2020年8月7日金曜日

今日の新聞を読んで(380):そうだったのか、型破りのトランプ外交


私たちは大統領選で選挙権はなく一票投票することもできないが、米大統領の内政、外交は私たちにも大きく影響する。今のトランプ大統領の政策もニュースとしてメデイアから知ることができる。 

そのトランプ大統領の対中国政策、同盟国での米軍駐留、そして対北朝鮮政策をボルトン・全大統領補佐官、ガイ・スノッドグラス・スピーチライター、作家のダグ・ウィードさんとの読売新聞インタビュー記事(2020.8.7「型破り外交識者に聞く」)から知ることができた。

中国がGDP第2位、経済力にものを言わせ国際社会で軍事的、政治的にその影響力を行使していることはよくわかる。ポンぺオ国務長官も「陸海空で米国の優位性を侵害している」といったほどだ。 

でもトランプ大統領はビジネスマン、貿易の観点から中国を見ているのだ。習主席とは良好な関係を保って米国産の農産物を大量に購入してくれることを目指している。だから南シナ海、香港問題、新型コロナウィルス問題でも習主席にとって悪い話は聞こうともしなかったという(ボルトン)。 

国内政治への影響を踏まえて国家の安全保障の決定をするパターンで中国との貿易協議、パレスチナ紛争解決のための中東和平も今世紀最大の取引を目指しているのだから香港問題、新疆ウィグル自治区の少数民族弾圧など、今対応している問題など2の次で貿易協議に向かう可能性が大という(ボルトン)。

米中貿易摩擦は、中国の輸出で疲弊した産業を復活、雇用を取り戻そうとしているが、高関税のかけ合い合戦になり収拾のめどがつかなくなってきた時に、新型コロナウィルスの感染拡大で世界一の感染国、死亡者数を出してしまった。トランプ大統領の初動ミスが大きく影響している。 

大統領選を控え、不利に立ったトランプ大統領は中国を追い詰めているが、習主席とは本当はどんな関係なのか。 

駐留米軍事費の肩代わりを同盟国に要求してきた。受益者が駐留経費を支払うべきだという。日本も思いやり予算2000億円に対して5倍の負担を要求てきた。ドイツには負担しなければ規模を縮小するといったようだ。韓国も拒否しているらしい。

アメリカが長い時間かけて築いてきた同盟国と一線を画するやり方だが、同盟は米国にも付加価値を与えてくれる金銭問題を超えたものだという。同盟国との友好性をトランプ大統領に説明した時、トランプ大統領は不機嫌だったという。トランプ大統領は「日本と韓国は同盟を悪用している」と考えているのだ(ガイ・スノッドグラス)。 

そういえば、新聞に出ていた。トランプ大統領が「真珠湾攻撃」を持ち出して日本に嫌悪感を示したというのだ。 

沖縄駐留の米海兵隊は日本を守る目的よりも米国の世界戦術の中に組み込まれているのだ。以前米国で海兵隊組織の維持が議論されたときに日本に駐留することが経費的に一番安くつくという調査結果があるのだ。 

対北朝鮮もビジネスマンの発想で最大の問題に対処しているという。オバマ元大統領と会談した時、「最大の問題な何か」と問うと「北朝鮮問題」と答えたことから北朝鮮問題に取り組むことになったらしい。トランプ大統領は不動産関係者として北朝鮮は繁栄できると考えていたという(ダグ・ウィード)。

だから米朝会談がうまくいかなくても金委員長との友好関係を保っていればチャンスがあるト考えているのだろう。核、ミサイル開発などは2の次と考えても不思議ではない。 

しかし、拉致問題はひどい話と受け止めている(ダグ・ウィード)。

米朝会談でも安倍総理のたっての依頼で口添えしてくれたらしい。「安倍総理に言っておいた」と連絡したそうだ。でも今日の敵は明日の友と考えているのだ。 

これでトランプ大統領の外交面を理解する助けになる。

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