2016年1月21日木曜日

「みんなのブラジル」リオ五輪・政府宣伝ビデオに検察庁の停止勧告に共感

2016.1.20 朝日新聞
リオ五輪を宣伝する政府のビデオ「みんなのブラジル」が、「五輪がブラジル全体に利益をもたらすかのような印象を与える」と言うことで連邦検察庁が宣伝ビデオ停止の勧告をしたということを朝日新聞(2016.1.20)の記事で知った。今のオリンピックのあり方を考えると共感する。

オリンピック開催はカネがかかるし、大会後の維持管理もバカにならない。巨額の税金を使ってまで誘致する必要はないという考えが出て来てボストンなどは誘致を諦めることになった。当然IOCはこの動きに敏感で巨額な費用のかからないイベントを推奨していると言うが、本音は毎回派手さを増すイベントを望んでいるのではないか。

しかもスポーツ界ではドーピングなど薬物使用で不祥事が明るみになった。各国オリンピック委員会の役員は五輪貴族と言われているほど利得権益の強い集団だ。

あらゆる分野で利権者がらみだ。

2020東京オリンピックではエンブレムに盗作疑惑が出て来た。公募したと言うが業界の利権者が絡み出来レースだったことが分かり白紙に戻された。今は新しい選考委員で公募をやり直し4件まで絞ることが出来たらしい。

更にメイン会場となる新国立競技場も建設費の高騰、技術的難しさからザハ案を破棄し、新しく公募して最終案が決定した。ザハ氏から「似ている」というクレームが付いているが、大成建設が両者の設計に関わっていると言うことで酷似している点もあるのではないか。私もブログで指摘したが「大成建設ありき」の選考になったことは払拭できない。

いずれも業界関係者の利権がらみの動きにネットが騒ぎだし「国民のイベント」に理念が変わったのは良いことではないか。ネットが騒がなければSTAP細胞捏造事件と同様に国民は騙されることになるのだ。

ブラジルの検察庁の勧告は日本でも十分に通用することではないか。

早速、2020東京オリンピックをどう国民に訴えているかを調べるために、JSC、文科省、東京都のHPを開いてみたが何の記述もなかった。エンブレムが決まるまではそういうことは出来ないのだろう。

エンブレムが決まれば、東京都も文科省もJSCも大々的に「国民の利益になるイベントだから成功させよう」という意味のキャッチフレームでも出来るのだろう。

しかし、ブラジルは「オリンピックイベントでブラジルに明るい明日が開ける」的な発想に警告を与えたのだ。

私たちももっと真剣に2020東京オリンピック開催を考えてみなければならない。「関係者の言っていることが本当かどうか」「オリンピック開催で誰がご利益に預かるのか」「2兆円とも言われている総開催費用だが相乗効果はいかほどなのか」。

公共事業は一度決まると「予算オーバーになっても税金から不足額を拠出する義務がある」と関係者がテレビの報道番組で解説していたが、そこが問題ではないのか。


東京オリンピックの誘致運動、その後のゴタゴタ続きはこれからのオリンピック開催誘致に一石を投げつけたことになる。ブラジル同様に決して侮ってはいけない。

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