2017年12月10日日曜日

金融政策に失敗するとき:安倍総理は追放され、自民党は下野する時か

今の日銀の金融政策が失敗するときは、安倍総理が追放され自民党が下野するときだ。勿論安倍政権にYESMANの立場を貫いた黒田総裁は既に任期一杯で退任しているかも。

2%物価目標、脱デフレ、日銀の異次元の量的緩和継続が注目されているが、世界の中央銀行が量的緩和縮小に向かう中で出口戦略に失敗したときの日銀経営危機、財政破綻そして日本経済の危機も囁かれ始めた。

朝日新聞(2017.12.10)の読書欄で朝日新聞記者の鯨岡さん著作「日銀と政治」の加藤さんの書評が目についた。

それによると日銀の独立性、日銀の激増する国債保有が市場関係者から指摘され、黒田総裁は財政運営に苦言を呈さなくなったという。そして過度の金融緩和を押さえる政治勢力が議会にはなく、出口戦略も見えてこない。金融政策が将来、重大な問題を引き起こした時、誰が責任を問うのかと問うている。

全く同感だ。

長引くデフレ、円高、株安の日本経済の景気転換には従来の正統派経済学ではなく、反対のリフレ派経済学で切り抜けようとしたのがアベノミクスだ。今まで冷や飯を食っていた学者が表舞台に立った。エール大名誉教授の浜田先生、当時の岩田学習院大学教授(現日銀副総裁)らだろう。

当時の白川総裁の緩やかな量的緩和の替わりに異次元の量的緩和が要求された。民主党・野田政権も末期には白川総裁に変革を迫った。日銀法改正までちらつかせたのだ。

安倍政権になってリフレ派が台頭、選挙も控え自民党は挙げて金融政策の転換を要求、政権は黒田総裁を任命し、アベノミクスの第1の矢「異次元の金融政策」を実施した。

当時は自民党始め政治家は皆、異次元の金融緩和に賛同した。

そして今、2%物価目標は達成出来ず、脱デフレもままならない。日銀より遅れて金融緩和を実施した欧米の中央銀行が金融緩和の縮小に向かうが日銀だけは継続だ。

このまま続ければ日銀の経営危機、日本の財政破綻も心配される中で政治は何を考えているのか。当然の疑問だ。

国会審議を見ると野党・民主党(当時)の議員が出口戦略について質問しているが安倍総理は「2%物価目標を達成していない」と時期尚早と言うし、黒田総裁も同調する。

勢力の小さい野党では責任を問うことは出来ないのだ。一方、自民党など与党はどうかと言うと何を考えているのか分からない。

では、今の金融政策を継続し失敗したときの責任は誰がとるのか。

その時は黒田総裁は任期一杯で退陣していれば責任を問われることはないだろうが日銀の信頼を失なわせた総裁として酷評されるだろう。

安倍政権が続いていたとしたら安倍総理は追放され、取り巻きのYESMANは表舞台から去るだろう。安倍側近連中はどうか。選挙に強い連中は議員を続けられるだろうが二度と表舞台には立てないだろう。

寧ろ自民党は下野することになる。ただし野党第一党がしっかりして入ればの話だが。

リフレ派の浜田さんも「アベノミクスは雇用が良ければ良い」と言い出した。雇用情勢は好転している。だから雇用を持ち出しアベノミクスは成果があったと言いたいのだろうが、アベノミクスは異次元の金融緩和が重点なのだ。このままでは安倍政権を見限ったことにならないか。

安倍総理も日本経済をダメにした張本人として歴史に名が残る首相になるのだろう。総理在位最長期間なんて迷惑な話になる。

でもそんな状況を作ったのは自民党を支持した有権者なのだ。

安倍総理、黒田総裁は去っても日本経済を立て直す総理が出てくるか。今は中央官庁も経済産業省が主流だが、又財務省主流の中央官庁政治が始まるのか。


その時は財政再建、緊縮財政、国民に負担を強要する政治になるのだ。

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