中国が提唱するアジアインフラ投資銀行に44カ国も参加を表明、更に増えるらしい。それでも領土問題で近隣諸国と紛争を繰り広げている中国の覇権主義に寄りそうというのか。GDPで世界第2位にのし上がった中国がインフラ投資などで途上国に政治経済面で発言力を高めようとする姿勢はありありだ。
世界銀行は歴代米国が総裁を出し、IMFは欧州出身者、アジア開発銀行は日本人が総裁を務める。GDP第2位の中国が発言力をあげ主導権を握りたいと思ったとしても不思議ではない。
途上国、新興国の台頭で世界銀行、IMF,アジア開発銀行も十分に機能していない不満がこれらの国にはあるのだが、IMFなどの改革は叫ばれているが米国の反対でなかなか進まないのだ。
しかし経済力をつけてきた中国といっても地球温暖化防止では大量のCO2を排出しながらその削減には発展途上の大国だと言ってみたり、力を発揮したいときは大国だと言ってみたり、その時その時で適当に使い分けしている国だ。
そういう中国が参加国から出資金を集め主導権を握る(?)のだからアメリカや日本が運営、審査の透明性や中立性を確保するよう要求しているが、理事会などの設置は不透明なのだ。
麻生財務相もガバナンスの不透明、債務の持続可能性などに懸念をしめしているのも当然だ。
イギリス、ドイツ、フランス、イタリアは参加表明、カナダは米国の様子見で検討中、米国、日本は参加に慎重ということらしい。G7でもその姿勢に違いが出ている。
テレビの情報番組では、財界はビジネスの事を考えると参加すべきだと主張する。中国や途上国へのインフラ投資に期待してのことだ。
でも、参加しても日本は多くの出資金を拠出しなければならず、その融資、投資の采配を中国に握られその安全性に問題が出てくれば、うまく利用されて終わりということにならないか。
既設の世界銀行、アジア開発銀行との関係をどうするかも問題で世界銀行の枠組みの中でという考えもあるだろうが、中国はあくまでも補完的銀行だと言い対抗する考えはないというが鵜呑みにはできない。
ある時は発展途上の大国と言ってみたり、ある時は経済大国の権威を振るう中国に利用され、中国の覇権主義に手を貸すことで終わりそうな気もする。
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