2016年10月28日金曜日

段々腹が立つ、東京オリンピックって何なんだ

東京オリンピックの会場、施設、費用のゴタゴタを報じるテレビの情報番組を見るに付け、段々腹が立つ。「オリンピックって何なんだ」と考えさせられる。東京は金持ちなので反対運動は起きないのだろうが、オリンピック、Wカップに反対したブラジルの市民の方がよほど人間的である。

一度決まったことを変更されたくない組織委員会やIOC、競技団体は「原則を守れ」「変更は無理」と主張する。コメンテーターとして出たアスリートの発言を見ると地方都市ではなく「東京でたくさんの観客の前で競技がしたい」というエゴではないか。

しかも東京近郊に立派な競技場を作れば大会後も多くの人が利用できるという。競技人口も増え、これがレガシーらしい。良い施設がなければ成果も出ないと言うことか。観客席やレーン数が基準に合わないので新しい施設を建てるという。現状8000席しかないので12000席に増設しなければならない施設もあるらしい。でも大会後はそんなに観客が集まる大会はないので数十億円掛けて減席するともいう。

伊勢志摩サミットでは78億円(?)かけて作ったメデイアセンターを28億円かけて解体した事など何とも思っていない役人の仕事感覚だ。

ボート会場もゴタゴタしている。「海の森」「長沼」など3カ所が競合しているが、500億円では費用がかかりすぎるというと300億円に減額された。では始めからその金額を計上すれば良かったのではないか。こう言う大きなイベントになると付帯工事、周辺施設等で費用を計上される例が多く、それらをカットすれば費用削減になる。

ある番組で元JOCの職員が費用がかかりすぎると言う反対意見に「スポーツにお金をかけないから戦争が起きたり、紛争が絶えないのだ」と言い出した。確かに憲章には「平和」という文字があったと思うが、だったら東京ではなく、トルコのイ-スタンプールにすれば良かったのではないか。

更に、アスリートはプロまがいの練習をしなければならない。マラソンでは海外の高地での合宿をしている。企業のスポーツクラブに負うところも大きい。マラソンの川内さんは埼玉県庁の職員でほとんど自費、自らの計画で練習している。これが本当のアマチュアスポーツではないのか。今のアスリートはアマチュアとは言えない。

思うに東京オリンピック誘致活動もブラックボックスだ。新国立競技場問題、エンブレム問題では利権がらみの動きが多かった。国立競技場も改造する期待もあったが組織委員会は早々と解体してしまった。新しい国立競技場がほしかったのだ。

はじき出された大会費用もいい加減だったが、IOCでは建物施設本体の価格で計上すれば良いことになっていると言うから何ら違法行為ではないようだが、誰だって付帯工事、周辺工事で、運営費用がかかることは分かっている。決まってから2~3兆円ではなく決まる前に国民、特に都民には示すべきではなかったのか。

東京都も豊洲市場を含めてウォーターフロントの開発事業はオリンピック後の都市開発も含めてオリンピックにかこつけてやりたい事業だったことに間違いはない。だからこそ都民の合意が得られるようなやり方があったはずだ。

多くの利権者が蠢く一大イベントだから週刊誌の情報から黒い霧事件に発展する可能性は大だ。

東京オリンピックってオリンピック憲章に沿っているのか。このゴタゴタを参考に次に続こうとする都市はよく考えた方がいい。ボストンは回避すると言うし、ローマは辞退するという。1960年開催時の借金がまだ残っているのだ。

大会後も借金、維持管理費が残るし、誘致に係わる使途不明のカネが流れてしまった。新国立競技場では無駄カネを使ってしまった。今の組織委員会も事務所費等で贅沢を尽くしている。森さんが会長でいる限り無駄は削減出来ない。税金で何とかなると思っているのだ。

誰も責任をとらない。社長も財務部長もいない会社のような組織委員会だと指摘されている。そんな組織委員会、IOC、競技団体と東京都の4者会談を開けとIOC・バッハ会長は提言して帰って行った。


小池都知事に頑張ってもらうしかないのだ。男と違って「まあまあ」がないので期待出来るか。

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