2020年8月3日月曜日

新型コロナウィルス対策(10):感染4段階への「予兆」をどうとらえるか


新型コロナウィルス感染者が全国的に増加、人口当たりでは東京を上回る地方もあるが全体に考えて感染状況がどの程度のレベルにあるのか、政府、分科会、在野の研究者、国民の間で見方が異なってきた。

何を基準に重点的に考えていけばいいのか。感染段階への「予兆」をどう捕らえるのか。

政府の新型コロナウィルス感染症対策分科会は、感染状況を地方ごとに4段階に分け地方に応じた対策を採る考えを示した。感染爆発段階、急増段階、漸増段階、感染ゼロ、散発段階だ。爆発段階は一番厳しく重症者が増え医療がパンク状態だろう。

漸増段階は今の東京、大阪が該当するらしい。でも皆不思議だっている。基準が分からない。感染ゼロ、散発段階もあるが何時になったらこの段階になるのか。

上の段階に行く前に「予兆」を捕らえ対策をすることが重要になるのは当たり前だ。爆発段階の前には緊急事態宣言発出、イベント自粛、学校休校もあり、急増段階前には人数制限、移動の自粛などで対応しなければならない。

予兆と言っても根拠となる指標はどうなのか。指標を示すことで数字が一人歩きし、政府の裁量に影響を与えることを為政者は嫌っているのだ。社会経済活動に軸足を移す政府に感染防止が足かせになるのだろう。本末転倒の考え方に驚く。

予兆としては、重症者病床の稼働率、60歳以上新感染者数の増加、PRC検査での陽性率、感染経路不明者数、新規感染者数などが上げられているようだ。これだけの項目があれば、政府は自分の都合のいい項目を主張する心配がある。

安倍政権が良く使う手だ。経済成長率を上げて経済が遅滞していると追及されると、今まで使ったことの無いような経済指標を掲げて成長していると頑固に主張した。別の指標に根拠を求めるのであるから話が合うわけがない。

アベノミクスの成果も成長率ではなく、「雇用が改善した」からいいじゃないかと言い出した。

政府や政府が設置した分科会の専門家の言うことを信用してはいけない。分科会の専門家たちは政府の代弁者だ。政府の意向に沿い仕事をして評価をあげ、次の仕事につなげるのだ。

民放の情報番組におなじみの分科会のメンバーが参加し、コメントしているが、完全に政府の代弁だ。恐らく官邸など関係者がチェックしているのを知っているためだ。在野の研究者の方がいい発言をしている。

分科会の専門家がそうでない専門家より優れているわけではない。自信過剰に発言しているだけだ。

公平にやるためには、各項目で評価基準を決め、評価点、加重点で点数評価したらどうか。そうすれば政府の恣意的決定を防止できる。それでも政府の決定が違うのであれば根拠を示し国民に説明すべきではないか。

新型コロナウィルスという「国難」にあっては、政権への信頼が一番物を言う。国民の前に顔を出そうとしない安倍総理に国民は信頼を置いていない。このままでは安倍総理が嫌う「あの悪夢のような安倍政権」と揶揄されるだけだ。



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