巨大地震の震度と津波到達時間 読売新聞 2013.5.29 |
中央防災会議の作業部会の南海トラフ最終報告で分かったことは、予測が困難なこと、自助が第一ということか。M9クラスの巨大地震の「いつ、どこで、規模は」の確度の高い予測は困難なことは当然としても、いつ起きても大丈夫なように自助の精神で平素から取り組む必要があるのだ。
今回新聞で報道された内容を拾ってみると、「事前防災」、「避難者トリアージ」、「広域連携」、「事業継続計画策定」、「自助、共助、公助」、「1週間分の備蓄」が目につく。避難者に優先順位をつける「避難者トリアージ」は目新しいし、今まで3日間分の備蓄が言われていたが1週間分になった。
津波高さは30mを越える市町村もあるが、今まで報道されていた数値なので驚かないが、東海、東南海、南海地震の同時発生なので、静岡、三重、和歌山、高知では津波到来時間が2~6分と早い。予知に期待が出来ないのでグラッときたら直ぐ高台へ逃げることだが間に合わないのではないか。
肝心な事である「どのぐらいの時間大きな揺れが継続するのか」はわからない。今まで地震が発生しても、たかだか20~30秒我慢すれば収まると考えていたが、3.11東日本大震災では長く感じたのではなく本当に長かった。東京の私の住んでいるところで2~3分だろう。
讀賣新聞に出ていた記事で、古文書の記述を今風に解析すると10分以上揺れた事になるという内容を見た。そうなると海岸近くの町では逃げる暇もなく津波に襲われることになる。
「避難者トリアージ」は優先順位をつけて避難所に収容しようという制度なのだろう。皆が避難所に集まればその対応が大変なことになるのは3.11東日本大震災からでも分かる。
高齢者、生活弱者が優先して入ることには賛成だ。東日本大震災で救急医療で応援に入った医師が、「必要なのは災害医療ではなく、老人医療だった」というコメントに実体が想像できる。
高齢者でも自分で何とか出来る者は、自宅で支援を待つことは重要だろう。そのためにも自助精神は大切だ。東京・大田区では町内会、自治会毎に支援があるという。その場所は確認しておく必要がある。
ところで、予知は本当に難しいのか。「いつ、どこで、規模は」を満たす予知は難しいだろうが地殻変動などで「近いかもしれない」ぐらいは出来るのではないか。
予知に貢献するか スロースリップ 南海トラフ地震予知は困難 2013.5.28 NHKニュースウヲッチ9 |
3.11東日本大震災の後、検証していた研究者が、北の方からスロースリップ地震が南下し、止まったところが東日本大震災の震源域だったと言う研究成果を報告していた。
他にも電磁波異常から予知を試みている研究者もいるが、測定結果から確度が高いとして公開するがいずれも外れている。不思議に公開しなかった事例では当てているのだそうだ。
測定結果を「どう読むか」で混乱しているのかもしれない。
南海トラフ地震は当初、東海地震単独で測定や対策がとられていたが、今は東南海、南海地震の3連動、日向灘を加えた4連動から南海トラフ寄りを加えた5連動を主張する研究者も出てきた。
2030年代半ばには必ず南海トラフ地震が発生するという権威ある研究者の検証結果も週刊誌で発表されている。必ず発生することだけは確かなのだ。
海岸縁の町では、数分で津波が押し寄せてくるところもある。NHKラジオを聞いていて緊急地震速報が出たと言って、NHKテレビをつけて地震の内容を確認する時間はないのだ。
まず高いところに逃げること。
津波の心配のない私たちのところでは、家の中の安全な場所を確認して家族に教えておくことだ。長周期地震動の影響を受ける高層ビル、マンションでは10分以上の揺れ、家具が飛ぶことを考えて対策を考えなければならないことになる。
地震・津波対策は「自助第一」なのだ。
南海トラフ巨大地震 2013.5.29 読売新聞 |
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