2016年10月3日月曜日

豊洲、オリンピックに見る東京都政:小池までの石原、猪瀬、舛添都政は何だったのか

今明らかになっている東京オリンピック、豊洲市場問題を見ると小池知事になるまでの石原、猪瀬、舛添都政は何だったのかと感じる。小池知事になってから始めてまともな都政、「都民ファースト」が始まるのかと思うと、今までは何だったのかと思うのだ。

確かに石原さん以来、知名度の高い人が知事選に勝ってきた。石原さんは禄に公約も発しないのに後出しジャンケンでトップ当選した。選ぶ都民もいい加減すぎると思ったが、その通りになった。

築地から豊洲への中央市場移転計画は石原さんが提案し舛添さんが117日開場を宣言したが、出てくる問題は「食の安全、安心」の観点からは好ましくなく小池さんが移転延期を発表した。

東京オリンピックも石原さんが言い出したのか。猪瀬さんの時に開催地「tokyo」を勝ち取り安倍総理以下関係者は小躍りして喜んだ。猪瀬さんは資金として東京は4500億円を用意していると言ったが、7500億円から今では総費用が周辺施設、警備などで3兆円にも達すると言いだし小池さんばかりでなく都民は戸惑っている。

それに利権者が群がり施設の建設費は高騰するばかり。組織委員会の森会長ときたら何を言っているのか分からない。

小池さんを含めた検討会で、都が競技会場の変更を言い出すとIOCのコーツ副会長と森さんが反論に出た。

森さんは、競技会場の変更は困難とボート、ヨット競技の会場を宮城県に移すことに反対した。競技団体のトップも反対だが誰だって東京で開きたい気持ちは分かるがべらぼうなカネが掛かる事を考えないのか。

森さんもコーツ副会長も選手村の分村に懸念を示す。コーツ副会長はオリンピック憲章に反するとまで言ったが、既に自転車などの競技は選手村も地方に計画されている。

東京都がなかなか言うことを聞かないので森さんは組織委員会出資の60億円のうち57億円を東京都に返し東京都とJOCが同額出資にし東京都が口出しできないように目論んだが組織委員会は東京都の下部組織で指導を受ける立場にある事は自明の事なのだ。

ことある毎の森発言は都民、国民に間違った判断を抱かせる元凶で、一日も早くこれまでのずさんな計画の責任を取って引責辞任すべきだ。

オリンピック問題がこじれるようだと官邸も黙ってみているわけにはいかず、森さんを辞めさせる判断を下さなければならない時期が来ている。

一方、不衛生で狭い築地市場を改善するために石原さんは豊洲への移転を考えた。しかし豊洲は東京ガスの跡地で有害物質による土壌汚染は当時から有名な話だった。本来であれば東京ガスが汚染対策をした後で買い上げるべきだが、東京都は何故か買い入れを急いだ。利権が絡んでいるようだ。

土壌汚染対策を専門家会議が検討し汚染土を掘り起こし新しい土を盛る案が提案されたが、東京都の検証ではいつの間にか、誰が決断したか分からないままに盛り土は無視され地下空間ができた。

おまけに地下水質調査も8回目の結果が出る前に舛添さんが117日開場を宣言したが、今回ベンゼン、ヒ素で環境基準を超える結果が出て驚いている。今までの水質検査は何だったのかと言う疑問も出てくる。

検出下限値をいくらに見ていたのか分からないが、環境基準値ギリギリの所だ。地下水量も関係するだろうが汚染が残っていると考えるべきなのか。

だとすると新たな汚染対策をして今後2年間も監視を続ける事になるのか。今は東京都が検討すべきであるが最終的には農水省の認可が必要になるのではないか。そうなると官邸だって無責任ではいられない。

石原さんは週に2日の登庁で、特別秘書や側近を副知事に任命して側近都政を実施、自分は遊び回っていたことになる。猪瀬さんは副知事として身勝手な都政を推進の片棒を担いだことになる。

猪瀬さんは石原さんの「猪瀬で良いのではないか」との禅譲でトップ当選したが「政治とカネ」問題でつまずいた。5000万円の札束がバッグに入るかどうかのシーンは劇場型政治のもっと足る内容だった。百条委の設置を前に辞職する道を選んだ。

その後を舛添さんが都政を担うことになったが、参院議員時代を含めた「政治とカネ」の問題が顕在化、正月のホテルでの都知事選出馬をめぐる打ち合わせ(?)は家族旅行の疑いも出て来、公用車の公私混同、絵画の購入、高額な外交と次次に不正が明るみに出た。

都政は特別秘書2人に任せていたようだし、自分は美術館見学など遊び回っていたが、オリンピックに関連した事だと豪語した。

最後は誰に引導を渡されたのか、はっきりはしないが都庁を出たり入ったりの醜態、最後は何も弁解せず無言で都庁を去った。「この程度の人間なのだ」と都民は思っただろう。

公用車の私的使用については費用を弁済したが、在籍中に約束したホテルの明細書、美術品の一覧表の提出は拒んでいるという。

舛添さんは、せこい知事だったが、東京オリンピックでの東京都の拠出金、高騰する費用には理解を示していたようだ。一時は「誰も責任を取らないのはおかしい」と組織委員会を批判していたが、何時のまにか容認の立場に寝転がった。森さんが官邸に働きかけたのか。

ところが、小池さんは違う。

知事に立候補した時点で、東京オリンピック、豊洲移転問題で不正の事実を得ていたのではないか。矢継ぎ早の都政刷新は多くの都民の支持を得ていることだろう。増田さん、鳥越さんではこうも行かなかったのではないか。

しかし、こうもなると「落としどころ」が重要になる。「豊洲白紙撤回」「東京オリンピック縮小」となるのか。


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