ポピュリズムは危ういと言うが、ポピュリズムが政治を変える原動力になっている場合もあるのではないか。米大統領候補のトランプさんは移民受け入れ制限、格差問題、反グローバリズムで「アメリカNO1」を訴え旋風を巻き起こしている。今までの政治の主流から外れていることで米国民、世界中の人たちが危惧している。
しかし、そうだろうか。ステイグリッツ教授はアメリカを活性化させるにはトップ1%の社会でなく中間層が活躍出来るよう政治、経済、社会、司法制度を改革する必要があると訴えている。トランプ旋風はその1つの動きではないか。
最近の英国のEU離脱の国民投票は僅差で離脱が決まったが、賛成派でも「やってしまった」と後悔している。英国民は十分な情報を得ることなしに主導権を取り戻そうと賛成した。
今日の新聞ニュースでドイツのメルケル首相の支持率が45%に落ちたと言う。移民受け入れに寛容な姿勢が国民の反感を買っている。選挙にでもなれば大きな動きになるのではないか。
ギリシャでも国内経済危機でEUの支援を受けるための財政健全化の要求を国民が拒否し財政出動を訴えた。緊縮政策でこれ以上の疲弊は避けたいのだ。
日本だって同じ事が言えないか。
ごく最近では待機児童問題で子どもを保育所に預けることが出来ず、仕事が出来ない母親が「日本死ね」とブログ(?)で発言すると、全国に広がり国会では民主党の山尾さんが追及、国会前には若いお母さん達があつまり集会を行った。その結果、安倍政権は待機児童問題を前倒しで対応していくことになり政治が動いた。
一見、失敗例に見えるが「政権交代してみませんか」で民主党政権が立ち上がった。大風呂敷(?)の公約は財源不足で国民を裏切ったが、事業仕分けなどで国民を政治に近づけた。
リーマンショック後の麻生政権、菅政権、野田政権では「何時辞任か」が主要課題になり政策を議論する余裕などなかった。民主党政権では権力の二重構造、東北地方太平洋沖地震と津波被害は東電福島第一原発事故を伴いその事故処理に右往左往し国民の信頼を落としていった。
野田政権末期での「市場にカネを流せ」は総選挙突入と同時に自民党候補者は全員が声を上げた。市場にカネを流せば円は安くなり、円高に苦しむ日本企業は助かるというのだ。「自民党政権しかない」とはポピュリズムではないか。
安倍さんは当時まだ亜流だったリフレ派の会合に顔を出し経済政策にアベノミクスを打ち出した。非伝統的金融政策である[異次元の金融緩和]策は市場の好感を得て円安、株高に動き一気に息を吹き返した感がしたものだ。
でも2%物価安定目標、脱デフレは「道半ば」、達成は危惧されている。アベノミクスの見直しも必要な時に来ているが、安倍政権は破綻=政権の信用がた落ちで、認めようとしない。
安保関連法案審議では国会前に「9条を守れ」「戦争を許すな」、北海道から来たという保育園の職員は「安倍さん あなたが危険なのです」のプラカードを掲げた多数の国民が集まった。
安倍さんは憲法改正発議に必要な参院での2/3議席確保を狙い、民主党は「2/3拒否」で参院選を戦ったが、憲法改正を争点隠しした自民党が圧倒的議席を確保したが憲法改正への道は遠いようだ。
ポピュリズムは本当に危ういか。危うい面もあるが、ポピュリズムで政治が変わった事例を忘れてはいけない。
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