リフレ派の日銀は間違っているのか。マネタリーベース増で円安になったが物価は上がらない。15年間の長期デフレに悩まされ続け各政権が「脱デフレ」を掲げたが達成できず「デフレは結果か原因か」が議論された。
前々回の衆院選で当時野党だった自民党の安倍さんが「インフレターゲット設定、強力な金融政策」を掲げて総裁に就き政権交代の気運も高まって市場は円高から円安へ、株安から株高に動いた。
衆院選では自民党の全候補者が「円高は貨幣の供給量が少ないためで供給量を増やせば円安になる」と有権者に訴えた。そして第2次安倍政権発足後は日銀総裁を更迭し黒田総裁の下で「2年で2%の物価目標」、異次元の量的緩和で「2年で2倍の通貨供給量増」を掲げた。
市場は何か変わるのではないかとの期待感から円高→円安、株安→株高で輸出産業を中心に企業の業績は好転した。勿論安倍政権以前からこの傾向があったと言うエコノミストもいる。全てが安倍総理の経済政策であるアベノミクスの効果ではないというのだ。
ところが円安が順調に進んだと思っていたら今では124円、理想の水準は105円と言われていたから大きく越えて円安が進む。
昔経済学では「為替は国の経済力を反映する」と習った。民主党政権の時までの円高は日本経済の強さを反映し、今の円安は日本経済の弱さを反映しているのか。投資だって「強い通貨の国に流れる」と言われている。日本経済は弱くなったから海外から設備投資が戻ってこないのか。
円高の時は国内生産では競争できず企業は海外へ生産設備を移した。協力会社も追随した。当然に人件費をへらし、労働者を切ったが、このことは日本経済の強さを反映していると言うことなのか。
国内需要が低いから消費や設備投資も増えず物価も上がらない。最近設備投資も増えてきたという見方もあるが海外投資や旧設備の更新などではないのか。
物価は上がらないから安定的に2%目標になるまで追加緩和をすると日銀は言う。黒田総裁は躊躇なく手を打つと言うのだ。
でも異次元の量的緩和を継ぎ目なく続けるがどうして成長率がゼロ近辺なのか。
日銀は何か間違っているのか。追加緩和でも物価は上がらないが、物価水準は通貨供給量で決まるのではなかったのか。
原油安が物価低迷の要因だと言いながら、原油安は家計にゆとりができ消費が増えれば物価は上がると考えていたのではないか。消費税10%増へ向け早々と追加緩和を発表したが安倍総理は先送りし日銀との思惑の違いが明らかになった。
8%への時もそうだが景気の後退を避けるために追加緩和をやったのではないか。
ここに来てリフレ派の旗振り役である浜田さんが「2%目標に拘るな」と言い出した。
当面2%の物価達成は不可能とみたのか、それともこれ以上のマネタリーベース増は危ないとみたのか。
国内の経済事情だけでは動かない。米国は金融政策正常化に向け利上げのタイミングを計っている。ドル高、円安の基調は変わらないだろう。
更に赤字国債の発行も難しくなってきた。財政ファイナンスと警戒されるし、国債はリスク資産として金融機関の規制強化がされだした。日本のメガバンクは国債を売りに出ているという。
そして安倍政権が目指す財政健全化がある。2020年までにPBの黒字化を目指すのだが対GDP比も重要視するらしい。歳出を削減し経済成長路線でGDPを増やせば目標は達成出来るとみている。
一番理想である内需拡大→国内生産増→失業率改善、企業の儲けの家計への再分配→消費増→税収増の経済の好循環が達成出来るのか。
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