読売新聞 2015.5.9 |
英の総選挙はメデイアの当初予想の保守党、労働党大接戦から保守党単独過半数の保守党圧勝に終わったが、何故、メデイアの予想が大きく狂ったのか。英メデイアが有権者の意向を把握する力が劣化しているのか。
英国に住んでいない私たちにも英国総選挙の動きをメデイアは逐一報道したから他人事とは思えなかった。EUへの対応は私たちの経済へも大きく影響するのだ。
どの新聞も保守党34%、労働党33%でハング・パーラメントになることは確実視しされ、保守党は自民党との連立、労働党はスコットランド民族党との連立があるかどうかが注目されたが、開票が進めば圧倒的に保守党優位が伝わった。
キャメロンさんが「これまでで最も愉快な勝利、コメンテーターは間違っていた」と喜びの発言をしたそうだが、どうしてこんな結果になったのか。何故、メデイアは予測を間違ったのか。
大接戦の予想で、保守党が選挙戦中盤から戦術を変えたのか。
新聞などの報道では、保守党は2017年にEU加盟に是非を問う国民投票、経済成長へ向けての景気対策、財政再建を主張、労働党は最低賃金の引き上げ、光熱費などの値上げ規制などを訴えたが、良い政策の提案が出来なかったようだ。
保守党だから経済成長路線だが、労働党は企業の儲けを家計に再分配する政策だろう。しかし世界的な低成長では家計への再分配もままならず労働党には不利な状況だった。
更に、中盤から保守党は医療歳出増、子育て支援の充実など中間層のための政策を打ち出したし、労働党が過半数に達しなければスコットランド民族党と連立の危険性も指摘した。
「変化」か「安定」かの選択肢では国民は「安定」を選んだのだろう。メデイアは「安定」より「変化」、「政界混沌」の方を好む。
メデイアは当初、国民の希望も多様化しているので政党は乱立、多党化が進み連立政権しかないとみている。
連立政権ともなると、合意形成が必要で政策にパンチ力がなくなるが、今回のように保守党単独でも過半数を確保できれば思い切った政策が実行でき国民にとっても政党にとってもメリットは大きいことになる。ただしキャメロン政権が良い政権であればの話しだ。
選挙結果は保守党331(+24)、労働党232(-26)、スコットランド民族党56(+50)で女子大生が当選したと話題になっている。
大接戦で英国の二大政党制は終わりを迎えるとメデイアは煽ったが、これで二大政党制が保持できるのか。民主党政権の時に菅さんや小沢さんが政治改革の勉強のために英国を視察したが、我が国の方が早く政権交代可能な二大政党制が終わることになった。
何故、メデイアは予測を間違ったか。今後の検証記事に注目だ。
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