「成長と分配の好循環」、日本経済の舵取りを担っているように見える安倍総理のYESマンの集まりである経済財政諮問会議だが、そこで提言される内閣府や財務省、民間議員の提言は何時検討されたものなのか。
1月21日に開催された平成28年度第一回議事録次第を見ると、たった50分の間に甘利さんが資料1,成長と分配、内閣府が資料2,3民間議員が資料4,麻生財務相が資料5で政策提言(?)、最後に記者連中が招きいれられて安倍総理の総括になる。
議事進行は甘利さんの指名で各資料に従い説明、その後意見交換があって次の議題へと進む。一議題について10分ほどの説明だと思うが、そんな短時間で重要な政策が議論決定できるのか。
しかも、その提出された資料は何時、どこで十分に検討された内容なのか。
それとも安倍政権の政策を忖度し既に決まっているので、それに沿う資料を作成し審議した格好にしてお墨付きを与えるだけなのか。
更には、経済財政諮問会議で提言され採用された政策をP→D→C→Aで軌道修正しながら目標達成に挑戦する姿が全然見受けられない。言い出しっぺの会議だ。
そして、時代によって政権によって会議の主導権が違ってくる。
基本的には財務省vs経済産業省、財政再建派vs財政出動派と言うことになるか。
名目成長率3%以上でも2020年度6.5兆円の赤字だが、安倍総理は施政方針演説で経済再生なくして財政再建なし、20年度の財政健全化目標を堅持するという。本当に出来るのか、その時誰が責任をとるのか。
今は経産省主導だ。財政出動なのだ。「アベノミクスの成果などの活用をどう考えるか」を経済財政諮問会議で議論して欲しいと安倍総理が総括している。「一億総活躍社会」の実現などに向けては、「経済/財政再生計画」の枠組みの元で適切な安定財源を確保する必要があるというのだ。
経済財政諮問会議で新たな政策提言があると「その財源はアベノミクスの成果で」という発言があるが、麻生財務相は「アベノミクスの成果は中長期計画にすでに織り込まれているので新しい財源を見つけろ」という。
今安定財源の確保が必要な政策に「一億総活躍社会」、軽減税率での1兆円(うち6000億円)だが、何やら参院選後に検討するらしい。選挙前に国民負担が目立つとまずいそうだ。
経済財政諮問会議の今後の検討課題は、アベノミクス第二ステージの課題である成長と分配の好循環を実現することでアベノミクスの成果をより実感出来るようにすると共に「一億総活躍社会」を構築することであるが、成長の果実なくして分配を続ける事は出来ずGDP600兆円を目指すのだ。
だとすると、YESマンばかりでなく、いろんな意見を出し合う必要があるが期待は出来ないのではないか。
そんな事より今まで主導してきた甘利さん自身が贈賄疑惑でピンチになっている。この苦難を切り抜けることは無理と思うが、万一切り抜けたとしても信頼は落ちてしまった。経済財政諮問会議の行く末も?が付く。
1月21日の会議で提出された資料より |
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