2017年12月7日木曜日

今日の新聞を読んで(123):デフレ感が強いのか景気の実感が湧かない

経済指標は好調で、景気は拡大基調と言うがその実感が湧いてこない。それだけ日本はデフレ感が強いのか。株価は22000円台、為替も110円台、経営にとっては文句の言えない状況でありバブル感も漂う。

2%の物価目標を目指し量的緩和を継続し市場にカネをジャブジャブ流すが国内投資は少なく、海外投資、M&A、そして企業の内部留保は400兆円を超え、トヨタだけでも28兆円というが賃金は上がらず、社会保障費などの増額で可処分所得は減る一方で、個人消費が伸びない。

アベノミクスが期待した企業が儲かれば家計へ再分配されるトリクルダウンが見られない。寧ろ海外の専門家はトリクルダウンなんて見たことがないと批判する。

これじゃ、景気の実感など湧いてこない。若者は雇用が増え求人数が好転したこと、高所得者は株の高騰で儲けるので景気の実感が湧いてくるだろうが普通の人間は無理だろう。

日本では長期のデフレ感が強く2%物価目標達成はほとんど無理だ。寧ろ今の物価で経済政策の見直しをすべきではないか。アベノミクス推進者の浜田先生も「アベノミクスは雇用が良ければ良い」と言い出した。

消費税は増税し、税収を有効に活用する。財政再建も重要課題だ。赤字国債の発行に頼る財政ファイナンスは良くないことは分かっている。

兎に角、賃上げだ。安倍総理も官製賃上げを要求、経団連も企業に要求している。賃上げの出来なかった企業への優遇税制の適用をやめると「アメ」と「ムチ」だ。

経営者は「少子高齢化などで国内需要は少なく、儲けている企業は海外投資、輸出だ」という。この国内需要の拡大は長年の課題だ。前川レポート、21世紀版前川レポートが出されたが、失敗の要因は企業の儲けを家計に再分配するシステムが出来ていなかったことだと言われている。

世帯主の給料が上がり1人分で十分生活できれば、女性が仕事に出ることもないだろうが、今の収入では生活のために子どもを預けて仕事に出るから収入はその分少なくなる。

待機児童、施設の問題も解決出来るのではないかと思う。

街のコンビニ、スーパーは生活者を守るために値下げしている。値下げしても増収という。では誰が損をしているのか。生産者が犠牲になっているとしたら大間違いだ。

値札を見ると8,9と言う数字がやたら目立つ。ジャパネットタカタのマネをして安値感を出しているのか。

やっぱり民間企業は日本の社会を維持していく気概が必要だ。麻生財務相が経済財政諮問会議で「財政出動より民間出動」と言ったことがあるが、その通りだ。


日本社会の維持は日本企業の存続にとっては必須条件なのだ。

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