円安で企業の決算も回復期待が大きいが、トヨタは営業利益が1兆円を超え業績が急回復しており、今後も国内生産を確保し「物づくり」を守るという。創業家出身の社長は「持続的成長に向けたスタートライン」に立っただけと控えめなコメントを発した。
昨日(8日)のテレビニュース、今朝の新聞はトヨタの好決算を伝えた。トヨタは国内生産39%(12年度)で円安が利益に結びつき国内事業中心の単独決算でも営業利益は5年ぶりに黒字になったという。
「アベノミクス」での実体経済への効果はどうなのか。
設備投資は14年3月期で9100億円を予定し、拡大路線を進んだ08年の6割程度で、新設は13年度から凍結し既存の工場を最大限活用し生産性を高めるらしい。
エコカー補助金制度もなくなり、欧州経済動向の不安もあり「先行き不透明」感は拭えないらしい。
国内雇用の確保も、国内生産年間300万台を維持し、これくらいの規模があれば「日本の物作り」は守れると、トヨタは「日本生まれ」のグローバル企業であることを宣言した。
安倍総理が要求する賃上げはどうだったか。確か春闘は満額回答を呑んだようだ。でも一時期間工募集(今でもこのような求人があるのかどうか定かでないが)などで新聞募集が賑やかだったが、その動きは見られない。
でも、トヨタと聞けば無駄を排除した徹底的な原価意識は有名だ。トヨタの生産技術である「かんばん方式」は脚光を浴び、他業種も「我も我も」と教えを請うたものだ。品質管理と言えば「かんばん方式」だった。
「必要なときに必要な物を」は倉庫を無くしたが、当時は倉庫代わりにトラックを使っており、トヨタの工場周辺はトラックで一杯だと言われたものだ。下請けが一切の費用を持つことになる。
当然厳しい原価意識は、下請けを泣かせたようだ。少ない利潤でも我慢する中小企業経営は今までも続く。
考えてみよう。我が国が長期間のデフレから脱却出来なかった要因に、大企業のコストカットがあり、人件費削減に通じ、家計収入の伸び悩み、減少があげられている。その先頭を走ったのがトヨタなどではないのか。
家計収入増、雇用増で国内経済を活性化させなければ、次の時代の「良質な労働力」を確保することが出来ず、その付けは必ず企業に回ってくる。
円安で国内生産にメリットが出てきたのではないかと思うのだが、まだまだ生産を海外へ移す動きが強い。
経済界は「法人税を下げろ」「規制緩和せよ」とおねだりばかりするが、国内経済を活性化する手立てを持っているのか。
トヨタのように、「物づくりの原点」を国内に求めない限り日本経済の活性化は無理と思うのだが。
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