2016年9月8日木曜日

日本vs中国:日本に取って中国は必要なのか

安倍総理、習主席の首脳会談も異例のG20会議後、握手する2人の顔は強ばり、会談への期待など出来る状況ではなかった。中国のメデイアが「日本を相手にする暇などない」と言ったそうだが、日本こそ中国は必要なのか。

最近の中国は南シナ海での人工島建設などで仲裁裁判の「中国の主張に根拠なし」の裁定が出たが全くの無視などで批判に晒されているが、会議で批判されることを嫌い、「世界経済」をメインテーマに中国の貢献を主張した。

安倍総理が日中首脳会談で何を言い出すか分からないので、G20の全ての会合が終了した後での会談になった。テレビの映像で会談を見ると習主席はペーパーの棒読みだ。自分の言葉で自分の考えを述べる雰囲気ではない。

それだけ対日政策で厳しい環境にある事が想像出来る。しかし、安倍総理の態度は立派だ。尖閣諸島問題を始め、南シナ海問題にも切り込んだ。習主席からは「発言や行動に気をつけろ」(?)と言う意味の反論があったようだ。

ASEAN会議でも、安倍総理は「国際法に基づき解決せよ」と改めて呼びかけたが、議長声明では深刻な懸念を表明したが、採決には言及しなかった腰折れの内容だった。東南アジア諸国は中国の経済援助を期待しているのではないか。

それでもどうしてこんな習近平主席なのか、中国をどうしようとしているのか。

民主化を達成せずに高所得国へ移行した国はないが、習主席はこれに挑戦しているという。「中国モデル2.0」はナショナリズムに力点を置く改革で、2016年は「小康社会」(つまり、ややゆとりのある社会)を築く取りくみの「最終段階の始まり」となる年で2020年までにこの目標を達成すると約束しているのだ(「通貨の未来 円・ドル・元」 英。エコノミスト 文藝春秋 2016.4)。

でもこれがうまく行っていないのだ。経済の国際化により新貧民層の誕生、成長鈍化による中流層の不満が不吉な影を投げかけているのだ(同上)。

そこでその不満を交わすために、対日外交を強行に進めている。
繰り返す尖閣諸島への公艦、公船による領海侵犯、接続水域への侵入、漁船による侵犯、領空侵犯は一触即発の状態で放置しておくことは戦争状態への一歩ともなりかねない。

閣僚の靖国神社参拝と併せて、ことある事にいちゃもんを付ける。今は安倍総理のナショナリズムの台頭もあってせめぎ合いをやっている。

両国に間に入り調整する国会議員もいなくなった。親中派と言われる二階さん、かっての小沢さんも大勢の国会議員、経済人を引き連れて訪中しているが利権屋に違いない。

一方、中国の親日派はいるのか。恐らくいるのだろうが今の習体制では、おかしな動きをすれば処分されるために影をひそめているのか。

それにしても中国のやり方に我慢しながらも日本が付き合っていく価値があるのか。

中国市場は人口13億人、GDP世界第2位、成長率6.7%、一方で中国政府の発表する経済指標には多くの疑問があり、まともには信じられないという意見もある。

赤字は2600兆円にもなり既にデフォルトが発生しているが、中国は共産党一党支配だから政府が保証しているという話も出ているが本当か。

大きな市場、現地生産で利を生かし工場進出している企業もあるが、格差拡大、人件費の高騰で工場を東南アジアに移しだした。

習主席は「今後も中国が世界経済をけん引する」と言っているようだが、確かにリーマンショック後は中国が52兆円にも上る財政出動で高成長率を維持し世界経済の沈滞を回避させた実績はある。

しかし、その一方、過剰設備、鉄鋼材の過剰生産で今海外へ安売りを展開し市場を混乱させている。輸出量は日本の鉄鋼生産量にも匹敵するとも言う(勿論品質にも寄るが)。

世界は中国に構造改革、人民元操作禁止の要求をしているが、構造改革は難しく為替操作は避けられないだろう。

政治、経済で譲歩すれば国内の突き上げを食う。ナショナリズムでの改革は国際ルールを守っていられないのだ。

中国、韓国、北朝鮮と難しい国を相手に国民の安全、安心を守らなければならない日本に取っては安倍さんという強腰政治家が必要なのだろう。

昨日の新聞でポスト安倍とみなされている岸田さんが派閥の会合で「バランスの取れた政治を目指す」と発言したそうだ。総理としてはバランスのある政治を期待したいが、外交では安倍さんの強腰を見習うべきか。


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