2015年3月20日金曜日

STAP細胞研究:理研は無価値ではないと言うが、不正が認定された研究にどんな価値があるというのか

STAP細胞研究は無価値ではないと理研は言うが、不正が認定され論文が撤回された研究にどんな価値があるのか。捏造、改ざんなどの不正が認定された小保方さんのSTAP細胞研究だが、メデイアの報道によると、20日理研の有信理事が記者会見で「実験は行われており、研究そのものが無価値だったとは謂えない」として、論文2本の投稿料約60万円の返還を小保方さんに求めると発表した。

検証実験で1300万円と言われていたが理研でのSTAP細胞に人件費や研究費を入れると約3500万円とも言われていた。それが60万円で終わるのだ。如何に理研側にも大きなガバナンス上の欠如があったとしても、刑事訴追も放棄する大甘の処分だ。

20日のNHKのニュースでは、STAP細胞の万能性を評価する「緑色の発光」も細胞が死ぬ時も緑色に光る現象である「自家発光」への認識がなく、確認もしていなかった重大な落ち度があった事を伝えた。理研の調査委員会の報告には記述されていたそうだが理研が隠していたようだ。

確かに小保方さんも再生医療分野に研究をシフトしてまだ5年、十分な専門教育も受けずに実験に明け暮れていた(?)のだから専門家が常識と思っていることも認識できなかったのだろう。

NHKのニュースによると自らの記者会見では「確認はした」と言っていたが、調査委員会の聞き取り調査では「認識していなかった」「確認していない」「甘かった」と供述しているらしい。

ところで理研が言うように小保方さんは実験をやっていたのか。研究そのものは価値があると思っているのか。

実験はやっていたと言うが、実験ノートが書けるような体系的な実験ではなく、その時その時、その場しのぎの実験ではなかったのか。実験目的の万能性も「緑色の発光」で確認していたが「自家発光」もあることを認識していなかったので研究成果を誤った。

何故、誰がES細胞を混ぜたかは分からないが「STAP細胞はES細胞の可能性が高い」と言う結果になった。それでも理研は器具の誤操作の可能性も捨てきれないという。

しかし、捏造、改ざんの不正が認定され論文撤回になった。それでも実験をしていたと言えば間違いはないのだ。
では、研究そのものは無価値ではなく、価値があったと言えるのか。

理研自体はガバナンスの欠如をさらけ出し解体、組織の見直しがされることになった。一方、研究者倫理教育の必要性が求められ理研・STAP細胞不正事件が良き教科書となったはずだ。

そして、長期政権を築こうとした野依理事長が辞任することになった。ノーベル賞受賞者とは思えない政治的動きは特定法人の構想まで出て来たが本当に野依さんが言うような「トップダウンの研究機関」が必要なのか。STAP細胞不正事件では竹市さん、笹井さんなど理研のトップレベルのトップダウンで失敗したのではなかったのか。

イカサマ科学のSTAP細胞研究に3500万円浪費したが、これで理研が変わり、研究倫理教育が強化されれば失墜した日本科学界の信用も徐々に取り戻せるのではないか。

新しい理事長の下で国民の信を得られる理研になって欲しいと思う。


【追記】
メデイアの報道によると、理研がSTAP細胞研究関連に使った費用は約8500万円になると言い、全てを国からの交付金で処理したそうだ。

ここにも税金を人のカネと思う安易な考えがあるのではないか。野依理事長の退職金で一部を賄うべきではないか。


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