2017年12月5日火曜日

日銀の銀行救済:「口座維持手数料(マイナス金利?)」をとって銀行経営を救済するのか

マイナス金利で経営が悪化した銀行を救済するために日銀は我々から「口座維持手数料」をとるつもりらしい。所謂マイナス金利だ。「預金ではなく他に投資しろ」とでも言うのか。メガバンクは大量退職者募集、AIで窓口業務の自動化、地方銀行は合併と生き残りをかけたニュースが流れている。

金融危機、経済危機というと必ず銀行が悪いことをやっていた。潰すわけにいかないので公的資金をつぎ込み救済される。業績が回復すれば借金返済だ。

そこで今の窮状を救うために「口座維持手数料」を取る案が出て来たようだ。量的緩和のためのマイナス金利を止めて金融正常化に向け出口戦略をとった方がいいと思うのだがそこは言及しない。

日銀の中曽副総裁が2017.11.29の時事通信社「金融懇談会」で「マクロブルーデンス政策の新たなフロンティア-・・銀行の低収益性と銀行間競争への対応」で「口座維持手数料」導入について言及したのだ。中曽副総裁と言えばポスト黒田に名前が挙がっている。

それによると、「国民のサービスに対するノルムにどう向き合うか」の項で次のように述べている。

銀行は預金者に対して金融仲介サービスを提供し、その対価として預金金利という形で料金を徴求している。金利のより低い預金を保有することで預金スプレッド(市場金利―預金金利)という機会費用を銀行に支払い決済サービスを銀行から購入している。

これがオーソドックスな経済学的解釈だが、これに口座維持管理費や振り込み手数料を組み合わせて決済サービスの適正対価を設定するのがビジネスモデルではないかととうのだ。

今まで預金口座手数料は徴求しないで決済サービスをほぼ無償に近い形で提供しているのだ。銀行口座は11億口座あるらしい。国民一人当たり10口座だ。銀行は膨大な口座数に多大なコストを負担していることになると言う。

勿論すぐには出来ない。国民の理解が必要なのだ。

異次元の金融緩和をやっているので長期金利は%近辺、諸々の金利もこれによって決まるから低金利だ。でも預金金利は低いが銀行の貸出金利はそれなりに高い。

昔は5,6,7%の金利がついたから銀行に預けていれば増える。消費にも回せる。しかし今は雀の涙程度の金利だから銀行よりもタンス預金で十分なのだ。

口座維持手数料を巻き上げられれば更にタンス預金は増えるだろう。その方が安全なのだ。

それよりもマイナス金利を止め量的緩和縮小に向かった方がいいのではないか。そして金融機関の合理化は不足している。都市の一等地にどうして高層の自社ビルが必要なのだ。しかもグループ企業が別々にビルを所有している。

メガバンクを中心に大量退職者の募集がニュースに載る。銀行冬の時代だ。

銀行は預金者が一度に払い出しに来ないから成り立っているのだ。これが一度に払い出しに来たら倒産の危機だ。


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