2015年12月19日土曜日

何故急ぐ! 2%物価安定目標、日銀と政府が袂を分かつ時

何時、政府と袂を分かつか
日本銀行本店
何故急ぐ!、2%物価安定目標、日銀が政府と袂を分かつ時が来るのか。歴代日本の政権が脱デフレ宣言を目指して来たが叶わず、2年前「2年で2%」を掲げ黒田・日銀総裁が就任したが、原油価格低迷、中国経済の停滞、米・利上げによる新興国経済の不安など理由はあるが物価上昇は至難の業と映る。

2年の達成が不可能とみて日銀は2016年後半に先延ばしした。それでも消費者物価が下振れすると「間髪入れず追加緩和」の姿勢を示し市場の失望を防止しようとするが日銀の「打つ手は限界」感が強い。

18日に開いた政策決定会合では「追加緩和」の意味合いを薄めるために「緩和補強」策を打ち出し6vs3で決定したようだ。米国の金融政策正常化に向けた利上げを受けての日銀の政策決定に市場は失望し、株価は366円下げて18986円後半、円相場は63銭高の121円79銭~81銭、金利は0.27%で0.025%下げ低金利を維持する。

政府と日銀が一体となっての脱デフレ、2年で2%物価目標達成を狙ったが、日銀の金融政策、特にゼロ金利下での量的緩和は正統派経済学者が効き目なしと評価していたとおりになりそうで、税制改革、構造改革など政府の役目が重要になってくるが参院選を控えての税制改革、一向に進まない構造改革に絶望感が強い。

アベノミクスの成果(?)で企業では内部留保、預金も膨らむ一方の経済低迷に政府、日銀は二人三脚で設備投資、賃上げでの冨の再分配を要求、消費拡大で物価上昇を目論む。
これが目指す経済の好循環なのだが経団連会長は同調するも経済界は一体ではない。

「設備投資もやれるものはやっている」「賃上げは経営者と労働者の関係」と冷たい。経団連会長も浮いている感じだ。

そして、安倍政権は新3本の矢を放った。「的か矢か」と冷笑されるが、GDPを2020年までに490兆円から600兆円にすると言う。当然名目成長率は3%だ。「そんな可能性すらあるのか」と専門家は疑うが安倍総理周辺のYESマンは強気の発言をする。

ところがGDPの成長率を民主党議員が情報公開を求めた結果が日刊ゲンダイ電子版に掲載されている。民主党政権時のGDPの伸び率は5.7%だったのに対して安倍政権での伸び率は2.5%だと言うのだ。民主党政権時は福島第一原発事故など甚大な事故を経験したときであったが安倍政権は負けている。
安倍総理は国会審議で民主党議員の質問に「民主党政権時代はどうだったか」と反論していたが、これではみっともない。

日銀にだってGDP600兆円に向け政府から政策上の注文があっただろう。達成時期は2020年だ。そんな時安倍政権は存在しないはずだ。

日銀政策決定会合の委員が冷静に考えて判断したとき、政府と袂を分かつ時が来るのか。

2016年夏は参院選だ。2%物価安定目標は2016年後半になっている。どう経済指標をいじくるか分からないが、「後半には達成」への期待感を煽れば良いだろう。

でも2017年になると達成不可能であれば日銀総裁、副総裁の責任論が出てくるだろう。少なくとも岩田副総裁は自ら言ったことだから辞任やむなしだ。

2018年になると、安倍総理、黒田総裁の任期が切れる。安倍総理の任期は切れるが鳩山さんなどは党則を変えてでも安倍続投ののろしを挙げている。でも官高党低で自民党内にも不満分子が多くなっているようだ。次は保守系リベラルの出番と言うが、有力候補者は全員が安倍保守系政権の要職に就いている。「今日からリベラルです」と旗を揚げることが出来るのか。

黒田さんも日銀の本流ではない。安倍総理に引き立てられたから職にいるのであって政治的背景が無くなれば再任は無理ではないか。日銀本流が巻き返しを図るだろう。

その時、アベノミクスは失敗と言うことになるが、次の衆院選で国民へ信を問うことになる。

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