安倍総理が「2%物価目標」達成に拘る理由は、ただ先進国で自分だけが「2%物価目標」を達成したことを示したいだけではないのか。欧州中銀、FRBも「2%物価目標」を掲げたが未達のままFRBは利上げ、ECBは緩和縮小へ向かうという。
一方で、日銀・黒田総裁は緩和策を継続すると言う。日本だけが周回遅れの政策をとっているようだが、実際には国債の買い入れは80兆円から60兆円に縮小している。縮小策に向かっているようなものだが、そうは言えないのだ。
日銀の決定会合でも出口戦略に言及する委員が出て来たようだ。黒田総裁も講演で異次元の量的緩和策の「副作用」に言及しだした。
そもそも、「2%物価目標」自体の理由も曖昧だ。国会で当時の民主党の前原さんの質問に安倍総理は「2,3,4といろんな数字が出ているが、1番達成が可能とみられる2%を選んだ」と答え、前原さんは「その程度の理由か」と唖然とし「今後も追求する」と言っていた。
確かに2%はグローバルスタンダードであるが、黒田総裁は講演で「こう言う物は高めの目標を掲げる。上下動するのでのり代のような物だ」と言っていた。
そんな苦し紛れの緩和策も国債市場に影響が出ているし、国債下落、長期金利の上昇なども考えられる。今も銀行経営は悪化しているし私たちの預金にも口座手数料としてマイナス金利の適用もあるらしい。
何分にも国家予算にも影響してくる。日銀の国債買い入れが財政ファイナンスの意味合いが強く、世界から批判されかねない状況なのだ。そうすると赤字予算にも限度が出てくる。緊縮財政に絶えるのかということになる。
ただ日銀の決定会合でも出口戦略についての発言が出て来た。修正、見直しも視界に入ってきたのか。
日銀は、修正を急ぐべきだ。
安倍総理の目的は「自分だけが2%達成出来た」ことを世界に示したいだけなのだ。そんな個人的な欲望に日本経済を捧げるわけにはいかない。
政府と距離を置き、金融正常化に向け日銀は舵切りすべきだ。
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