2012年2月10日金曜日

佐渡で震度5強:日本海側でも巨大地震の可能性?


日本海東縁変動帯
M8,M9の巨大地震が発生すると
予測されている震源域図の中に
日本海東縁変動帯を図示した。

8日夜、NHKニュースウォッチ9で地震情報が流れた。午後9時1分ごろ地震が発生、佐渡で震度5強、震源地は佐渡付近で北緯37.9°、東経138.2°、深さ10㎞、M5.7だという。津波にご注意くださいということだったが、その発生の心配はなくなった。

現地の様子をカメラが映している。雪も積りしんしんと降っている。電話取材では大きな被害はなかったようだが、夜でもあるし雪も積もっているのですぐには把握できないのだろう。

その後、同じ場所で21時22分、深さ10km、M3.1 佐渡震度1、さらに日が変わり0時22分にも深さ10km、M3.1が連続した。

3.11以降、日本列島周辺のプレートに歪の変化がありバランスが崩れており、全体的に地震が発生しやすくなっているのは確からしい。佐渡付近にどのような海溝があるのか調べてみた。
気象庁地震情報
8日午後9時5分発表

海溝と名のついているところはないが、糸魚川―静岡構造線から佐渡沖、牡鹿半島沖、積丹半島沖を通って間宮海峡に抜ける「日本海東縁変動帯」というユーラシアプレートと北米プレートが衝突している境界が存在する。将来は海溝になるのだろう。今回はその佐渡沖付近が震源だ。日本海中部地震、奥尻島に甚大な被害をもたらした北海道南西沖地震の震源域もこれに属する。

そういう意味では、この佐渡付近を震源とする地震は重要な意味がある。日本海側でも巨大地震発生の可能性があるのだ。


[後記]
この日本海東縁変動帯がユーラシアプレートと北米プレートの境界と言われてきたが、これに疑問をはさむ意見がある。プレートテクトニクス理論に疑問をはさむことにもなる。


科学の危機 科学理論はこうして崩壊
する(学習研究社)
当初北米プレートは北海道中部とサハ
リンを結ぶ点線の位置が考えられてい
たが、巨大地震の発生で、その震源域
を通るはずだと考えられ西に大きく変更
され、実線の位置になった。これが「日本
海東縁変動帯」といわれている。
「科学理論はこうして崩壊する 科学の危機(卯田 1995年 学習研究社)」によると当初、北米プレートは北海道中部からサハリンを結ぶ線上にあると考えられていたが、1983年に日本海中部地震が発生したのを契機に、この震源域を北米プレートが通ると考えられ、北米プレートの位置が西に大きく変更された。


その後1993年に北海道南西沖地震が発生し、その震源域もこの境界にあるとして北米プレートの位置が定説化された。


しかし、この2つの地震はプレートの沈みこむ側が反対であり、1995年のサハリンでの大地震は横ズレだった。そのため「形成されつつある」境界ということになったが、学会では議論のある日本海東縁変動帯であり、プレートテクトニクス理論の信憑性にもかかわる場所なのだ。 



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