野党に連立をまとめるレーダー的人材がいたら、今が非自民の政権を構築し「政治とカネ」問題にも対応できる政権交代のチャンスと思うが、新聞報道の大島理森・元衆院議長の考えでは「志」「技」「数」が重要だというのだ。
どういう社会を築くために政権を運営するか。それには議員の数も大事なのだ。
今は、どんな社会が必要かの「志」はあるが、議員数では圧倒的に自民が多い、一強他弱の政界、いろんなことを勝手に言い張る野党をまとめていく度胸のある人材もいない。
思い出すのは細川非自民・共産の連立政権ができた時だ。熊本県知事を退き、政治家一家ウ、規制改革を目指し「日本新党」を結成、国会に打って出た。従来の政治家にはない斬新さで国民の圧倒的支持を得た。
政治改革、コメの市場開放、地方分権、財政改革と取り組み国民福祉税は社会党系の反対で行きずまり閣内で不一致が明らかになった。
嫌気がさした細川さんは50%の支持率があったにもかかわらず、政権を退いた(世間では放り出したともいう)。今の20%を切りながら政権にしがみつく岸田政権とは大違いだ。
その背後には、野党である自民党の汚い醜聞合戦があった。
細川さんが佐川急便グループから1億円の借り入れ問題を国会予算委員会で追及したのだ。当時野党の自民党は森さんが幹事長、亀井さんは警察官僚出身で情報をかき集めた。自民党内には調査委員会まで作っての追及だったという。
自民党は悪事の収集にはたけている。連立政権を潰し、自民党政権返り咲きを狙った。今は、政治とカネ、政治資金規正法違反事案で自民党は徹底的に調査するのではなく、ごまかす作戦に出た。
自民党は野党に回しても恐ろしい組織なのだ。
小沢さんは「素人が政権をとるとこうなる」と言ったそうだが、当時の社会党の村山さんに言わせると、「小沢さんとの対立が致命傷」とも言っていた。
民主党政権の時もそうだったが、権力の二重構造は小沢さんがいる限りどうしようもないことだ。今回小沢さんは岩手県選挙区でも求心力を失い力はない。
連立政権構築にまとめていく人材はいない。立憲民主の泉さんや国民民主の玉木さんは自分のことばかりい言っている。自民党の支持率が20%台に落ちても、野党の支持率は数%と変わらない。無党派層が増えているのか。
しかし、無党派層も恐ろしい。極右翼政党が出てくるとそっちになびく危険があるのだ。
そんなことを考えると、自民党政権が一番安全なのか。