NHK籾井会長が経営委員会で結果責任を問われ、「私への注意ですか」と不満を言っていたことが朝日新聞(2015.5.15)に続いて読売新聞(2015.5.16)にも「何が問題なのですか」というタイトルの記事が掲載された。
どうしようもない人間がNHK会長になってしまったのだ。タクシー利用での公私混同、国会での民主党議員との会合での言動が問題になっていたが、その後始末で経営委員会と籾井さんとの間で一悶着あったようだ。
5月15日公表された日本放送協会第1236回経営委員会議事録(4月28日分)を読んでみた。
私用ゴルフでNHKが契約しているタクシー会社の車を使い指摘されるまでタクシー代を支払っていなかった件は誰が考えても籾井さんの公私混同で私用タクシー代をNHKに払わそうとした事案だ。ことが明るみに出て支払ったというが、今度は問題を秘書室の管理責任にすり替えていた。
経営委員会で籾井さんから、ハイヤー私用にかかわる秘書室の対応につき監査委員会の報告の指摘を受け担当職員にたいして訓告、厳重注意の処分を行ったことが紹介された。
担当の専務理事が公私混同を招いたことは極めて遺憾とし、再発防止の徹底に努めるよう強く要請しているという。監督責任のある副会長には会長から厳重注意するというのだ。
今回の事件の張本人である籾井さんが監督責任のある副会長を厳重注意なんて滑稽である。
浜田委員長は協会の財源は視聴者からいただく受信料であることを再認識してコンプライアンスの徹底に努めるよう求めた。
そして、再発防止策の報告を受け、経営委員会として「会長が自身の支払いが終わっていないことについて適宜注意を喚起し、必要に応じて適切な指示を怠った責任を認め厳重注意と致します」と籾井さんにも厳重注意した。
当然の対応だと思うが、籾井さんは「それは経営委員会から私に対する注意ですか」と問い直した。委員長は「そうです」というと籾井さんは「そうですか」と不満のようだった。いちいちそんな事まで注意できないし、既に支払ったではないかという感じだ。
そして総括の議論として経営委員会は一連の籾井会長の言動に対する国民・視聴者の指摘、その結果NHK予算が国会で全会一致で承認を得られなかったことを真摯に受け止め、今後の改善に向けた総括を行い3点の結論に達したという。
まず、会長はトップとしての認識を持って様々な意見にこれまで以上に誠意を持って対処こと、会長の指摘利用のハイヤー代金の不適切処理ではコンプライアンスの徹底、再発防止策の着実な遂行、執行部とともに公共放送の意味を再認識することというのだ。
経営委員会には公共放送としての受信料で成り立っているNHKの立場を再認識しろと籾井さんに訴えているのだ。
これに対して籾井さんは「私の言動とあるが具体的にはどういうことか」と噛みついている。
浜田委員長は部門会での民主党とのやり取り、ハイヤー問題だと説明したがそれに対して籾井さんは反論した。「ここで改めて厳重注意を受けるいわれはない」というのだ。
浜田委員長は「テレビで1日中報道されたような事態に至った結果責任がある」と言うことに対して、籾井さんは「NHKを傷つけたとは思っていない」と反論するが浜田委員長は「いろんな判断がある」と説諭する。
ハイヤー問題でも経営委員会が自分に厳重注意したことに納得出来ないと籾井さんは抵抗した。「どこに十分の責任があるのか」というのだ。
この件を調査した委員が「チョット問題がある」、「私用であれば私用とはっきりやっておかなければいけない」、「私用だったらその支払いの時に確認しないといけない」、「会長として会長の立場で結果責任を取らなければならない」と論した。
最後は浜田委員長が「厳重注意は経営委員会の総意だ」と結んだ。
籾井さんは仕方なく「分かりました」とひいたようだ。
何とも幼稚な籾井さんのNHKトップとしての認識の低さを露呈した経営委員会だった。どうしてこんな人間を首に出来ないのか。
これにはNHK会長人事で官邸が関わったことにある。菅さんが後任を探していたとき、麻生さんが同郷で昵懇の籾井さんを推薦した経緯があるらしい。官邸人事なので経営委員会も口出しが出来ないのではないか。
こんな人間に残りの任期を任すしかないのだろうが、任期切れではどうなるのか。まさか官邸が再任に出るとは思えないが。
0 件のコメント:
コメントを投稿