日銀の大胆な量的緩和の結果、市場は反応し、円高から円安、株安から株高へ大きく動いた。企業の決算が大きく改善したこともあり、安倍総理の言う「強い日本経済を取り戻す」ことも夢ではなくなった感がするように思えた。
ところが株高は、債権より株へ市場はリスク・OFFからリスク・ONへシフとしている結果、国債下落→長期金利上昇という日銀の思惑とは逆に、景気を冷やし、国の財政にも大きく影響を及ぼす結果になりつつある。
株価が続伸し15000円台に入ると、長期金利も昨日(15日)は、一時0.920%まで上昇したが、国債を買い戻す動きも出て0.850%まで下がった。
アベノミクス、日銀の2年で2%物価目標、通貨流通量を2倍にする金融政策発表以来、円安、株高が進み長期金利も上昇する不安な面も出てきた。
この現象も、国会審議で安倍総理は「変わり目だ」と意に介さない答弁をしているし、黒田総裁は「急にはねることはない」と会見でコメントしていた。
しかし、最近になって政府(甘利経済産業相)は、「注意深く監視」と姿勢を変えてきた。
一体、長期金利はいくらを念頭に置いているのか。
調べてみようと思った矢先に、讀賣新聞(2013.5.16)「国債想定金利までは余裕」という記事が目にとまった。
それによると国債費(22.2兆円)の前提となる長期金利は1.8%が見込まれており、まだ余裕があるというのだ。でも1.8%を上回ると一般会計で国債費を追加する必要がある。財務省の予算編成の自由度がなくなってくる。
今までは、国は2%程度の金利を見込んでいたのだ。
好ましくないバブル経済の始まりは、政府、日銀が目論んだこととは違うはずだ。黒田総裁の言う「バブル経済はつきもの」がいつまで、どこまで通用するか。
日銀は、市場をコントロール出来なくなってきたのではないか。
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