2012年2月14日火曜日

内閣支持率下落:国民の直接の信を得ていない野田政権の末路?


国民の直接の信を得ていない野田総理
だが、重要な制度改革などの政策を次
次に決めて行くが、その末路?
2012.2.14 NHKニュースより

これが、直接国民の信を得ていない野田政権の末路? 野田総理は「国家国民のため・・」と力むが内閣支持率は朝日新聞の世論調査(2012.2.14)で27%、読売新聞(2012.2.14)で30%へ下落し政権運営は厳しさを増す。消費税増税も半数の人が仕方ないと思っていたのが、逆に55%反対になった。国の経費削減に十分に取り組んでいないことが主な理由だ。

当初は消費税増税だけが先行し、余りにも国民の批判が大きいのに驚いて慌てて自ら身を削る努力も必要だと取り組みを始めたが、増税スケジュールに合わせての国家公務員改革、議員定数削減などは中途半端さ、取ってつけたような政策でうまくいきはずがない。

野田総理は野党に協議参加を促しているが、党内にだって反対論が強い。09年の政権交代時のマニフェスト作成を主導した小沢さんは「民主党と同じことをやっていて、カネがないのは当たり前。予算の組み替えを前提に組みたてたのだから予算の組み替えが必要」(読売新聞2012.2.14)だと今の野田政権のやり方を批判する。

だとすると、何故党内の正式な機関で議論しないのか。「こうすればできるんだ」という案を示さずにただ外野にあって反対を唱えてばかりいる小沢さんに疑問を感じるし、「俺は政権についていない」と思っているとしたら、余りにも了見の狭い政治家としか言いようがない。

私たちが国政を託した民主党は何だったのか。自民党の長期政権による政官腐敗、政治不信が高じて、この辺で政権を変えてみようと有権者が判断したことは理解できるが、烏合の衆の民主党では荷が重すぎた。初の政権にはしゃぎ過ぎて標榜する政治主導をパフォーマンスと勘違いするありさまだ。

9か月ぐらいの短期政権だったが、国民の多くの期待を背負って登場した細川政権を思い出す。

色んな考えの政党が集まってできた連立政権、連立内で十分に議論されず唐突な政策発表(環境福祉税など)、一一ラインとまで言われた2重権力構造、小沢さんの存在と主導権争い、財務省の暗躍、そして細川さん自身の「政治とカネ」の問題など政権が信を失っていく構図が同じではないか。

今の民主党、当時の連立政権を「烏合の衆」という人もいるがカラスに悪い。カラスはお互いに声を掛け合って団結しているようだが、民主党政権は旧社会党系、民社党系、保守系などがごちゃ混ぜの政権で統一感が全くなく、グループごとに行動しているから何時どうなるかわからない。

維新の会の公約に当たる船中八策
遠大な政策が並ぶが、大衆迎合に
ならぬよう注意
2012.2.14 知りたがり フジテレビ
そこで出てきたのが「維新の会」だ。大阪の地盤沈下を回避しようと「大阪都構想」を提案してきたが、国の制度を変えなければどうしようもないと考えたのだろう。船中八策で国政への進出を狙っている。FNNの世論調査では65%もの人が期待している。維新政治塾には3300人の応募者があったという(2012.2.14 知りたがり フジテレビ)。

政権公約も、憲法改正、社会保障制度改革、統治機構の再構築、行財政改革、教育改革、公務員制度改革、経済政策、外交、安全保障など八策がたたき台として公表された。維新の会の1丁目1番地である大阪都構想は見られないが、統治機構の再構築の中に含まれているのだろうか。

支持政党なしの無党派層も50%弱になっているが、大衆迎合(ポピュリズム)に走らず、冷静に考え行動すべきだと思う。

肝心の野田政権だが、野田総理が増税を力むほど国民は離れていく傾向にある。直接に国民の信を得ていない内閣の悲哀かもしれないが、このような重要な社会保障と税の一体改革、TPP、在日米軍問題など制度上重要な政策を国民の信を得ていない内閣が取り組むには負担が大きすぎる。

「マニフェストに掲げていない政策でもやらなければならないこともある」と野田総理は大義を主張するが、それは国民の信を得ている内閣での話だ。

自民党は、消費税10%を公約にしているが、谷垣さんは民主党の消費税増税に「マニフェスト違反」と反論し頑なに協議を拒否している。万一、総選挙になり自民党が政権に復帰した時、消費税増税にどう対応するのか。

野田総理は、消費税増税関連法案を通すには無駄削減の徹底、経済状況の好転に向けたデフレ脱却、円高対策など経済政策の推進が必要になるが自信があるのか。国会審議を聞いていても耳をそばだてることはなかった。

野田総理は、内閣支持率の下落、消費税増税への説明不足批判、党内不協和音にどう答えようとしているのか。

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