2015年12月14日月曜日

女子フィギュアGPファイナル:ニュース性は2位の宮原さんか、最下位の浅田さんか

女子フィギュアGPは大番狂わせ(?)で、初出場の宮原知子さんが2位、7度目の出場で期待されたベテランの浅田真央さんが最下位の6位の結果に終わった。ニュース性は最下位の浅田さんにあったのか、2位の宮原さんより浅田さんの取り扱いの方が多かった。

しかし、こう言う場合は一時は200点を超えトップに立ったが最終的には日本人トップの宮原さんを注目すべきではなかったのか。それが勝者への礼儀だと思う。宮原さんにしてみれば勝ってもこの程度の取り扱いかと今後のやる気にも影響する。

一方、浅田さんは一手に女子フィギュア界の期待を背負って再登場になった。フィギュア界では浅田さんに選手生活を続けさせることで利権をむさぼる人達がいるはずだが、今回体調を崩したとはいえ成績が振るわなかったことは今後のことを考えるチャンスではないか。

これからも大会が続くようだが、次も思うような成績があげられなかったら引退も考えるべきではないか。大会後のインタビューでは「う・・・・・・」というフレーズが多すぎた。

今後は、宮原さんのような新人に注目すべきで、そう言う意味でも多くの紙面を割き評価すべきではないかと思う。15日の朝刊に注目したいが、羽生さんに奪われそうだ。


2015年12月13日日曜日

梶田先生 ノーベル物理学賞受賞:脇道の研究から理論を覆したニュートリノ振動

ノーベル物理学賞を受賞した梶田先生は、なんと脇道の研究から理論を覆したことに驚く。読売新聞(2015.12.11)の「妥協なき探求 結実」によると梶田先生は陽子崩壊現象を観測するときに大気ニュートリノが邪魔になるので2つの現象を区別するために大気ニュートリノの研究を始めたのがきっかけで「ニュートリノに質量がある」という、従来の理論を覆す研究結果を報告したのだ。

その脇道の研究でノーベル賞を受賞したのだから運が良い。12日のNHK「祝2人のノーベル賞 受賞への道のり」で梶田先生の研究過程を知ることが出来た。

先にノーベル賞を受賞された小柴先生からは「自分の仕事を持て」、「研究費は国民の血税」と言うことを教え込まれたようだ。

新しい分野の研究はどんなことが起きるか分からない。誰も経験していないのだから全て自分でやらなければならない。当然に関連するとは言え本筋と離れたテーマにも取り組む必要があるのだ。

梶田先生は、ニュートリノは3種類あるがミュー型の検出数が理論値より少ないことに気がついた。長い距離を飛んでいる過程で他の型に変わるのだ。それは「質量がある」ことになり従来の理論を覆す可能性があるのだ。

発表するにも細心の注意が必要だ。発表後、間違ったことがわかればカミオカンデの研究が信頼を失うことになる。梶田先生は「間違っていないか」とあらゆる方向で検証したが間違ってはいないことが分かった。

その時、小柴さんが「面白いじゃないか」「ニュートリノ振動」と背中を押してくれ研究発表に漕ぎ着けたが世界の物理学者は半信半疑だったようだ。当然だろう、標準理論を否定することになるのだから。

そして更なる研究のためにスーパーカミオカンデの建設が始まった。100億円の研究費だと言うが国民の血税だ。この建設には「ノーベル賞に近い男」として常に名前が挙がっていた戸塚先生の存在が大きかった。

小柴先生、戸塚先生(受賞することなく他界)という偉大な先輩科学者に恵まれたこともノーベル賞受賞に大きく貢献しているのだ。戸塚先生の話になると梶田先生の目が潤んでいた。

梶田先生もまさか神岡の地下トンネルの中での研究は予想していなかったようだ。地上での研究と較べると効率が悪いと苦笑いした。来年、神岡で研究すると言う若き出演者の質問に答えてのことだ。

でも、付け加えてKAGRAで重力波の観測が始まるので良い機会に参加出来るのではないかと激励した。

一体何に役立つのか。凡人の質問だ。

答えは「天文学」だという。


2015年12月12日土曜日

軽減税率、COP21:合意に向け無理を通せば道理が引っ込むことに

今の話題は国内では軽減税率、世界的にはCOP21の協議だが難航しているようで意識の共有は出来ても無理を通せば道理が引っ込むことになり、本来あるべき政策が追いやられる。いつもの事ながらテレビでは担当者の苦渋の顔が映し出されるが合意不成立になったことはなく、その期間合意できなくても後日の協議継続になる。

消費税10%時の軽減税率で自民党案に対し公明党の粘りがすごい。創価学会の意向も強いようで自民党案の生鮮食料に対して、加工食品も含めた食料全体を要求、ここに来て突如外食も対象に上がってきた。対象品目の拡大を潰すために財務省が主張したようだ。

問題は税収減で新たな財源の確保が必要になるために自民党が苦慮している。確か、消費税増税2%で税収は2.6兆円増と言われていたと思うが、生鮮食料までだと減収は3400億円で財源の確保が出来ていたが、公明党が主張する加工品まで入れると1兆円になり、新たに6000億円の財源の確保が必要になる。

麻生財務相は記者会見で不機嫌な顔で「安定財源を確保できなければどうするんだ」という。それに外食が入ると1.3兆円になり途方もない金額になる。

財政再建、社会保障費への充当目当てだった消費税10%も軽減税率の対象食品拡大で税収減になり、おまけに新たな財源が必要になる。

更には低所得者対策の意味合いがあったが高所得者に恩恵が大きいとは驚く。だから消費者の声も「生活必需品ではなく贅沢品にかけろ」という。

ところが、安倍政権が公明党案に傾いた背景に参院選や沖縄の市長選への選挙協力にあるようだ。議席数の少ない参院で憲法改正の発議が出来る2/3議席を狙い、憲法改正へ一歩近づけたい意向が大きいらしい。

先の安保関連法案の国会審議では公明党の抵抗に「政教分離」問題を匂わせて腰砕けにした例があるが、今回は自民党も公明党を押さえ切れていない。

やっぱり頭には選挙があるのだ。これがために財政健全化、社会保障制度維持が困難を帰す本末転倒になっている。

一方、クルーグマン教授も12月の世界的出来事の大きい問題としてCOP21をあげているのは当然としても先進国vs途上国の思惑の違いもあって合意が難航している。フランス政府は議長国でもあってメンツにかけても合意に持って行きたいところだろうがカネ、カネ、カネだ。

途上国はカネを出せと言うし先進国は削減の義務化を敬遠する。

それでも、パリ協定は気温の上昇抑制レベルを2℃を下回り1.5℃に向って努力、今世紀後半温室ガス排出を「実質ゼロ」にする。削減目標の達成義務は見送る、被害の軽減、2020年までに途上国に年1000億ドル支援しそれ以降は積みます、温暖化対策の進捗状況を5年ごとに点検すると言う内容が議長案らしい。

各国が削減目標を掲げ5年ごとに検証するも削減義務はなく、提出された削減目標を全部足しても目標の気温上昇を抑えることは不可能という。

数字があって確からしいのが2020年まで途上国へ年1000億ドル支援することぐらいだが、まだ620億ドルしか達成出来ず、おまけに会計が不明朗らしい。途上国は約束を守れという。

新聞を見て驚いたことに、北朝鮮も削減計画を出し資金援助を訴えたという。北朝鮮が削減しなければならないほど排出しているのか。 

200カ国に近い国が参加しているようだが、本当に削減に影響が出る排出国に限って温暖化対策をやっていくべきではないか。日本だって一生懸命取り組んでいるが排出量は全体の5%だ。

ある学識者が「排出量5位の日本が30%削減して地球上の気温が何度下がるのか」と計算したことがあるが、微々たるもので思い出せない。だから削減と言っても説得力が無いのだ。

そもそもCO2人為説に立ったとしてどういうデータ入力で気温上昇の結果を出しているのか。

何のための地球温暖化対策か。途上国の経済支援になりかねない。排出量第1位の中国は途上国に入り「発展途上の大国」という立場を堅持している。インドと共に新興国にしてそれ相当の責任を果たさせようと言う考えもあるようだが、アメリカと二大国構想を持っているようだがこう言ったことには発展途上国を主張する勝手さが目立つ。
結局は成果なく途上国に経済支援することで終わり、気温は上昇、下降を繰り返しながら地球は寒冷化に向かうと言うことになりかねない。CO2人為説に立つ人は長期的には温暖化している事に変わりはないという。

政治が介入することで政策が変質することだけは避けなければならないし、軽減税率も財政再建、社会保障制度の維持であり、弱者救済である事を忘れてはならない。


2015年12月11日金曜日

温暖化論争:クルーグマン教授! あなたはCO2人為説か、自然変動説か

温暖化論争で、クルーグマン教授はそのコラム(朝日新聞2-15.12.11 クルーグマンコラム)で「科学に背を向けるな」と排出量第2位の米国一国の一政党(共和党)の過激思想が世界全体に甚大な影響を与えていると警告する。今、パリで開かれているCOP21も最終合意に向け大詰めに来ているようだが、相変わらずの先進国vs途上国の思惑が入り乱れ重要争点も複数案の併記で選択肢が残ったままという。

会議は排出量1位の中国、2位の米国の意向が大きく影響するのは確かだ。中国は国内経済の成長を優先したいだろうし、米国は国内事情があり義務づけなど拘束には抵抗があるだろう。

クルーグマン教授はクルーグマン・コラムで、パリで開かれている気候会議は2015年12月に世界で起きた最も重要な出来事になり、地球温暖化を解決する重要な転換点になる可能性があると言う。

そうなる可能性もあるその責任は「共和党」であることは明白であるがメデイアも専門家もそういう事実に向き合っていないとクルーグマン教授は指摘する。

クルーグマン教授によると共和党は排出量抑制に徹底的に反対で、調査によると共和党議員278人のうちCO2人為説を認めているのはたったの8人、大統領選も相まって、この共和党の異様さが理解されておらず、科学的合意が間違っているというだけでなく、壮大なでっち上げの産物というのだ。

ところが共和党に「気候変動否定論の否定」の動きが出て来た。共和党の一部穏健派によるもので、共和党は理にかなったことを話し始めるだろうとみている。

クルーグマン教授らが目にしているのは「科学に背を向けた政党」だが、そんな事では文明の未来そのものも危うくなる時代で、事実に真っ正面から立ち向かわなければならないと言う。

確かにオバマ大統領は「この惑星を守るための合意を今年中に達成しなければならない」と言うが、米国内では目標達成が義務化されれば上院の2/3の同意を得なければ批准できない事情があり義務化には抵抗があるようだ。

米議会は強い規制を嫌う共和党が圧倒的多数を占め、既に州によっては提訴する動きもある。更に来年の大統領選では共和党にも可能性があるようだ。そうなると第2位の排出国である米国は地球温暖化対策から一歩後退と言うことにもなりかねない。

しかし、全てはCO2人為説を前提の地球温暖化対策であって、そこには先進国vs途上国のエゴが出てくる。カネのぶんどり合戦の様相を呈するのだ。一方で今叫ばれている自然変動説に立てば重点は被害対策になる。

クルーグマン教授はCO2人為説に立つのか、自然変動説にたつのか。CO2人為説が間違っていたとすると巨大なカネの動きが無駄になるが、財政出動と考えると意に沿っているとでも言うのか。


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2015.12.01掲載
COP21首脳会議始まる:CO2人為説か自然変動説かで対応は大違いか


軽減税率論争:自民・財務vs官邸・公明、どちらが国民の方を向いているか

軽減税率論争が大詰めを迎えているという。メデイアはその背後に自民・財務vs官邸・公明の構図があるというが、本当に国民の方を向いているのはどっちなのだ。創価学会の意向を汲んで公明党が軽減税率の食品全体への拡大適用を主張したが、自民、財務省は財政健全化で抵抗する。一方、安倍官邸は安保関連法への協力と来夏の参院選への選挙協力もあって公明党案を支持している。

財務相経験者であり、消費税増税の3党合意時に自民党総裁だった事もあって谷垣さんは板挟みの関係だ。

でも、消費税増税10%、軽減税率対象の拡大、財政健全化で2020年にPB黒字化、国・地方の借金1050兆円の減少そして参院選へどのような対応が国民のためになるのか。

創価学会会員との約束で増税時の食品全体への軽減税率対応を強いる公明党の動きに自民党、財務省、安倍官邸は右往左往している感じだが創価学会会員の主張が民意を反映しているのか。選挙で議席を伸ばしたいために政策が変質してきているのではないか。

あるいは、既に決まっているにもかかわらず谷垣、井上会談で難しい軽減税率で調整に四苦八苦している姿を見せているだけのことか。

当初案では4000億円分の財源を確保すれば良かったが対処品目を拡大すると1兆円になり、更に6000億円分の財源が必要になる。そうでなければ消費税10%に増税しても税収は減額になるのだ。社会保障費に全てを充てる約束も本当に信じて良いのか分からない。

そしてメデイアの論調も政局のゴタゴタを伝えるだけで軽減税率についての論調がない。まさか新聞が軽減税率の対象に載っているからなのか。

どう考えるかと問われても難しい。

10%への増税は法的には実施すべきだろう。安倍総理もそう言っている。でも8%で消費は冷え込み日銀の目指す2%物価安定目標の達成時期も16年後半に先延ばしされた。これが17年に10%になるとどうなるか。常識で考えれば消費は伸びないはずだ。

需要がなければ設備投資も伸びない。家計を潤すために賃上げを求めるが経団連を除いて経済界は色よい返事はしない。設備投資だって「やれるところはやっている」というのが現状らしい。

日銀の量的緩和で市場には十分なカネが流れていると思われるがたまっているのは企業の内部留保、日銀の当座預金だ。これをはき出させるためにマイナス金利も検討されているらしいが、はき出されたカネが株や住宅に向かえばバブルになる。日銀は量的緩和を継続だが、FRBは今月中に0.25%程度の利上げをするという観測が流れている。長い間利上げのニュースが流れたので利上げしても大きな変かは無いだろうとみられているが、日本経済のターニングポイントになるかもしれない。

海外からも企業を呼び込むために法人税を32.22%から29.97%に早急に下げると言うが効果はあるのか。既に租税特別措置法で実質的には20%台になっているのだ。特に効果などないのではないか。外形標準課税も検討されているが赤字企業にとっては増税になる。

軽減税率の対象品目を拡大することは私たちの生活にはメリットがあるだろうが、線引きによっては消費社会は大混乱だ。低所得者のために拡大すると高所得者にもメリットとなり必要ない人をも助けることになりかねない。

低所得者に3万円も給付するという。選挙対策か。

国/地方の借金が1050兆円にもなっている。対GDP比200%越えで先進国一悪い。2020年にPB黒字化を各政権は約束し財政健全化を謳っている。安倍政権も同じだが、どの政権も2020年まで政権の座にはいないので言葉だけの無責任さが目立つ。

資産も600兆円を越えるので問題はないという経済学者もいれば赤字国債は国内で消化されているので問題ないとも言う。しかしこの点が問題なのだ。国債が下落すると海外投資家ではなく、国民が損をする事になり国内経済への影響は大きい。多くを保有する日銀の経営も大変だし、金融機関の経営も怪しくなる。日銀・黒田総裁は既に金融機関に警告を発している。

アベノミクスの成果(?)として税収増も見られるが経済成長と財政再建の両輪では政府の姿勢を国民にどう見せるかが難題だ。

そして、安倍政権の頼みである公明党の選挙協力だ。差し迫っては参院選で議席を拡大したいらしい。憲法改正を目指すには参院で発議条件である2/3の議席が欲しい。自民党
が議席を得るには選挙巧者の公明党の協力が必要なのだ。ところが今回の安保関連法で創価学会会員も国会前反対集会に堂々と参加している。

安倍政権へ抵抗しているようだが消費税10%、軽減税率でどういう動きを示すか。通常国会での国会前集会に注目だ。

官高党低では自民党内にも不満が多いそうだが、自民党員はどうなのか。総裁選では対立候補を押さえつけられ、内閣改造で干されることに恐れポスト安倍の顔が見えないが野田さん、尾辻さんは頑張ったが、谷垣さん、石破さんや岸田さんらは安倍さんの毒牙にやられている。

ポスト安倍の総裁、総理候補としてどんな顔で出てくるのか。

ところで、麻生財務相はどうしているのだ。最近の政権運営で影が薄いが軽減税率では慎重派なのだろう。

経済運営で影響力を発揮する経済財政諮問会議はどうなのか。いろんな意見は出るだろうが安倍政権へのYESマンの集まりだから問題外だ。


もう結末は決まっているだろうが、一応自民・財務vs官邸・公明の戦いに注目だ。

2015年12月10日木曜日

惑星探査:目標の星より探査機の挙動、JAXAの「粘り」に共鳴だ

「あかつき」が撮影した金星
2015.12.9 TBS ニュース23
日本の惑星探査技術も大した物だ。目標の星がどんな状態なのか知りたいよりも探査機の挙動、JAXAの頭脳と「粘り」に共鳴しているのではないか。金星探査機「あかつき」の金星を回る軌道への投入成功で金星の重力圏にはいり「衛星」となって金星を観測出来るようになったという。

日が落ちた後、明け方に輝いて見える金星だが、その大きさは地球と同じ兄弟のような星と言われているが環境は大違い。今考えられているのが濃硫酸の雲に覆われ秒速100mという強風が吹き荒れている過酷な環境にあるが金星の上空から「あかつき」が詳細を観測するというのだ。

2010年5月に打ち上げられたあと、主エンジンの故障で減速できず、金星への軌道への投入に失敗したが、金星に近づくタイミングを待って約5年ぶりに軌道投入を試行し成功したのだ。設計寿命の4.5年を過ぎており諦め感もあったようだがスタッフは「粘り」を発揮した。

計画は15年前のミッションだそうで、5年前に打ち上げたが軌道投入に失敗していたのだ。ここで諦めれば税金の無駄遣い、スタッフは職なしになる状況だったのだろうが、必死で生き残る道を探し今回の軌道投入成功になったのだろう。何年もコンピューターと睨めっこの研究生活だったのだろう。

プロジェクトのスタッフに拍手だ。

ハレー彗星探査の「さきがけ」「すいせい」、月を回る「ひてん」、失敗したが火星探査の「のぞみ」、イトガワにおり微粒子を持ち帰った「はやぶさ」、月を回り観測した「かぐや」、今回の金星を回る「あかつき」、Ryuguをめざす「はやぶさ2」、更には水星を目指す「水星磁気圏探査機」も予定されていると言うがそれぞれのミッションでの探査機には劇的シーンがある。

イトカワから微粒子を持ち帰った「はやぶさ」は、確か一時、行方不明になったがその後見つかりオーストラリアの砂漠地帯に帰ってきた。このときも国民の目をクギズつけにした。イトガワに着陸して岩石類を回収する装置は町工場が開発したものらしいが残念ながら失敗するが、その時吹き上がった微粒子が運良く回収されていたらしい。

また、何時だったか打ち上げに失敗した衛星(?)を原因究明のために海中から回収することもやってのけた。爆発後の落下地点、海流の特性から落下地点を予測し回収に成功したのには驚いた。NHKでの特番で見た記憶がある。

そして12月3日には「はやぶさ2」が日本上空を横切り地球スウィングバイを実施、加速しRyuguへ舵切りした。地球の重力を利用して軌道変更したのだ。時々地球スウィングバイという言葉を聞くが、秒速30km、地上3100kmの上空の地球間近を通る時に、実施したらしい。太陽に対して秒速30.3kmから31.9kmに加速したという。燃料の節約になったらしい。


平素はほとんどニュースにならないが、何かあると突然ニュースになる我が国の宇宙探査だ。しばらく惑星探査機から目が離せない。

2015年12月9日水曜日

常識(通説)、教科書を疑え!:科学ではノーベル賞ものでも金融政策では失敗か

ノーベル賞受賞者がよく言う「常識(通説)、教科書を疑え」は、科学の世界ではノーベル賞ものだが、政治経済の面では失敗するかもしれない。大気ニュートリノ振動を発見し今年のノーベル物理学賞を受賞した梶田先生は標準理論を打ち破る物理学の新しい方向を示したが、一方、私たちの生活に大きな影響を与える経済面で政府、日銀は金融政策で非伝統的金融政策を採用し脱デフレを目指すが期待外れの感がある。

ニュートリノ、反ニュートリノは幽霊のような粒子で電荷も持たず、質量もほとんどなく物質を通り抜けると言われ標準理論では「質量はない」と考えられていたが、研究過程で「奇妙な結果」を得、プログラム、実験手法を精査した結果、ニュートリノ振動を確認し「質量がある」という結論に至り物理の新しい扉を開いた。

「それがどうと言うんだ」と凡人には分かりにくいが宇宙の起源に迫る糸口にもなると言う。

今、ビッグバンで宇宙は膨張しているが何時かは反転し収縮に向かうという。小さい粒になるのだ。9日の青い空を見上げるとダークエネルギー75%、ダークマター20%、原子を作っている物質5%、それにわずかな光子とニュートリノからなっている宇宙だがそんなに難しい問題が潜んでいても直接生活には影響ないから実感が湧いてこない。

一方で、私たちの生活に大きな影響がある経済面を見ると今の日銀が実施している異次元の質的・量的緩和は金融政策面では「非伝統的金融政策」で教科書を外れているし、おまけにゼロ金利下ではその効果は期待出来ないと言われている政策だ。

しかし、当初は円高→円安、株安→株高へ基調が替わり、一見効果があったと思われているが、その要因は別にあると指摘する経済学者が多い。

アベノミクスも第一の矢の金融政策だけで第2の矢、第3の矢は評価出来ず、安倍政権は続けて新3本の矢を放ったが、矢なのか的なのかと疑問視されている。

本当のところ「非伝統的手法」と言われる量的緩和の効果はどうなのか。

朝日新聞(2015.12.9)の「危機後の中央銀行 非伝統的手法には想定外の副作用 金融頼みは危うい」と言う記事が目に止まった。金融政策では常識的、教科書的考えだ。
G30評議会議長でJPモルガン・チェース・インターナショナル会長のジェイコブ・フランケルさんへのインタビュー記事だ。

G30が今秋、世界金融危機の教訓と中央銀行の役割に関する報告書をまとめたというが、その報告書は「中央銀行の伝統的原則は、多少の修正はあるにしても、まだ妥当性がある」と言うのだ。

伝統的金融政策は原則としては中央銀行の金利の上げ下げであるが、金融危機で今、各国の中央銀行は量的緩和政策をとっている。欧州は延長を決めたし日本も「物価安定目標2%」へ向け量的緩和を継続しているが、「何かあると躊躇なく対応する」と追加緩和も匂わせる。

余りにも劇的は手法だったが各国中央銀行が右に習えだからG30評議会も否定は出来ないのだ。おまけに日本からは考えの違う(?)黒田さんと白川さんがメンバーだ。

金融政策の狙いは、長期的な物価安定、金融システムの安定、中央銀行の独立性にあるが、政府の財政健全化、構造改革が必要だ。これが無ければ「想定外の結果」になり金利以外の株価、住宅での収益追求になり実体経済と離れたバブル経済になる。

日本はどうか。

財政健全化も構造改革も未だという感じで物価安定はほど遠い。金融システムは一応安定しているようだが中央銀行の独立性が保たれているとは思えない。

「古い教科書は捨てて新しいアプローチを採用しよう」と言うことだったが、うまく行っていないのではないか。でも市場に期待感を持たせたことは評価出来るのではないか。

FRBの利上げについても言及している。成長率は2~2.5%、失業率も5%、インフレは2%に達していないが金利の正常化に向け「利上げできる環境」の整備が出来たと言うことなのだろう。0.25%なんて経済にはほとんど影響がないとも言う。

日本も、2%の物価安定目標達成を16年度後半と先延ばししているが、中期的目標(日銀政策決定会合で木内委員が言っていることと同じ)にすべきで、金融政策が唯一の選択肢ではないとアドバイスする。


標準理論に反した結果を導き出しノーベル賞を受賞した梶田先生、古い経済、金融の教科書にない新しいアプローチを採用した黒田・日銀総裁、安倍総理は脱デフレの道半ば、明暗の分かれる結果になった。経済は実験が出来ないから難しいと言った経済学者もいる。