安倍総理の「我が軍」発言は憲法9条、自衛隊に関する岩盤規制に楔を打ち込むことになるのか。安倍総理は参院予算委員会で他国軍との共同訓練での対比イメージとして自衛隊を「我が軍」と呼び、菅官房長官はすかさず「我が国の防衛を主たる任務としている組織を軍隊と呼ぶのであれば自衛隊も軍隊の一つ」とフォローした。
ところが、30日のNHKラジオニュースで衆議院予算委員会で安倍総理が「予算委員会でこんなに時間を取られるのであればもう「我が軍」という言葉は使わない」と発言したという。
この安倍総理の「我が軍発言」はメデイアや国会で大きな批判に会っている。事の重大性を安倍総理はどう思っているのか。予算委員会で予算審議が進まないから困って「もう使わない」と言ったとすればあまりにも酷すぎる総理ではないか。
憲法第9条には、陸海空軍その他の戦力は保持しない。自衛のための必要最小限度の実力は認められている論法から自衛隊は合憲として来た。
従来の政府の考え方も「自衛隊は軍隊とは異なる」と憲法上は軍隊でないと否定してきた。1967年頃からそう考えられているのだが、既に40年が経過、安倍総理は集団的自衛権をはじめ安保法制化に異常な執念を持ち憲法解釈を閣議決定したいらしい。
安倍総理は今までタブーとされてきた課題に思い切った発言し改革しようとしているが、この「我が軍」発言も憲法9条、自衛隊に関する岩盤規制(?)にドリルの刃となって風穴を開けようとしているのか。
だとすると、言ってみたり引っ込めたり出来る政治課題ではないはずだ。
今、野党もメデイアも大いに安倍発言に言及しなければならない時であるが、なんだか頼りない。
あの総選挙前のTBSニュース23でのアベノミクスに関する街頭インタビューで成果を否定する発言が多かったために生出演の安倍総理は俄然異論を唱えた。「偏っているのではないか」と反論し、多くの経済指標を上げて好転していると反論に出たのだ。
これがメデイアにとっては政府が言論封じをしていると見て取った。それ以降メデイアは萎縮したままだ。国会で野党がこの点を追求すると「言論の自由」と応えたそうだ。「言論の自由」とは総理をはじめ権力者の言動に自由に異論を唱えることが出来ることではないのか。権力者が言論の自由で何を言っても良いと言うことではないはずだ。
27日の報道ステーションでもコメンテーターの古賀さんが番組から降ろされることになり、古館さんらと政府の介入の有無に関して激論があったと言う。政府に反対する有能なコメンテーターが下ろされたことになるのだ。
国会でも野党の追及は元気がない。
「政治とカネ」の問題で民主党の質問者に「日教組、日教組」と異例な発言をして後で間違っていたことが分かり謝罪していたが、民主党はおとなしく引き下がったようだ。昔なら首を取るぐらいのことはやったはずだ。
時々国会審議をNHK中継で見ているが、「ああ言えば、こう言う」で議論がかみ合っていない。野党の質問者からは「答弁をはぐらかしている」とは総理も大臣も閣僚も同じだ。
こういう偏見を持った総理に安保法制化を託してはいけないと思うのだが。
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