2012年2月6日月曜日

次々報道される巨大地震シミュレーション、でもまだ安心か


東大地震研発表の「直下型地震4年以内
に発生確率70%」を報じる読売新聞
2012,1,23

次々に飛び込んで来る巨大地震シミュレーション、でもまだ安心なのか。毎日どこかのメデイアでM8,M9巨大地震の危険が報じられているが、極めつけはいつ起きても不思議ではないといわれている首都圏直下型地震の発生確率が「4年以内に約70%」だ(読売新聞 2012.1.23)。今まで「30年以内に70%程度」だったのだから東大地震研のこの試算はセンセーショナルなものだった。ただ、注意書きがあり、この試算の数値は、今の時点での最大瞬間風速で今後どう変わるか見守る必要があるという。

ところが、2月1日、今度は京大防災研が「5年以内に28%、30年以内に64%」と発表した。

3.11前後の地震発生データを昨年9
月時点で抽出し、モデルにインプット
した。
2012.1.29 日テレバンキシャ
同じモデルを使ったのだが、インプット・データとして東大は、昨年9月時点での3.11前後のM3以上の地震観測データから震災前は47回、震災後は343回に増えていること。地震はMが1大きくなると発生頻度は1/10になることを踏まえて試算したという。一方の京大は、それよりも発生頻度の落ちている時期のデータから試算したのだから確率も低くなっているのだ。

インプット・データが違えば当然結果も違うが、4年と5年、70%と28%の違いにどんな意味があるのかわからない。しかし、4年で70%といわれるとギクッとするが、5年で28%と聞くと少しは安心する。差迫っていることに変わりはないが、数字が低いとついつい安心し、そっちの方を信用しがちなのに驚く。

ところで3.11以降、出てくる地震予測は軒並みM9クラスの巨大地震だ。M9クラスの巨大地震は沈む込む海側プレートが陸側プレートに対して浅い角度で潜り込む地域で起きる。日本周辺のプレートは比較的深い角度で沈み込むからM9は起きないと考えられていたのだ。こうM8,M9クラスの予測ばかりだと、M6、M7クラスは「大したことはない」と思われては困るのだ。

地震に関する知識も以前とは変わってきたのではないか。「ゆっくり地震」の発生は歪も解消し、被害も少ないのでむしろ歓迎すべきだといわれてきたと記憶するが、今は「ゆっくり地震」の隣に危険な震源があるという。3.11の東日本大震災も「ゆっくり地震」が少しずつ南下していって、行き着いたところに3.11の震源域があったといわれている。「ゆっくり地震」は、巨大地震の予測にも利用できるらしい。

地震大国の日本だから地震の研究者も多いのは当然であるが、十人十色でいろんな注目震源域が挙げられている。

地下のプレート構造、他の地震との連動性、交通の要所で経済に大きく影響する地域、3.11以降地震活動が急増している地域、3.11以降ひずみ、バランスの崩れている地域、破壊を逃れた(割れ残り)地域、アウターライズ地震の可能性のある地域、さらには富士山噴火の危険、各種前兆現象からの予知など研究者の対象は多様だ。

私たちは、ちょっと確率が低くなったからとか、自分の住んでいるところから遠いからと言って「まだ安心だ」と思ったり、M8、M9ばかりが注目され、M6クラスは「大したことはない」と思ってはいけないのだ。

私も急遽、地震対策をした。家具、本棚類は転倒防止ゴムを敷き、ねじれん棒類で固定した。パソコンは、デスクトップ・タイプは止めノート・パソコンに交換している。戸棚のガラスはアクリール樹脂板に交換した。液晶テレビはテレビ台にバンドで括り付けた。この液晶テレビは我が家の地震計になる。テレビで地震情報が流れる前に揺れて教えてくれるのだ。後、小物類はゼルなどで止めようと思っている。

水は、45Lのポリ容器に45Lのごみ袋をいれ、飲料水をためることにしている。3日間ほどの携帯食糧、簡易便器なども用意しなくてはならない。

役割分担もある。小学校、保育園に行っている孫たちを迎えに行かなければならない。そして決められている一時避難場所の小学校に集まり、最終避難所、私の場合は多摩川河川敷になる。しかし、多摩川河川敷もM9クラスで大津波が東京湾に入ってくると危険になり、見直しがされているというが詳しいことはわからない。

地震に関する情報に一喜一憂せず、平素からの心構えが必要だ。

京大防災研は同じモデルで、余震が減った
本年1月のデータをインプット。「5年で28%」
の試算を公表した。
2012.2.1種と直下型地震 フジテレビ
スピーク
寺田虎彦博士が言われたかどうかは定かではないが、「災害は忘れたる頃来る」という。それは昔の話だ。今はそれなりの防災処置がされて安心していた時に、3.11が来た。今は「災害は油断したる頃来る」だ。

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