豊洲新市場の盛り土をやっていなかったためにできた闇の地下空間について、関係者の誰もが本当に思い出せないのか。石原元知事は「騙された」という。「知らない」「分からない」「後で」のコメントは、知っていそうで知らないと言っているようにも思える。
東京ガスの跡地と言うことでベンゼン、有機塩素化合物などによる土壌汚染は、当時世間でもニュースになっていたので覚えている。基準値に比べ相当高水準の内容だった。
当時、土壌汚染の浄化法がいろいろ開発されていたが、大規模な場合は掘り起こし、新しい土を埋め戻す方法が主流だったと思う。豊洲もその方法を採用したのだろう。
専門家会議を設置して検討されたのは当然として、その後新たに技術会議を設置し何かを検討したらしい。情報番組ではこの技術会議で闇の地下空間が検討されたと言うが、記録が見つからないようだ。
これほど騒がれれば知ってる職員が隠すことも考えられる。後は、良心に絶えかねて年配の研究者か職員が白状することもある。
テレビの情報番組で共産党議員が都職員と問題の地下空間に入り、調査する映像を見ることが出来た。
確かに地下水(?)が貯まっているが、「変な臭いがする」という声が聞こえた。揮発性の化合物でも貯まっていたのか。
共産党員がボトルに採水すると、職員が「東京都のものだ。勝手にとるな」と警告していたのには驚く。議員には調査権があるのではないか。分かったことは地下水は強いアルカリ性だった。打設したばかりのコンクリートであれば接触した水はアルカリ性だが、ここは既に時間が経っている。コンクリート打設床の一部に四角な開口部があるが、ここは地下水がわいてくるところ。
私の住んでいる東京都大田区の呑川の河川底にもこう言う場所がある。
コンクリートの地下空間だから地下水位が上がれば駆体が浮く事故につながる。それを防止するための水抜きだ。
ここに貯まった地下水のpHが9程度のアルカリ性だ。更に深いところに石灰などのアルカリ物質が埋まっているのか。
それ以外の箇所でも地下水が貯まっている。どこからか水が指しているのだろうが、よく調べる必要がある。
埋め戻ししない理由にこの地下空間をターレなどの駐車に使うという案も出たようだ。でもどうやって地下空間に出入りしようとしたのか。
それにしてもこの闇空間が見つかったことで、移転推進派の人間まで慎重論を吐くようになった。豊洲は泥沼に入り込んでいく。解体、道路工事が出来なければ東京オリンピックに支障を来す事態になってきた。
この開発も途中から東京オリンピックが絡む事業計画になり、大規模開発で国会議員、都議会議員、ゼネコン、デベロッパーなど利権者が群がり、都職員と組んで不正な開発事業に変身していったのではないか。
小池都知事も大変な決断を迫られる時が来ようとしている。