日銀の政策決定会合は予想通りの量的緩和の縮小はなかった。今まで3年半の日銀の異次元の金融緩和策を「総括的に検証」すると大見得を切ったが、縮小すれば安倍政権の経済政策は破綻したことになり政権運営は苦しくなる。
でも日銀が忘れていることがある。黒田総裁、岩田副総裁の責任を取っての辞任だ。
「2年程度で2%の物価安定目標達成」は黒田総裁、岩田副総裁の就任時の自信に満ちた発言だった。岩田副総裁は「達成出来なければ潔く辞任する。言い訳はしない」と言った。でも今は世界経済が云々と言い訳ばかりして副総裁の座に留まろうとする。
如何に学者出身とは言え、いい加減な男だ。3年半の約束が守れない男に今後の政策に期待出来るか。大学に帰って間違った金融政策を学生に教えたらどうか。その方が害がない。
メデイアは、日銀は「量」から「金利」へ、政策の軸足を変えたという。2%の物価安定目標の達成時期を「出来るだけ早く」とした。達成時期を限定することには以前から政策委員の一人である木内委員が反対していた。何時も反対多数で否定されていたのだ。
新しくは満期10年の国債の利回りである長期金利を「ゼロ」にした。金融政策の目標に加えたのだ。長期金利は長期資金の需要と供給のバランスにより決まるはずだが、ここに日銀が介入するというのだ。
素人にはよく分からないが、いままでの量的緩和政策も長期金利を低めに維持して企業が投資しやすい環境を作ると言うことではなかったのか。
でも企業家は言っていた。金利が低くても投資する目標が見つからないと言うのだ。需要が出てくれば借金してでも投資するというのだ。
日銀の今回の決定をエコノミストや経済学者はいろんな見方をしている。「量」を増やせという者もいれば限界が来ている、政策を見直せという者もいる。期待感ばかり煽っていても切りがない。
取り敢えずは岩田副総裁が辞任することではないか。そこで市場がどう動くか。こんな事では、白川元総裁の方が良かったのではないか。
白川さんも急激ではなく緩和な量的緩和をしていた。「取り敢えずは1%の物価目標を目指し、それが達成出来たらその上を目指す」と言っていたはずだ。黒田総裁が就任する前からマネタリーベースは他国に比べて高かった。それは量的緩和を進めていたからだ。
出来るだけ早くリフレ派は引っ込んで、非伝統的金融政策は止めるべきだ。金融政策は物価の安定を目指すための政策であり、安倍政権をバックアップするための政策ではない。
今、自民党は安倍政権の延命を目的に総裁任期延長を模索している。2020年まで、こんなゴタゴタが続くのかと思えばゾッとしないか。
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