今の話題は国内では軽減税率、世界的にはCOP21の協議だが難航しているようで意識の共有は出来ても無理を通せば道理が引っ込むことになり、本来あるべき政策が追いやられる。いつもの事ながらテレビでは担当者の苦渋の顔が映し出されるが合意不成立になったことはなく、その期間合意できなくても後日の協議継続になる。
消費税10%時の軽減税率で自民党案に対し公明党の粘りがすごい。創価学会の意向も強いようで自民党案の生鮮食料に対して、加工食品も含めた食料全体を要求、ここに来て突如外食も対象に上がってきた。対象品目の拡大を潰すために財務省が主張したようだ。
問題は税収減で新たな財源の確保が必要になるために自民党が苦慮している。確か、消費税増税2%で税収は2.6兆円増と言われていたと思うが、生鮮食料までだと減収は3400億円で財源の確保が出来ていたが、公明党が主張する加工品まで入れると1兆円になり、新たに6000億円の財源の確保が必要になる。
麻生財務相は記者会見で不機嫌な顔で「安定財源を確保できなければどうするんだ」という。それに外食が入ると1.3兆円になり途方もない金額になる。
財政再建、社会保障費への充当目当てだった消費税10%も軽減税率の対象食品拡大で税収減になり、おまけに新たな財源が必要になる。
更には低所得者対策の意味合いがあったが高所得者に恩恵が大きいとは驚く。だから消費者の声も「生活必需品ではなく贅沢品にかけろ」という。
ところが、安倍政権が公明党案に傾いた背景に参院選や沖縄の市長選への選挙協力にあるようだ。議席数の少ない参院で憲法改正の発議が出来る2/3議席を狙い、憲法改正へ一歩近づけたい意向が大きいらしい。
先の安保関連法案の国会審議では公明党の抵抗に「政教分離」問題を匂わせて腰砕けにした例があるが、今回は自民党も公明党を押さえ切れていない。
やっぱり頭には選挙があるのだ。これがために財政健全化、社会保障制度維持が困難を帰す本末転倒になっている。
一方、クルーグマン教授も12月の世界的出来事の大きい問題としてCOP21をあげているのは当然としても先進国vs途上国の思惑の違いもあって合意が難航している。フランス政府は議長国でもあってメンツにかけても合意に持って行きたいところだろうがカネ、カネ、カネだ。
途上国はカネを出せと言うし先進国は削減の義務化を敬遠する。
それでも、パリ協定は気温の上昇抑制レベルを2℃を下回り1.5℃に向って努力、今世紀後半温室ガス排出を「実質ゼロ」にする。削減目標の達成義務は見送る、被害の軽減、2020年までに途上国に年1000億ドル支援しそれ以降は積みます、温暖化対策の進捗状況を5年ごとに点検すると言う内容が議長案らしい。
各国が削減目標を掲げ5年ごとに検証するも削減義務はなく、提出された削減目標を全部足しても目標の気温上昇を抑えることは不可能という。
数字があって確からしいのが2020年まで途上国へ年1000億ドル支援することぐらいだが、まだ620億ドルしか達成出来ず、おまけに会計が不明朗らしい。途上国は約束を守れという。
新聞を見て驚いたことに、北朝鮮も削減計画を出し資金援助を訴えたという。北朝鮮が削減しなければならないほど排出しているのか。
200カ国に近い国が参加しているようだが、本当に削減に影響が出る排出国に限って温暖化対策をやっていくべきではないか。日本だって一生懸命取り組んでいるが排出量は全体の5%だ。
ある学識者が「排出量5位の日本が30%削減して地球上の気温が何度下がるのか」と計算したことがあるが、微々たるもので思い出せない。だから削減と言っても説得力が無いのだ。
そもそもCO2人為説に立ったとしてどういうデータ入力で気温上昇の結果を出しているのか。
何のための地球温暖化対策か。途上国の経済支援になりかねない。排出量第1位の中国は途上国に入り「発展途上の大国」という立場を堅持している。インドと共に新興国にしてそれ相当の責任を果たさせようと言う考えもあるようだが、アメリカと二大国構想を持っているようだがこう言ったことには発展途上国を主張する勝手さが目立つ。
結局は成果なく途上国に経済支援することで終わり、気温は上昇、下降を繰り返しながら地球は寒冷化に向かうと言うことになりかねない。CO2人為説に立つ人は長期的には温暖化している事に変わりはないという。
政治が介入することで政策が変質することだけは避けなければならないし、軽減税率も財政再建、社会保障制度の維持であり、弱者救済である事を忘れてはならない。
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