STAP細胞不正事件は、その本質がわからない不思議な研究だった。騙した小保方さんが悪いのか、騙された理研が悪いのか。理研は本質的な解明をせぬままに幕引き、批判を受けるべき野依理事長は高齢を理由に辞任するという。「STAP細胞不正事件での引責ではない」という度に「本当か」と疑いが濃くなる。
理研での長期政権を企み文科省と特定国立研究開発法人設立、理研指定に動いたが指定への功を焦って虚構でイカサマ科学のSTAP細胞研究に手を染め失敗に終わった。
しかもこの研究に費やされた予算は8400万円という途方もない巨額で、小保方、笹井、丹羽、竹市、若山、バカンテイさんらの一時の夢に巨額の投資をしたことになるが、その金の出所は交付金であり私たちの税金からだ。
朝日新聞(2015.3.26)の「STAP細胞 解明なき幕引き」の記事をよんでやりきれない思いがするのだ。
この事件は今後研究者倫理教育の資料に使われるであろうが、アイディアの是非、ES細胞混入の行為者、動機がはっきりしなければ何の参考にもならない。世界三大不正事件と言われた韓国の再生医療、ベル研究所の超電導研究では詳細が分かっているのだ。
それにしても専門外でも知りたいことがある。
このSTAP細胞のアイディアはバカンテイさんだというが、米国ではこの研究は否定されていたのではないか。それが何故日本に持ち込まれたのか。バカンテイ研究室でのやり取りが分からない。
そしてバカンテイさんは自ら実験をやっていたのか。再現実験に失敗というニュースが流れると酸性溶液で処理する以外に細い管を通す必要があると言ってみたり、実験者のテクニックにおうところが大きく簡単にはいかないと言ってみたり、自分で実験して小保方さんをフォローした形跡がない。
朝日新聞の記事で、川合理事が「客員として研究していた時に何故気がつかなかったのか」と述懐しているが、その通りだ。若山さんは自分の研究室に理研を通さず迎え入れたという。では、若山さんの責任は重大であるが既に退職し山梨大に移っているので処分は出入り禁止程度だ。
若山さんはどうして山梨大に移ったのか。自ら新しい職場を見つけたのか、理研を追い出されたのか。
また、小保方さんはすぐにバレることをどうしてやってしまったのか。バレることはないだろうと高をくくっていたが、バレてしまったということか。
STAP細胞はES細胞の可能性が非常に高く、頻度も多いと調査委員会の報告には出ていた。ES
細胞を故意に混入したとして誰がやったというのか。実験者本人の小保方さんが研究の成功をごまかすためにやったというのが一番分かりやすいが本人は否定する。
では他人が混入させたとして何のためか。どのサンプルにどれを加えればいいのか分かるのか。混入の頻度が高かったということは手あたり次第に混入したとでもいうのか。
細胞を故意に混入したとして誰がやったというのか。実験者本人の小保方さんが研究の成功をごまかすためにやったというのが一番分かりやすいが本人は否定する。
では他人が混入させたとして何のためか。どのサンプルにどれを加えればいいのか分かるのか。混入の頻度が高かったということは手あたり次第に混入したとでもいうのか。
思い出してみよう。あの論文発表記者会見での喜々として満面の様子は何だったのか。「見失った息子を捜しに行きたい」とか検証実験に自ら参加を希望したことが理解できない。
先のNHKのニュースで小保方さんには「自家発光」の認識がなかったという。「緑色に発光すれば万能性あり」と考えたのだろうが他の研究者は「自家発光」と考えて万能性は否定していた。ここが成果としての見方の大きな違いではなかったのか。
でも、調査委員会の報告を公開しなければ詳しいことは分からない。理研は隠しているようだが8400万円も費やした不正研究だ。公開すべきと思うが。
しかし小保方さんにも一抹の不安はあったのではないか。メデイアの報道によると発表前に野依理事長にあいさつに行ったそうだが、緊張していたという。不安そうな小保方さんを見て野依理事長は「小保方を守れ」を命じたようだ。
ノーベル賞受賞者を前に「悪行がばれること」が頭をよぎったのではないか。
理研の解明が中途半端に終わった要因に「理研の被害者意識」があるという。アイディアはバカンテイさんで、実験者の小保方さんは「未熟な研究者」なのだ。被害者意識があることは確かだろうが、若山さんはその時理研の人間で若山研究室でやっていた小保方さんのSTAP細胞研究がどうして理研の今後を左右するテーマに持ち上げられたのか。
メデイアの報道によると、笹井さん、竹市さんらのトップダウンで秘密裏に進められた研究だという。もっと所内で議論する機会があればこんな不祥事は避けられたというのだ。
ところで野依さんは新しくできる特定国立研究開発法人を「トップダウンで研究できる法人」を目指すと言っていたが、STAP細胞不正事件はトップダウンでやった結果ではなかったのか。
「理研の改革は進んでいる」、「目途はついた」というが身内だけの見方ではないのか。もっと情報を公開し、小保方さんも逃げてばかりでなく説明しなければ、ペテン師のレッテルを貼られて終わりではないか。
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