東京・小平市の住民投票を報 じる読売新聞 5月25,27日 |
東京小平市の住民投票は「不成立」に終わったが、直接民主主義の是非が問われているように思える。雑木林の中の1.4km区間の道路建設の是非をめぐる直接請求の住民投票は住民投票の成立条件である50%の投票率に達しなかったために不成立に終わったが、政治の政策決定における最も理想である直接民主主義に重要な問題を提起している。
行政が実施する公共事業などは昔の古い構想で押し通そうとするために住民との間でその是非をめぐって紛争が絶えない。
地域開発に関連するのであるから、地域住民の意向を取り込むことが重要だと思うが、話し合いはするが行政側に押し切られてしまう。背後に大きな利権が絡んでいることもある。
議員を動かす方法もあるが、地域住民の意向通りには行かないケースがほとんどだ。
そこで住民による直接請求と言うことになる。直接民主主義は手間暇のかかる政治形態だ。
小平市長は、「投票は市民の総意であるべきで、信頼性を担保するためにも投票率は50%が必要」と高いハードルを作った。
身近な政治課題に多くの住民が参加し、賛否を表明する事は当然であるが、小平市の場合は明らかに住民投票を拒否したい意思がありありだ。
結果は、投票率35%で「投票は不成立」→「開票せず」で住民側は公開を要求している。
しかし、ここは開票すべきではないか。あの憲法改正のための国民投票だって過半数の賛成を条件にしているが、投票率で縛るようなことはしていない。
考えてみよう。小平市長が言うように「市民の総意で、信頼性を担保する」為に50%が必要と言うのであれば、4月の小平市長選の投票率は37%なので投票は不成立になるのではないか。
小平市ばかりではない。多くの自治体の首長選を見ても先の千葉市長選は31%、八千代市長選は41%、高率な自治体もある。愛知県西尾市71%、高知県土佐清水市77%だ。岡山県瀬戸内市の無投票当選はどうなるのか。信任投票をやるべきではないのか。
行政の横暴、議員への不信などを考えると、直接民主主義のあり方を考える機会にしたらどうか。
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