23日の日経平均株価終値の1143円安には驚かされた。各国が続ける量的緩和に対する投資家の不安の表れなのか、景気回復過程での潮目の変化なのか。それでも24日の東証は10時10分には443円高の14926円台とテレビニュースが流れた。目まぐるしい乱高下に何に反応しているのか知りたいところだ。
市場にカネを流せばインフレになり、金利も上がることは常識らしい。問題はマイルドな変化か、急激な変化かかで違うのだ。今はカネ余り、実体経済への効果がまだない期待感だけで急激な回復過程にあるのだ。
23日は、アジア市場でも下落したが1~2%、日本だけ7%もの下落は「アベノミクス」に対する市場の警告になるのか。
日銀も想定外だった長期金利の上昇は、期待感だけの景気回復へ水を差すことになる。今まで意に介さなかった政府も円安、株高に重大な関心を持たずには入られなくなった。
エコノミストは、実体経済への効果を出すための成長戦略が必要だと言うが、政府の成長戦略を読んでもよく分からない。これで企業家が動くかと言うことになる。今までの政権とどこが違うのか。経済団体の幹部は評価するが、評価するのであればもう一歩踏み出せないのか。
市場は何に反応しているのか、新聞記事を漁ってみた。
米国経済指標での好転、FRB・バーナンキ議長の出口戦略発言、為替変動、長期金利、中国景気への先行不安、短期儲けでの手じまい、市場過熱に対する警戒感、欧州経済危機の静穏など世界的な変動に対応しようとしている。
上昇傾向が続けば、何時下落に転じるかに戦々恐々としている。こんな時は、ネガテイブな情報に反応しやすい。
逆に低水準であれば、何時上昇に転じるかが気になるもので、こんな時はポジテイブな情報に反応しやすいのではないか。
そして、投資機関は投資家に同じようなアルゴリズムのソフトを提供している。チョットした変動を読み取ってのコンピューター取引をしているので、その変動は大きい。
歴史のある十文字屋証券が、今のようなコンピューター取引にはついて行けないといって証券業を廃業したのはまだ新しい。
一定の株を持ち続ける安定株主が少なくなったのだ。当然だろう。今は海外投資家の売買代金シェアーは60%を占め、買い越しも半年で8.5兆円になるのだ。
その外人ファンドの最優先投資先は日本株だというが、注目しているのは「雇用」「賃金上昇」だという。
アベノミクスも雇用、賃上げで実体経済に効果が出てこなければ、一気に日本売りに走ってしまう危険もある。
円安、株高の取り敢えずの水準をどこに置くか。リーマン・ショック前と見るのが常識だろう。
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