政府の情報を得ることが必要な時は会見場の席は埋まるが、平時はがら空きなのだ。


メデイアからもその程度とみられているのだろうか。

2015年3月24日火曜日

これも野依イニシアテイブか:STAP細胞研究不正の責任は「現場の研究者」、理事長ではないという

これも野依イニシアテイブか。辞任が予定されている理研・野依理事長が23日記者会見でSTAP細胞研究不正について発言し、研究不正の責任は「現場の研究者」にあり理事長である自分にはないという。徹底した解明がなされなかったのは論文が撤回されれば記述はなかったことになり解明を打ち切るのが研究者社会の主流だと言う。一般社会では非常識に聞こえた。

自らの責任を回避する論法だが、今回の研究不正は所内にルールがありながら無視してトップダウンで不正を行った組織のガバナンスの欠陥があったのではないか。それは誰の責任かといえば組織の長である野依理事長の責任ではないのか。

そして日本の科学界の信用を大きく失墜させた責任も大きい。その認識が野依理事長にはないのか。

何やら研究者社会の常識と一般社会の常識の食い違いをあからさまにした感じだ。

「社会への説明をどう考えるのか」と質問され、「不正防止をして今後科学技術の振興に貢献出来れば、この事案はあったかいがある」という。何を考えているのか。この事案は世界三大不正事件とまで言われ研究者倫理の問題にまで発展した最悪に事案だ。

今後生きるとすれば、研究者倫理教育の代表事例として「理研・STAP細胞不正事件」としての資料なのだ。

また研究全体が虚構だったSTAP細胞研究に8360万円という突出した予算を使い小保方さんの研究には4600万円が使われたことが分かった。これが国の交付金すなわち我々の税金で処理されているのだ。理研の対応がもたついている間に経費がドンドンかかっていたのだ。

msn(2015.3.24)やメデイアの報道に目を通してみた。

今回の記会見は辞任の記者会見ではなく、大きな意味で真相が解明されたこと、外部有識者委員会の「改革の道筋がついた」との報告を受けてのことだったようだ。「人事についてはコメントしない」と相変わらず言う。

徹底解明がされていないことについて、経過は未解明だが詳細よりも全貌がどうだったかが大事で、その場その場で最適な判断をしたといい、研究全体が虚構だったというが最も大事なことは結論で法的処置は行わないことになったという。

野依理事長もSTAP細胞研究不正を最初は図版の取り違え問題に過ぎず研究成果はゆるぎがないとみていたが、学位論文の画像が転用されていたことで大変なことが起きたと考え始めたようだ。だから「未熟な研究者の仕業」と言うことになったのか。

論文を撤回すれば解明は打ち切るのが研究者社会の主流と言うが、失言を撤回して責任逃れする政界と同じむじなだ。

最大の責任は「現場の研究者」と言うが、では誰なのか。小保方さんかというと「チームとして大きな問題」と言い換える。

やっぱり今回の不正事件での一番の責任は当時の理研の若山研究室にあるのではないか。虚構の研究を日本に最初に持ち込んだのは若山さんだ。しかも理研を通さずに迎え入れたという。若山さんがもっとしっかり事前調査していれば防げた事件だったかもしれない。その点は故笹井さんが記者会見で言ったとおりではないか。

今回の理研の一連の対応を見ているとノーベル賞受賞者である野依理事長をどう守るかが至上命題になっていたのではないか。それが処理の判断を狂わす結果になった。ノーベル賞受賞者を組織の長にしてはならない良い例だ。

又、下村文科相も理研を視察し「道筋はついた」と感想を述べたようだが、特定国立研究開発法人への指定については「いつまでにとは言えない」と言ったそうだ。


理研の次の理事長候補に松本前京大総長の名前も挙がっている。国民に理解される改革を行って欲しいが、まずは調査委員会の報告書を公表すべきではないか。「STAP細胞はES細胞」の結論に至った経緯が分からないのだ。

どうなる沖縄県vs政府:翁長知事が「腹を決めた」辺野古沖作業中止指示

NHKニュースうウォッチ9 2015.3.23
これからどうなるというのか沖縄県vs政府、辺野古沖のボーリング作業などを翁長知事は沖縄防衛局に作業中止の指示を出した。翁長知事は「腹を決めた」というニュースを23日のNHKニュースウオッチ9で知った。国は「県民の理解を得ながら」と必ず言うが菅官房長官は「この期に及んでこのような文書を出すこと」自体を批判する。

辺野古移設に対して仲井真前知事は当初反対だったが、どういう取引が政府となされたか知らないが移設賛成に回り話はドンドン進んだ。

そして退任間際に「岩礁破壊」許可を出してしまった。辺野古移設への賛否を問う沖縄知事選挙で敗退したにもかかわらず県民の民意に反しての行為だった。

更に県民の理解を得ながらと言いながら、政府のやっていることは踏みにじる行為だった。

サンゴ礁が傷ついている可能性もあり、立ち入り区域内での調査を求めたが拒まれ、問題のブロック投下も岩礁破砕手続きの対象となる県の見解を聞き入れなかった。沖縄県漁業調整規則は県知事の権限が大きい。やたら無視していいはずはない。

NHKのニュースによると、沖縄防衛局に対して県が必要な調査をし調査終了後改めて支持するまでの間海底面での現状を変更する行為すべてを一週間以内に停止し、県の現地調査に協力するよう指示し、指示に従わない場合は前知事の出した「岩礁破壊許可」を来週にも取り消す方針を示した。

許可には県の規制が条件に付けられており、許可を取り消すことができるというのが沖縄県の主張で、申請外の行為、条件に違反した場合許可を取り消すことができるのだ。

今回のボウリング調査などで立ち入り禁止区域の浮き具の重りとして投下したコンクリートブロック33個で許可区域外で岩礁破壊している可能性が高いと県は言う。だから作業を止めて調査に協力し、改めての指示に従えという真っ当な県の要求なのだ。

それを何故か、拒否しているのだ。政府はこの期にこのような文書を出すのはおかしい。作業を中止する理由はなく、作業は環境に万全を期しながら粛々と進めていくという。

防衛省も許可を取り消してもボーリング調査の継続には問題がないというのだ。

県の「岩礁破壊許可」など必要ないと言わんばかりの見解なのだ。安倍総理の訪米を控えて基地問題でゴタゴタを起こしたくないというのが政府の考えなのだろう。

逆に米国はこんなにぎくしゃくし、環境破壊までしての基地移設に何とも思っていないのだろうか。

根本的には、「何故、沖縄、辺野古か」という問題に立ち返るのだ。

辺野古移設反対で沖縄県民の支持を得、当選した翁長知事が工事中止に向けどういう戦力に出るのか注目していたが、「腹を決めての作業中止指示」になった。

安倍政権は、上京した翁長知事に会おうともしない了見の狭い政権なのだ。これで「県民の理解を得ながら」とは笑い物である。


ここはいったん中止し、県の調査結果を待って話し合いすべきではないのか。

2015年3月23日月曜日

東京大田区久が原の桜:明日24日開花で卒業式に間に合うか

松仙小学校のサクラ 2015.3.23撮影
東京大田区久が原の桜は23日は蕾みもほころびかけで明日24日には開花で卒業式には間に合いそうだ。気象庁は23日東京に桜の開花を宣言したようだ。私の住んでいる大田区久が原、雪が谷も桜の名所で四つ角に立って東西南北を振り向くと、どの方角かに桜の大木が保存され、サクラの時期になるときれいに咲く。

サクラの大木を見ると「大田区保護樹 サクラ」の銘板がぶら下げてある。余りにも大きくなりすぎると枝などが落とされる。

今日、23日に近くの松仙小学校、都立雪谷高校周辺のサクラを見て回った。

それでも一部には開花した枝もある
松仙小学校 2015.3.23撮影
一部の木に咲いている枝があったが、全体としてはまだ開花とは言えない状況だが、午後になってつぼみがほころびて来た感じだ。

明日24日には、確実に開花だろう。松仙小学校の卒業式には間に合いそうだ。

そして25日は修業式だ。昨年はサクラを背景にしたビューポイントで賑やかな子どもの声と同時に先生の「ハイポーズ!」の声が聞こえた。覗いて見るとクラス全員を並べて先生がデジカメで撮っていた。

先生にとっても生徒にとっても記念の1枚だ。

子どもの事件が多い中で健やかに育って欲しいと思う。


区内にある大木には大田区保護樹の
銘板が吊されている
24日に開花した



2015年3月21日土曜日

今後の難しい金融政策:金融政策の正常化(利上げ)か、脱デフレの量的緩和か

今後の難しい金融政策、金融政策正常化に向けた利上げか、脱デフレのための金融緩和か。米国は量的緩和を終え金融政策の正常化に向け利上げのタイミングを狙っている一方で、ユーロ圏は量的緩和を開始、我が国は追加緩和で続行中だ。今必要なのは利上げか、量的的緩和か。FRBが利上げするのではないかという市場の読みでドル独歩高、円安、ユーロ安に動いている。

FRBのイエレン議長の発言も「金融政策正常化(利上げ)まで忍耐強く待つ」から「雇用の改善、2%インフレ目標に合理的確信が持てた場合に利上げするのが適切だ」と「忍耐強く待つ」の表現が削除されたことに市場、メデイアは注目、時期は6月か9月かの見方が広がる(読売新聞2015.3.20)。

米国の金融政策正常化に向けた利上げが現実味を帯びてきた。その予想中央値は0.625%らしい(同上)。

オバマ政権は米国の輸出を伸ばすために「ドル安」容認の政策をとっていたが、「ドル高」は米国の輸出産業にとってはマイナスだ。日本も同じで円高はマイナスだったが円安に転じてからは成長路線に乗ったように見える。

でも、今は121円台、中小企業や家計には負担になってきた。円高だった民主党政権の時90円台半ばが最適と言われていたが、105~110円が理想のようだ。

為替レートはその時の国の経済力を反映すると教えられていたのでデフレに苦しむ円高の時は経済力があったのかと疑うが、今成長路線に乗っているように見える日本の経済力は弱くなったのか。

市場は何やら他の力で動いているように見える。

ところで、日本は当然にリスク要因になる米国が利上げに踏み切ると日本経済、世界経済はどうなるか。金融市場は混乱、緩和マネーが流れていた株価も下落だ。そうでなくても「日本株の下落はいつか」が話題になっている。

ECBはデフレ脱却、2%物価目標に向け、月8兆円の量的緩和を開始し、日本も2%物価目標未達の可能性があり景気下支えのために追加緩和に踏み切った。失業率は改善し、新人の就職内定率も90%を越えたと言うがまだ成長の余地はあるらしい。

私も早くゼロ金利を脱し、金融政策正常化へ向かって欲しいと思うのだが、金利が上がれば企業の設備投資、住宅ローンなど個人消費にも影響が出てくる。速水総裁の時に、政府の反対を押し切って利上げに踏み切ったが景気下落でゼロ金利に戻したことがある。異次元の量的緩和で270兆円超のカネを市場に流しながら出口戦略の話をしない日銀に不満を感じるが、政府にはそのことを例に挙げ量的緩和の縮小を牽制する。

政府の赤字財政を支える赤字国債を日銀が買い上げているが、欧州では「国債はリスク資産」として銀行の規制強化案が出て来た。日銀をはじめ日本の金融機関も多額の国債を保有している。一旦下落となれば銀行経営にも大きな影響が出てくる。決して他人事ではなく、黒田・日銀総裁が経済再生諮問会議で「国債はリスク資産とみられる」と発言したことが議事録に記載されていなかったことで問題になっているが、政府は認めたくないのだ。

そして、日銀の国債買い入れを「財政ファイナンスと見られないか」と危惧する発言が日銀の政策決定会合で出て来た。危惧ではなく実際にそうなのだ。

先日の参議院予算委員会で野党議員が「国の借金が1029兆円になったのだから少しずつ返したらどうか」と財務相を問いただしたが麻生さんは「立場上、マイクの前で喋ると反響が大きいので差し控えたい」と発言し国の借金についての審議は進まない。

それでも日本国債は安全資産とみられているのか。多くを国内で消化し、個人資産は1400兆円にもなるので当分は大丈夫とみても数年で行き詰まることは目に見えている。

朝日新聞(2015.3.20)のクルーグマンコラムで「FRBは利上げを早まるな」という論文が目に止まった。

それによると、ドルは価値を下げているどころか、20%も急騰しドル高は米国にとっては貿易赤字拡大、経済回復を弱らせるので悪いことだという。

経済は改善の余地が有り、賃金の上昇はなく、投資家へのリターンは低いが他に比べてマシで米国にカネが流れている。だが、得するのはユーロで、損するのは米国だという。

このまま行けば、ユーロは下落、ドルは上昇し米国の成長を阻害するとみるが、FRBは利上げに熱心だとクルーグマンさんは皮肉る。米国への資本の流入は米国を強くするのではなく逆に弱くするのだから「利上げを急ぐな」というのだ。


経済学者はいろんなことを言うが、実験できないので利上げが良いのか、量的緩和の継続が良いのか分からない。でも異次元の金融政策は非伝統的金融政策、劇薬で、ゼロ金利は中央銀行の金融政策に足かせになる。一日も早く金融政策の正常化に向かって欲しいと思うのだが。

2015年3月20日金曜日

STAP細胞研究:理研は無価値ではないと言うが、不正が認定された研究にどんな価値があるというのか

STAP細胞研究は無価値ではないと理研は言うが、不正が認定され論文が撤回された研究にどんな価値があるのか。捏造、改ざんなどの不正が認定された小保方さんのSTAP細胞研究だが、メデイアの報道によると、20日理研の有信理事が記者会見で「実験は行われており、研究そのものが無価値だったとは謂えない」として、論文2本の投稿料約60万円の返還を小保方さんに求めると発表した。

検証実験で1300万円と言われていたが理研でのSTAP細胞に人件費や研究費を入れると約3500万円とも言われていた。それが60万円で終わるのだ。如何に理研側にも大きなガバナンス上の欠如があったとしても、刑事訴追も放棄する大甘の処分だ。

20日のNHKのニュースでは、STAP細胞の万能性を評価する「緑色の発光」も細胞が死ぬ時も緑色に光る現象である「自家発光」への認識がなく、確認もしていなかった重大な落ち度があった事を伝えた。理研の調査委員会の報告には記述されていたそうだが理研が隠していたようだ。

確かに小保方さんも再生医療分野に研究をシフトしてまだ5年、十分な専門教育も受けずに実験に明け暮れていた(?)のだから専門家が常識と思っていることも認識できなかったのだろう。

NHKのニュースによると自らの記者会見では「確認はした」と言っていたが、調査委員会の聞き取り調査では「認識していなかった」「確認していない」「甘かった」と供述しているらしい。

ところで理研が言うように小保方さんは実験をやっていたのか。研究そのものは価値があると思っているのか。

実験はやっていたと言うが、実験ノートが書けるような体系的な実験ではなく、その時その時、その場しのぎの実験ではなかったのか。実験目的の万能性も「緑色の発光」で確認していたが「自家発光」もあることを認識していなかったので研究成果を誤った。

何故、誰がES細胞を混ぜたかは分からないが「STAP細胞はES細胞の可能性が高い」と言う結果になった。それでも理研は器具の誤操作の可能性も捨てきれないという。

しかし、捏造、改ざんの不正が認定され論文撤回になった。それでも実験をしていたと言えば間違いはないのだ。
では、研究そのものは無価値ではなく、価値があったと言えるのか。

理研自体はガバナンスの欠如をさらけ出し解体、組織の見直しがされることになった。一方、研究者倫理教育の必要性が求められ理研・STAP細胞不正事件が良き教科書となったはずだ。

そして、長期政権を築こうとした野依理事長が辞任することになった。ノーベル賞受賞者とは思えない政治的動きは特定法人の構想まで出て来たが本当に野依さんが言うような「トップダウンの研究機関」が必要なのか。STAP細胞不正事件では竹市さん、笹井さんなど理研のトップレベルのトップダウンで失敗したのではなかったのか。

イカサマ科学のSTAP細胞研究に3500万円浪費したが、これで理研が変わり、研究倫理教育が強化されれば失墜した日本科学界の信用も徐々に取り戻せるのではないか。

新しい理事長の下で国民の信を得られる理研になって欲しいと思う。


【追記】
メデイアの報道によると、理研がSTAP細胞研究関連に使った費用は約8500万円になると言い、全てを国からの交付金で処理したそうだ。

ここにも税金を人のカネと思う安易な考えがあるのではないか。野依理事長の退職金で一部を賄うべきではないか。


STAP細胞不正事件:理研は小保方さんの「自家発光」への不認識を隠しているのか

STAP細胞不正事件で理研は小保方さんの「自家発光」に対する認識の重要な証言を隠しているのではないかというニュースが20日の12時のNHKラジオで流れた。細胞が緑色に光ることでSTAP細胞の万能性を示すと思われていたが、細胞が死滅する時も緑色に光ることを専門家が当初から指摘していた。

この「緑色の発光」がSTAP細胞の万能性の証拠にもなり、小保方さんは記者会見で200回成功したと豪語し、後の記者会見で笹井さんはこの200回とは緑色に発光する段階だろうと説明していた。

理研にとってはSTAP細胞を信じる根拠にもなった現象だ。

ところが、NHKによると自ら入手した資料によると、この点の確認、小保方さんの認識が不十分だったようだ。

小保方さんは最初、自家発光ではないことを確認したと言っていたが、調査委員会の聞き取りでは「そこまで思っていなかった」と証言し、「調査もやっていなかった」「甘かった」とも言ったそうだ。

緑色に光る現象を細胞は死ぬときにもひかる「自家発光」の認識がなかったことになる。STAP細胞論文不正が持ち上がった時に、早くから専門家によって「自家発光ではないのか」という指摘はあった。

なんで笹井さんともあろう研究者が「確認しろ」と言わなかったのか。それほど頭から信じ切っていたのかと思うと残念でならない。

一方で、理研が成否を分けるこんな重大な証言を隠していたことに怒りを覚える。こういう世界三大不正事件の一つまでになった「落ち度」の一つが分かってきたが、もっと他に「小保方さん自身がES細胞を故意に混ぜたのではないか」などの証言があるのではないかと疑う。

調査委員会は理研から口止めされている可能性もあるのだ。

理研は、第三者から情報公開法による開示要求の前に率先して調査報告書を公開すべきではないか。
メデイアの報道によると、野依現理事長は今月で辞任する。後任に松本・前京大総長の名前が挙がっている。新理事長の下で英断を期待する。


2015年3月19日木曜日

国連防災も国連気候変動も同じ穴のむじな:途上国vs先進国の政治的駆け引き?

国連防災も気候変動も同じ穴のむじなか。途上国vs先進国の政治的駆け引きで資金の奪い合いではうまく行くはずがない。仙台で開かれていた第3回国連防災世界会議もやっと「仙台防災枠組み」が採択され数値目標なしの7項目の世界目標が決まったという。

なにやら地球温暖化防止でCO2など温暖化起因物質の削減の枠組みを決める国連気候変動と同じような状況ではないか。先進国と途上国が財政支援を要求し合う構図と同じなのだ。

そう考えればうまく行くはずがない。結局は国際防災、気候変動を仕事とする○○村のグループの利権(?)獲得競争になるのだと言えば言い過ぎだろうか。国連防災の活動も各国が政治的駆け引きで動いている限り被災民、低開発国の救済にはならない。

国内でもうまく調整できない政策課題を国連の場で調整できるわけがないのだ。

新聞でやっと決まったという7項目の世界目標を見てみた。

災害による死亡率、被災者数を2030年までに減らす。災害による経済損失のGDPに対する比率を減らす。30年までに重要なインフラ施設、基本サービスに対する被害を大幅に減らす。20年までに防災戦略を策定した国を大幅に増やす。30年までに持続的支援により新たな枠組みを途上国が実行できるように国際協力を大幅に強化する。30年までに早期警戒システム、災害リスク情報とその評価を大幅に普及させるの7項目が挙がっている。

確かに数値目標もなければ災害の定義も分からない。持続的支援で国際協力を強化するというが財政支援の枠組も決まらなかったようだ。これではどうしようもないと思うが、逆にここまでよく出来たことものだと思う専門家もいるだろう。

災害の中でも気候変動による災害は大きな比率だろう。発生件数は減っているが、その勢力は大きくなっているとよく言われる。我が国を襲う台風もそうだが、時を同じくして発生した大型サイクロン「パム」による島国バヌマツの被害をメデイアの報道で見るにつけ被害の甚大さを目の当たりにする。

簡単な住まいが吹き飛ばされた被災民を救済するのにどうするか。まさか仮設住宅を建てるわけにはいかない。テントの支給になるのか。島国の身分相応な救済策は被災国が考えることだ。それに財政支援するということか。

でも、途上国が財政支援の責務の明確化を訴えたのに対して先進国は反発したという。仕方ないことで支援策は何時もこうなるのだ。

国連気候変動枠組の会合がパリで開催を予定されているが、京都議定書のあとの新たな枠組みができるかどうか。国内経済への影響を懸念しての排出量問題、そして途上国vs先進国の財政支援闘争になるのだ。

ところで今回の第3回国連防災世界会議をなんで仙台で開催されたのか。東北地方太平洋沖地震での復興を世界の人にアピールしたかったのだろう。防災、減災、復興事業はビジネスにもなるのだ。

ところが、第1回が1994年横浜で、第2回が2005年に神戸で、そして第3回が2015年仙台で開催された。1990年から10年ごとの「国際防災の10年」ということで中間の年に国連防災会議が開かれているが、今まですべてが日本の開催だ。

外務省のHPによると、日本の防災ノーハウを世界に紹介し東日本大震災の経験、教訓を国内外に発信するというのだそうだ。

しかし、復興に関しては被災住民の意向を十分に反映させているか、カネにものを言わせた強引な復興になっていないか。そして福島第一原発の事故はチェルノブイリを超す事故だがその対応を世界にどう発信しているのか。

放射能汚染では安倍総理の「under control」が対策の障害になっていないか。先の国会審議でも東電・広瀬社長が答弁に窮していたシーンがあった。総理が世界に向けて発したメッセージなのだが、これにこだわっていては本当の解決策は出てこない。

毎回日本でやったということは、日本にとっても政治的野心があるからだ。ODA予算も増やし、国連安全保障会議の改革を謳っている。これには国連で議席を増やしている途上国の支持が欠かせないのだ。

しかし、どうであれ自然災害に勝てる技術はない。その風土に合った対応で減災に立ち向かうしかないのだ。先進国vs途上国の構図で考えていては「より安全な世界に向けての戦略」など出てこない。


2015年3月18日水曜日

見えてきた原発の実態:再稼働も廃炉も茨の道、増設、新設は論外か

運転開始ら40年、低出力の原発5基の廃炉が決まった。廃炉が決まると原発の実態が見え始めた。原発事業を始める前に決めておかなければならなかったいろんな問題が残っており、再稼働するにも茨の道、いわんや増設、新設は論外の雰囲気だ。

すでに運転が終わった3基は廃炉作業を行っているが基準作りや高濃度汚染構造物などの処分場が決まっておらず炉の中心部に入れない状態だという。

思えば大学受験の頃、工学部の原子力工学科を目指そうかと考えたことがある。実験炉も持っていたがその当時応募者が定員の2倍前後を示していた。ちょうど私の受験時は前年1.8倍だったがその年は2.2倍だった。学科の紹介でも原子力産業に従事する卒業生は少なく、エンジニアリング会社への就職が多いということだった。

その頃建設が始まったのだろうか。10年後に原発が稼働し始めたと記憶している。

原発立地は大量の冷却水を確保するために海辺の平たん地、寒村が選ばれた。当然漁業している人たちは猛反対したが、寂れる一方の土地にあって「泥田に鶴が舞い降りた」と賛成する住民が圧倒的に多かったのだ。

原発ができればアメとして巨額の交付金が配布され、原発本体だけでなく、周辺の環境整備がすすむ。不釣り合いなほどの道路整備、建物で地域の振興も進む。

「巨大技術で原発ほど安全な設備はない」と政府や御用学者ははやしたてた。でも著名な物理学者の中には、原子炉を十分に検討せず、アメリカで開発されたそのままを日本に持ってくることに反対する者もいた。我が国にあった技術に改良することが先だと主張していた。

特に地震対策は日本独自の技術が必要だったのだ。今回の東方地方太平洋沖地震での津波災害を見ると一目同然だ。

そしてさらに「情報公開」の必要性を問うていた。原発で何か事が起きれば設置自治体、近隣住民は情報が少ないと怒るが、民間会社の隠ぺい体質は今に始まったことではない。

後処理のことも考えないで原発の発電単価の安さは、放射能汚染事故、原発の廃炉を考えると信じられない安さだ。
更に思い出してみよう。あの計画停電のことだ。東京にいたときは計画停電に逢わなかったが、所用で群馬に帰った時は朝と夕方の2回計画停電にあった。寒い時だった。仕事で体を動かしている時はいいが、何もすることがなくなると耐えがたい寒さだった。

その時も電力会社は電力不足を主張したが、有識者は供給電力量が少なく見積もられているのではないかと疑問を呈していた。事業者である電力会社が情報を十分に公開しないのだ。経済産業省だって国民のためではなく、事業者のために動く。

こんな状況下で原発事業はやっていけるのか。

自治体対策、ごみ処理など面倒なことは国(国民)に頼り、いいとこ取りだけする電力会社に原発事業を任せていいのか。

電力会社に問うてみよう。廃棄物処理などを自分でやる決意があって原発事業を続けたいのか。

後処理も確立されて初めて事業として成り立つのではないのか。中途半端でいいとこどりの今の電力会社の原発事業には賛成しかねる。



国の借金1029.9兆円:少しづつ減らせと言うが、財務相は「マイクの前では言いづらい」と

行田議員(日本を元気にする会、無所属会)が17日の参議院予算委員会で国の借金について質問に立ち、少しずつ返したらどうかと追求するも麻生財務相は「立場上マイクの前での説明はしかねるがこっそりとなら説明しても良い」と交わし、公の場での削減議論は出来なかった。

17日午後、出先でNHKラジオの参議院予算委員会国会中継を聞いていたら日本を元気にする会の行田議員が国の借金について政府を追及していた。

今、国の借金は1029.9兆円になっているようだ。GDPが約500兆円だから対GDP比で200%になる。

借金ばかりでなく資産もあるから心配ないというエコノミストも多いが、行田議員は「その資産はどのくらいあるか」と質問した。

麻生財務相は、計算の仕方が色々あるが25年度で652.7兆円という。内訳も説明していたがラジオのため聞くづらい面もありはっきり分からないが、外為証券129.3兆円、財政融資137.9兆円、年金運用益104.8兆円などを説明していた。

借金から資産を引いた差が490兆円になる。これで国の借金を考えると対GDP比でも98%で何ら問題はなく、財務省や政権が消費税増税を急ぐ理由が分からないというエコノミストも多いのだ。

でも、この資産というものは、直ぐに現金化出来ない物が多く資産ではあるが扱いやすい資産ではないとも言われている。

行田議員は、この規模をどう思うかと安倍総理に質した。

安倍総理は返答に困っている様子だ。借金も多額なので特別に大きいとは思わないと答えていた。

行田議員は外貨準備高の比較をしていた。1位は中国、2位が日本、1.27兆ドル(?)と言っていたようだ。予算委員会ではフリップを用意していたようだがラジオでは分からない。
こう言う高い水準が必要なのかと麻生財務相に質す。

麻生財務相は、為替介入など外国為替相場の安定のために備えていると言い、円安や石油急騰に耐えるためにも大事なのだという。

円売り、ドル買いの繰り返しの結果こうなった。その資金調達は国債を発行してドルを買いその債権が117.4兆円になっている(聞き取りにくかったので正確さは?)。

これを使って国債の償還にあて借金を減らしてはどうかと行田議員は提案した。為替介入規模もドル売りでは14兆円程度だ。チョットずつ円に戻すことは出来ないのか。今為替は121円台であることをよく考えて欲しいと言う。

これに対して麻生財務相は、介入と言うことになると与える影響は大きい。このマイクの前で言うことはドット動くので立場上避けなければならない。

「こっそり聞いてくれれば説明できるが」と苦渋の答弁のようだった。

この外為特会の多額の余剰金については、維新の党の江田代表もことある毎に借金返済に充てたらどうかと提案していたが、財務相は財務省の考えを代弁するだけで財務省の利権(?)に足を突っ込むことは出来ていない。

安倍政権は経済成長と財政健全化を日本経済再生の両輪と言っているが、国の借金1029兆円そのものの扱いについてはこれと言った議論は出来ていない。いつも財務省の考え方の説明で終わっている。

安倍総理は財務相の経験が無いのだから財務省に牛耳られることはないはずだ。財務省を越えた議論をして財政健全化への国民の理解を深める必要があるのではないか。

麻生さんは当初言葉尻を取って、政府の借金であって国民は債権者と言っていたが、政府の借金は国民の借金ではないのか。



2015年3月17日火曜日

理研、小保方さん告訴見送り?:「何故、自らの検証実験に失敗したか」を追及してほしかった

理研が小保方さんを告訴するかどうか検討していたが見送ることになったとmsn(2015.3.16)で読売新聞記事の掲載があった。他のメデイアでは報道されていないのでその信ぴょう性に問題があるが、取り調べや裁判で「何故、検証実験に失敗したか」を追及してほしかったので残念な処置だ。

今回の事件は理研自身にも大きな責任があるので、裁判で理研の羞部がさらけ出されるのを嫌ったのだろう。理研は最初から消極的な姿勢を通した。

今回の不正事件は、理研の誰かがSTAP細胞の成功(?)を期して「ES細胞」を混入させたことは間違いないが、「誰か」を確定することはできず、徹底究明の姿勢に欠けると専門家からは指摘されていた。

記事では、理研と弁護士が相談した結果、「器具の誤操作で混入した可能性」も残るというが、調査委員会の報告書では「その頻度から故意に混入した」というのではなかったのか。実験で器具の誤操作がそんなに頻繁に起きるのか。どうしてこういう考えが出てきたのか不思議だ。

しかし、何と言っても今回の不正事件を究明するのは当時の若山研の人達の証言が重要になるが、既に山梨大に移っているので所外の研究者にかかわる問題でやりにくかったのではないか。

逆に、理研OBの石川さんも刑事告発し、週刊誌の報道でも若山研の研究者の証言を得ているようだ。確信があって刑事告発に踏み切ったのだ。

小保方さん側の弁護士から訴えられれば受けて立つと男気を見せる。

こんなにすぐばれるいかさまも「やったのか」と聞かれれば「やってません」と答えるのは当然だ。

私は、取り調べや裁判で小保方さんに「何故、自らの実験に失敗したのか」聞いてほしかったのだ。


そして、どうしてSTAP細胞論文発表記者会見での晴れ晴れしく、自信に満ちた顔ができたのか。ペテン師の本性だったのか。何時までも疑問が残る。