2016年1月14日木曜日

2015年度補正予算審議をみて:野党の質問はスッキリ頭に入るが、安倍総理の答弁は頭に入りにくくないか

昨日、2015年度補正予算案3兆3000億円が衆議院を通過したが、予算委員会審議をテレビ、新聞のニュースで見たが、野党議員の質問はスッキリ頭に入るが安倍総理の答弁は頭に入りにくかった印象が強い。

その要因は、読売新聞(2016.1.14)の言う安倍総理のイライラ答弁にあるのではないか。安倍総理の頭でどの程度本気で応えているのか分からないが、本質をはぐらかした答弁が目立った。

それが海外メデイアに「現実と乖離している」とまで報じられる始末だ。参院での審議は良くスタッフと相談し本質論での審議をやって欲しい。民主党には厳しく、ある党は持ち上げる政治姿勢ではエコひいき丸出しで国権の最高機関とは思えない。

実質賃金が下がっているのではないかという議題で民主党の山尾議員の「妻25万円のパート発言はパートの実体が分かっていないのでは」との質問に安倍総理は「本質を見ない枝葉末節な議論、こうしたことばかりやるようでは民主党の支持率は上がらない」と切り返した。

確かに実質賃金は上がっていない。民主党の質問に安倍総理は「安倍家の例として私が50万円、妻が25万円」の例で説明したところネットで猛反発された。テレビ朝日12日の報道ステーションで「11日付ルモンド紙が「彼の挙げた数字は現実と乖離する」と報じた」と紹介した。

2016.1.12 報道ステーション
根本は、現実離れした事例を挙げて説明しようとした安倍総理の失敗であり、もっと本質論で切り込み答弁して欲しい。自分の失策で民主党の支持率が上がらないとは良く言ったものだ。

野党は真剣に政策に切り込もうとしているが安倍総理が本質をはぐらかす答弁をしているから議論がかみ合わないのではないか。

公明党との約束で軽減税率導入では1兆円の財源を確保する必要が出て来たが、4000億円は手当済みでも6000億円が未解決だ。政権は参院選後に検討としているが、安倍総理は税収増の上振れ分を当てようとしているが、麻生財務相は「経済の下振れもあり安定財源ではない」と閣内不一致とも思われる答弁をしていた。

民主党長妻さんがこのことを確認したところ、安倍総理は前言を訂正したのか、「税収の上振れも、経済状況下では下振れもあり安定財源とは言えず、経済の底上げによる税収増をどう考えるかは経済財政諮問会議で議論する」と応えた。

アベノミクスの成果には異論も多く、経済財政諮問会議は安倍総理のYESマンが集まった会議で政権寄りの議論しか期待出来ない。

野党が財源に注目するのは当然の話で、参院選後を待たず参院選までに国民にしっかり説明すべきではないのか。そして堂々と国民の審判を受けるべきだ。

更に民主党大西さんが「国会議員の育児休暇に賛成か」と質問したが、安倍総理は安倍総理は行政府の長で、議会は議会として決めてほしい。一議員として軽々しく応えるわけにいかないと答弁した。

これは難しい問題だ。サラリーマンなら分かるが、国会議員として特別な職にあるものまで拡張できるかだ。少子化対策で政府は女性の職場復帰を促しているが「どう考えるか」自分の考えを説明すべきだったのではないか。そうしないと今やっている政策の真剣味が分からない。

国会議員の定数削減などが話題になるが、安倍総理は「議会で決めよ」と責任を回避している。自分は自民党の総裁なのだから自民党の考えを説明し国会を引っ張っていく責任があるのではないか。

そして、なかなか進まない北朝鮮の拉致問題だ。

国連決議に反して北朝鮮は水爆実験をやってしまったが、その制裁として対話の窓は閉ざさないと安倍総理は言う。当然としても、「今どうなっているのか」誰もわからない。外務省は頻繁に北朝鮮と会議を開いたり、水面下で交渉を続けているように見られているがどうなっているのか。

メデイアのニュースでは北朝鮮は調査結果を日本側に示したが日本側が意にそわないということで受け取りを拒否して、「更に調査しろ」と言っているように聞こえた。

安倍総理は拉致問題は自分のライフワークと自負しているようで、一時帰国した拉致家族が北朝鮮に帰るのを拒否したのは安倍総理だったと言われているのだが、これがどうも嘘だと言うのだ。
拉致被害者の会の元事務局長だった蓮池さんのお兄さんが出版した本に安倍さんではないと書かれていたことを元に追及した。

安倍総理は「私が言っていることが真実で、私が言っていることが間違っていたら国会議員を辞める」とまでいってのけた。本当はどうなんだ。蓮池さんのお兄さんは当時、被害者の会の要職に就いていたので真相を知っているはずだ。その蓮池さんが本当のことを言っているのであれば、安倍総理は辞職すべきだが、メデイアがこぞって安倍総理を英雄にしたのか。

今までの安倍総理の優柔不断な北朝鮮対策を見ていると疑問を感じざるを得ない。

他に地方経済、デフレ脱却、NHKの不祥事、TPP,地方創出、定数削減、一票の格差問題等重要な政策が短時間で審議されたが、野党の質問はしっくり頭の中に入るが、安倍総理の答弁は頭に入りにくい面が多かった。

参議院では真正面から野党と議論してほしい。自分の理解できる範囲内で答弁していると現実とかい離する議論になりかねない。


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