2012年2月24日金曜日

今後の政局:民主党惨敗は当然でも政界再編は性急過ぎないか


今後の政局は、日本国債への不信も
絡み重大な局面が予想される

社会保障と税の一体改革、消費税増税を巡り、政権与党内は分裂孕みで、今後の政局は混とんとしてきた。「1票の格差」問題で違憲判決が出され、早急に区割りの見直しが必要であるが、モタモタしている下で、もし総選挙ともなれば民主党惨敗は当然だ。メデイアは面白い展開になるのを期待してか、政界再編の話を有力政治家に持ちかけ可能性の言質をとり煽るが、邪道とした言いようがない。

野田政権は消費税増税に向け突進している。社会保障と税の一体大綱も政権の不手際が目立ち、曖昧な点も多いそうだが、消費税関連法案は3月に国会に提出するらしい。一方、民主党内最大グループを率いる小沢さんは消費税増税反対で、政権交代の原点復帰を訴え倒閣も辞さない構えを見せるし、野党も解散・総選挙を視野に3月に内閣不信任案提出の構えだ。

増税実施に向け経済状況の改善が条件になっているが、その条件も曖昧だ。衆議院予算委員会で野田総理は物価指標など経済指標を考慮するというが、安住財務相は「今の経済状況下でも実施する」と答弁したことがある。もしその時、野田政権だったらGOになるのだろう。

国債不信の瀬戸際に立っている我が国だが、増税先送りになると市場はどう判断するだろうか。政治機能不全を見れば下落は避けられない。世界経済が未曾有の混乱状態になるのは目に見えている。

小沢さんは、常々「政治に仕組みを変えれば、増税は必要ない」と主張しているが、民主党政権が仕組みを変えた形跡はない。そこで小沢さんは自民党と同じことをやっていてはだめだともいう。

この小沢流増税否定論を市場はどう判断するか。そして国民は・・・。

一方で、根強い政界再編の見方がある。総選挙前に政界再編の構図を示し、国民に信を問うというのだが、本当にできるのか。

自民党からの政界再編は野党から脱却し政権奪取が狙いだろう。民主党内の政界再編は消費税増税に突き進む野田政権から主導権をとりもどすことであり、その他の少数政党も政策を同じくできれば、大同団結し「数は力」で、イニシアチブを持つことだろう。

「国民のため」に政策を同じくする議員同士が集まり、政権を作り直し、小沢さんの言う「安定政権」を目指すのであればメリットも大きいと思うが、左派から右派まで集めた烏合の衆の政党で確固とした政治基盤が構築できるのか。

政界再編の背後には主導権争いの不純な策略が見え隠れする。

政界再編に踊らされ支持したまではよかったが、飽くなき主導権争い、マニフェスト原理主義では政治は前へ進まない。「1票の格差」問題で区割りが進まない背景には、党利党略があり、消費税増税がモタモタしている背景には、「もっと身を削れ」「もっと無駄削減に取り組め」という要望に応えての政策は付け焼刃の感が強い。

直接国民に信を問うていない野田政権が、数々の制度改革にかかわる政策を推し進めようとしている政局に違和感を持つ。

選挙区区割りを見直し、早急に解散・総選挙を実施し、そのうえで社会保障と税の一体改革、消費税増税を議論すべきで「維新の会」が念頭にある政界再編は性急すぎないか。

政界再編は「維新の会」の姿がもっとはっきりしてからでも遅くはない。

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