2015年5月24日日曜日

住民投票で間接民主制の危機:議員の資質が問題なのでは

住民投票が実施されるようになると間接民主制の危機につながるが、その背後には代表者である議員の資質に問題があるのではないのか。大阪市の都構想の賛否を問う住民投票の結果には驚いた。210万人の都市の重大な機構改革がたったの1万票差で否決されたのだ。もし議会で賛否を問うたらどうなっていたか。

議員は自分の意思で賛否の判断をするのではなく、所属する党の決定に拘束されるのだ。集計結果で日頃の言動から誰が党議拘束に従わなかったかが分かるほどだ。

憲法では「国会議員は全国民の代表」と規定しているように市会議員は全市民、府議会議員は全府民の代表なのだ。

ところがそこのところが違っている。

今回の大阪の住民投票を見ると、自民党府連は地方選挙で維新の会に痛めつけられているので反対だが、橋下さんは安倍総理と友好関係にあるから支持への働きかけを期待して暗躍した。公明党も支持団体の創価学会の意向で反対した。橋下さんは最後は取引に持ち込んだが失敗した。

維新の会は勿論橋下さんが賛成と言えば賛成だ。自分の意向に沿わなくても、しっかり政策の内容が分からなくても賛成に向けて運動するしかなかった。

また、議員は自らの政治生命をかけ、生き残りをかけて右往左往するのが常で節操のなさも指摘されている。党勢が退潮しているときは特にそうだ。今度、民主党の代表になった松野さんだって民主党が落ち目になったので勢いの出ている維新の会に移った。

議員の候補者難も問題だ。勢いがあったとは言え維新の会は新興政党だ。候補者を公募し研修会で選別、選挙資金を支給するのではなく、公認料を取って看板を与えた。

比例で議席を確保できたが議員の質の悪さは否定できない。

民主党は完全に見放され、衆院選で全選挙区に候補者を立てることが出来ず党の退潮に歯止めがかからない。

間接民主制の根本のところで深い問題を抱えているのだ。
又、今回の都構想の住民投票は市長側が提案した政策課題だ。

だから賛成側には比較的多くの運動資金が流れるが、反対側では人的にも資金的にも苦しかったようだ。反対、賛成両方に均等な資金面での援助をすべきだ。

地方都市の住民投票でもいろいろ問題が出てくる。これが国民投票と言うことになるとどうなるか。特に憲法改正というと政策の提案の仕方もあるが大騒動になる事は間違いない。

まず、議員一人一人が自分の考えで行動でき、後援会組織をしっかり構築することだろう。国民投票の前に自分の後援会組織からの民意をくみ上げ国会の場で議論すべきではないか。


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