三菱UFJ銀行の日本国債の急落を 想定した危機対策を伝える記事 朝日新聞 2012.2.2 |
朝日新聞の2月2日朝刊の一面トップ記事、「日本国債の急落想定 三菱UFJ銀 危機対策」の記事の掲載タイミングに驚いた。何やら背後に財務省の意向(圧力?)を感じるのだ。今、国会の予算委員会は消費税増税でマニフェスト違反だとか、年金制度、財源試算などで混乱している。民主党が誘う事前協議に野党は乗りそうにない。
政府が考えている3月の消費税増税関連法案提案も危ぶまれている今、消費税増税に向け、政権を後押しする財務省が朝日新聞に圧力をかけ、ヨイショ記事を書かせたのではないかと疑う。
それによると、三菱UFJ銀行は、数年後に日本国債の価格が急落し金利が数%に上昇した場合、損失を少なくするために国債を売る「危機管理計画」を作ったというのだ。経済成長率、経常収支、為替などをみて急落の恐れがあるときは、売却するという。その潮目は2016年頃とみているが、今すぐに下落はないとみているそうだ。
日本国債の保有は、ゆうちょ銀行が断トツで三菱UFJ銀行も2番目の保有数であることはメデイアの報道でしており、国債下落の損失が大きく経営危機にかかる恐れもあると思っていたので、このような危機対策を持っていることも当然だと思った。
しかし、日本経済、強いては世界経済に影響を及ぼしかねない日本国債下落に対する危機管理を今、このタイミングで発表すべきものなのか。
欧州政府債務問題では、危機収拾に向かって政治が十分に対応できていないことで、市場が危機感を持っていることはわかっているが、政治も遅ればせながら危機に対応するセーフテイー・ネットの整備など動きを見せている。まだ不透明感は避けられないが、一応の落ち着きは取り戻しているようにも思える。
そのタイミングで、さらに混乱を増すような報道は慎むべきではないか。誰だって今の状況を考えると、世界恐慌でも起こって一旦チャラにして、難儀はあるだろうが再出発する手もあると考えてもいるだろうが、今は色んなセーフテイー・ネットで危機を回避できる可能性もある。
三菱UFJ銀行が経営責任から危機対策を作ったのであれば別にオープンにすべき問題でもないだろう。社内でしっかりマル秘扱いで対応すべきではないのか。
財務省も政治基盤の脆弱な野田政権を援護する気持ちはわかるが、もし大手メデイアを通じて国債危機を煽り消費税増税へ応援しようとしているのであれば民主主義を踏みにじる危険な行為ではないか。多くの国民から官僚主導が嫌われていることをしっかり認識し、自重すべきではないか。
朝日新聞も、今この記事が出た場合の影響の大きさを考えるべきだ。財務省のヨイショ記事ではないと思うが、もしそうだったらメデイアとしての存在を疑う。
今こそ、日本の国家財政について国会で真剣に議論し、国民に増税が必要かどうか判断する材料を与えるべきではないのか。
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