2018年2月26日月曜日

トランプファミリーと金ファミリーの狭間で文大統領の南北融和はどうなるか


平昌オリンピックの現場で繰り広げられたトランプ・ファミリーと金ファミリーの駆け引きの狭間で韓国・文大統領の南北融和策はどうなるのか。オリンピック不評で窮地にあった文大統領に北が南北統合チーム結成、美女軍団の派遣を提案してきた。IOCの動きもあってオリンピックは政治色を帯びた大会になった。

開会式前は北の金委員長が送り込んだ金与正さんは妹で実質NO2の人物だった。文・大統領は厚遇し金委員長の親書を携え特使だという。親書には「早期の訪朝」が要請されていたとメデイアは報道した。

一方、北朝鮮寄りの言動に危機を感じた米国は、これも政権のNO2と言われ娘であるイバンカさんを閉会式に派遣、「制裁強化でクギを刺した」というが詳細は報道されていない。

お互いに国内で事情を抱える金・ファミリーとトランプ・ファミリーのせめぎ合いの結果はどうなったか。

今後は文・大統領が南北融和でどういう政策を出していくかだ。そして南北融和策の内容がどの程度のものなのか。

北は金ファミリー体制、核開発、ミサイル開発の維持は手放せない。金王朝がクーデターなどで崩壊し海外へ逃避する事が無い限り、現体制での統一は不可能だ。

一時、海外逃亡は中国と言われていたが今は、ロシアの北極圏に近いリゾート地が確保されているという。

ロシアはソ連時代に北朝鮮での政権をどうするか決めなくてはならなかったときに金日成をトップに祭り上げた実績があり、南北統一では主導権争いに乗り出してくるのではないか。

核開発、ミサイル開発は金正恩委員長にとっては手放せない。手放せば負けたことになるのだ。親族より大事と言っていた。

一方、韓国にとっては南北融和はどうなのか。「思想より血の方が濃い」、統一は願っているだろうが、今の金体制では我慢できないだろう。

取り敢えずは南北交流、工業、観光産業で協力することになるのか。今は貧困にあえいでいるが鉱物資源は豊富という。カネさえあれば開発はできるだろう。でも共同開発と言っても何事かあれば閉鎖、取り上げられては南は納得いかないだろう。

エネルギーでも石炭が外貨稼ぎのトップになっているようだが石炭を輸出して石油を輸入する可笑しな格好になっている。石炭液化などカネがあれば使う技術はある。

安易な技術交流は金王朝を生き延びさせるだけで南北統一には問題がある。

南北融和は日本に執ってはどうか。

反日は高まるだろう。核も保有と言うことになると最悪の隣国事情になる。対話なんて言う専門家も多いが、対話できる相手ではないのではないか。金委員長と対話した海外の要人はいない。意外に交渉下手なのかも知れない。

朝鮮半島の南北統一は決して容易ではない。



存立危機事態とは:政権が外交上都合の良い事態を想定しているだけでは


自衛隊の集団的自衛権行使の前提になる「存立危機事態」は政権が外交上都合の良い事態を想定しているように思える。安倍政権が日米安保体制維持のために米国と連携強化し、今までは米国が日本を守るという一方的義務を、日米相互に安全を確保する行動を起こすことを前提にしているのではないか。

当然に、北の核・ミサイル開発、ミサイル発射の挑発行為、中国の尖閣諸島侵犯行為などを対象にしているのだろう。

憲法9条の政権解釈で合憲とされている集団的自衛権行使の前提条件に存立危機事態が出て来た。

密接な関係にある米国が攻撃された場合、日本の国民の生命、自由、幸せ追求の権利が脅かされ、覆される危険のある事態を想定しているのだ。

ところが現職自衛隊員が起こした安保関連法の「存立危機状態」でも防衛出動の命令に従う義務のないことを確認する裁判で政府の見解に「二枚舌」の疑いが出て来たのだ。

安倍政権は国会では弾道ミサイルの一撃で取り返しにつかない甚大な被害を受ける状態と言ってみたり、北のグアム攻撃で米国の抑止力、打撃力が欠如し日本の存立危機に至る事態という。

日本の安全を担っている米国が攻撃されたときの事を想定しているのだ。

一方で、裁判では現状下では存立危機が具体的に想定できる状況ではないと言い、裁判になる事態を回避しようとしている。

集団的自衛権行使はアメリカとの共同自衛行為を前提にしていることは明らかだ。

北が米国本土を攻撃できるミサイルの開発、配備を主張しているのだから実際に発射するかどうかは分からないが、「日本は知ったことではない」で済まされる問題ではない。政権を担っている為政者にとってはそれなりの対応をしなければならないと考えるのは当然だ。
今はそういう状況にはないが、今後は分からないと言うことだろう。

文・大統領は平昌オリンピックで金正恩委員長の提案で南北統一チーム構想にのめり込み南北融和策に出たが、金ファミリー、トランプファミリーの板挟みで苦境にも立っている。

専門家は取り敢えず4月の米韓合同演習が実施されるかどうかだという。北は軍事パレードでは4基のICBMも保持している。ミサイル発射は先にやった方が批難され、それこそ存立危機状態になる事は金委員長も分かっているはずだ。

識者、野党はそうならないように外交、対話で解決していくべきだと主張するだろうが他人の言うことを聞かない金委員長だ。文・大統領に早期の訪朝を懇願していたが、真意はどうか。金大中さんが訪朝して時は600億円というカネが流れた。日本から小泉さんが訪朝したときも裏金が使われたことは誰でも認めている。

全てがカネ次第の北の外交に「核・ミサイルなし」の外交などあり得ない。

2018年2月25日日曜日

専門家の予測は大丈夫か:2%物価目標に拘るか、出口に向かうか


日銀は異次元の金融政策継続の構えだが、2%物価目標に拘るか、出口に向かうか。専門家の予測は2分しているが大丈夫なのか。事は我々国民の生活の安定を担っているのだが正反対のことをやっても達成出来るのか。

2%物価目標達成に向け政府、日銀にアコードがある。政府は財政政策で、日銀は金融政策で目標達成を目指すと言うことらしい。このアコード論の見直しも必要と言う。

「出口戦略」論は今の日本経済は「緩やかな回復」で、景気も良いし、雇用も改善している。これ以上の経済状況は期待出来ないのではないか。今のうちに出口に向かい正常な金融政策に持っていく必要があるというのだ。

更にこのまま日銀が異次元の金融緩和を続けると副作用が大きくなる。国債市場に支障が出てくるし銀行経営も苦しくなっている。日銀が赤字国債を負っていることは財政ファイナンスで財政政策にも影響が大きすぎる。

でも出口戦略に向かうとなると、国債下落、金利上昇で設備投資、住宅ローンは減少し景気後退も危惧される。FRBが利上げのスペースをあげればドル高で円安になるだろう。

一方、2%物価目標達成論は、政府の財政出動で需要は創出でき達成出来るという。達成出来ていないのは消費税増税をやったためだという。

でも公共投資や成長分野への集中的投資の財政政策で本当に景気は良くなり税収増に結びつくのか。需要を喚起できなければ赤字の蓄積で国、地方の借金は1000兆円を超え対GDP比245%で先進国一悪いと言われているが、資産もあるので純債務は対GDP比140%で大丈夫という専門家もいる。

安倍政権もPBの黒字化時期を先送りした。これが将来不安に拍車をかけているのだ。

2%の物価目標達成したときの日本経済はどんな状況になっているのか。否、達成出来るのか。グローバルスタンダードと言うがIMFの専務理事は「2%も各国の事情により異なる」とダボス会議で言っていた。各国中銀は2%に拘らず緩和縮小に向かっている。

前の白川総裁の時は、「取り敢えず1%を目指し、達成出来たら次を狙う」と緩和な金融政策をとっていたが時の民主党政権、自民党は異論を唱え高い物価目標を要求した。日銀にはリフレ派を送り込み白川さんは任期を半年残して退陣した。

今、消費者物価上昇は1%にも達していない。白川総裁時の金融政策で良かったのではないか。

ところで今、心配するのは、それぞれの予測があっていいと思うのだが万一予測が外れて予期せぬ方向に経済が向かった場合にどういう対応策を持っているのか。P→D→C→Aサイクルを考えているのか。

それぞれ専門家の予測だ。いろんな情報を持って金融政策に効果のある政策を提案しているのだろうが意外に専門家の予測は当たらないのだ。「専門家の予測はサルより劣る」のだ。寧ろ素人は今日の状況から明日を予測するので専門家より素人の方が予測が当たっているというのだ(「専門家の予測はサルにも劣る」ダン・ガードナー著 飛鳥新社 2012.5)

私も素人だが、政府とは距離を置き日銀の矜持を示すときではないか。非伝統的金融政策から早めの出口戦略に期待する。

関連記事
2018.2.22掲載
異次元の量的/質的金融緩和:黒田総裁続投でどうなるか 吉と出るか凶とと出るか
yamotojapan.blogspot.jp/2018/02/blog-post_22.html



2018年2月24日土曜日

気になる記事:西友500品目値下げ、IOC東京五輪南北合同容認か


チョット気になる記事が見つかった。西友500品目値下げ(朝日新聞2918.2.23)、IOC東京五輪南北合同容認(読売新聞2018.2.23)だ。共に記事が小さいので見落とされがちだ。

物価が上がらずもだえる政府、日銀をよそ目に今度は西友が500品目の食品に平均7%の値下げをするという。更に今まで値下げをしないプライスロックキャンペーンをやっていたがこちらは6ヶ月間を3ヶ月に短縮する。これには1300品目が対象になるらしい。

一時、コンビニやイオンなど大手スーパーが値下げにイオンの会長は「脱デフレは大いなる幻想]とまで言ったことがある。その後値下げニュースは流れなかったが西友も後追いするらしい。

私たち低所得者にとってはニュースだ。社会保障費などの負担が多くなりエンゲル係数も上がってきた。先の国会で安倍総理は「エンゲル係数が高くなっているが・・」と野党から質問され妙な答えをしていた。分かっていなかったのだ。

しかし、何時も思うのだがスーパーの値下げで誰が犠牲になっているのか。生産者か、運送業者か、それともスーパー自体か。その辺が分からないので正直には喜べない。

特に農産物では安定供給を考えると生産者を犠牲にしてはいけない。日本は流通系統が複雑なので流通を簡素化しての値下げなら歓迎だ。

また、平昌オリンピックは南北融和を唱える文・大統領に北が米韓関係に楔を打ち込む目的で南北統一チーム、美女応援団を送り込んできた。人気が上がらないオリンピックが一躍政治問題で脚光を浴び、オリンピックに政治が絡むオリンピック憲章違反の疑いも出て来たが、IOCまで乗ってきた。

IOCバッハ会長はオリンピックを利用して南北統一を支援するとなればノーベル平和賞狙いではないかと私は感じた。

ところが、そのIOCは2020年の東京オリンピックでも南北合同チーム、合同後進を容認するというのだ。当然に北と韓国の政治的合意が前提だという。

チョット待った。次回のオリンピックは韓国ではなく東京なのだ。北は当然に日米関係に楔を打とうと韓国と合同で日本に提案してくるだろう事は容易に想像出来るが北との関係は難しい政治問題が絡んでいるのだ。

「スポーツに政治問題は絡めるな」ときれい事は言っていられない。拉致問題、核・ミサイル開発問題にからめた制裁強化策でどう整合性の取れる対応ができるか。

その時の政権の姿勢が問われる。

小さな記事に大きな問題が絡んでいるのだ。

関連記事
2018.2.13掲載
IOCバッハ会長はノーベル平和賞を狙っているのか

国会審議から:国民から遠ざかる安倍政権か


安倍総理の国会審議への姿勢が以前から問題になっていたが、今国会の憲法改正、働き方改革、佐川・前財務省理財局長問題で安倍総理のいい加減さが目立ってきた。野党議員の質問は国民を代弁しているという意識はなく、ゴタゴタが続き党内がまとまっていない事を馬鹿にしたような態度が見え見えだ。

圧倒的議席数を背景に緩んだ国会審議で安倍総理の勉強不足、弱点をさらけ出している。国民はこんな総理に国政を委託していることをどう思っているのか。

自民党内は安倍総裁3選に向け動いているようだが自民党議員に良識がなくなってきたのか。

憲法論争では逃げまくっている。

立憲民主党の山尾議員の「憲法9条2項を残したまま自衛隊を明記しても、自衛隊が違憲か合憲かの議論は残るのではないか」という趣旨の質問に安倍総理は「自民党や審査会に任せている」という趣旨の発言をして自分の考えを明確にしなかった。

憲法改正促進を読売新聞のインタビューで言いながら内容についての憲法論はないのだ。否、知らないのだろう。そこまでは考えていないのだ。

憲法改正は自民党の党是、押しつけられ憲法と岸信介さんの考えをオーム返しているだけなのだ。

要は、安倍総理は最初に憲法改正をやったという実績が欲しいだけで内容など2の次なのだ。

確かに未だ自民党案と言っても内容がはっきりしないし、憲法改正と言っても9条に自衛隊明記だけではない。国民審査に懸けるといっても条文毎に〇×を問うのか、一括改正での〇×になるのか。

万一否決されたときの責任は誰がとるのか。安倍総理は「否決されても責任はない」と言っていたが、最近伊吹さんが「責任は総理にある」と派閥の会合で言及した。当然だろう。
又、今国会の目玉政策である働き方改革での関連法案審議で厚生労働省のデータ捏造疑惑が明らかになった。

裁量労働制と一般労働で残業時間の違いを比較した資料で裁量労働の方が約30分短いデータを参考に安倍総理は「裁量労働の方が短いというデータもある」と言う趣旨の答弁をしていたが野党の質問で「調査した資料の条件が違っているにもかかわらずデータだけ比較した」と疑惑を追及され、安倍総理は謝罪する羽目になった。

安倍総理は厚生労働省のセイにする答弁をした。いつものことで失敗すれば官庁の責任なのだ。その後多数の不適切な資料が明るみになったが、法案撤回はせず裁量労働制の施行時期を1年先送りするらしい。

どういう理由があるか分からないが撤回はメンツの問題らしい。

そして森友疑惑に関して当時の財務省理財局長である前川・現国税庁長官は「資料は破棄して存在しない」と頑なに提出を渋っていた資料があかるみになった。

野党は前川さんの国会招致を要求するが政権は「現・理財局長が答えている」と政権は拒否する。確定申告の折で市民団体が国税庁(財務省)前ででも集会を開いたが、麻生財務相がこの集会に悪態をつく答弁をした。

「有能で適材適所」とした前川・国税庁長官に納税者が怒ったのだ。

安倍総理の奥さんについていた国家公務員の秘書はイタリア大使館に栄転し、国民の財産を格安で売却し損をもたらした前川さんは国税庁長官に栄転だ。国会でまともに事実を開示しないままに飛ばしてしまう政権の悪巧みには呆れかえるばかりだ。

そして森友の前理事長夫妻は昨年7月から拘置所に入ったまま長期の拘留が続く。証拠隠滅などを警戒しての処置だろう。私邸を競売にかけられた。

もう一つの疑惑である加計学園の新獣医学部の志願者は多いようだ。滑り止めか、要求が多いのか。結果は入学式で分かる。

こんな安倍総理が総裁3選を目指し活動しているらしい。

安倍総理を退陣させるのは国民投票で否決しかかないのか。

3月3日の財務省前集会には参加するぞ!

2018年2月23日金曜日

国内需要の創出:アメリカ式グローバリゼーションを止め日本社会を立て直せ


退屈で変わらないことが、経済成長の好ましい目標である。

「経済は復活の唯一の目標ではない。生活水準を向上させ、機会を創出し、人々が資源と計画を手に入れ、満足のいく暮らしを立てる手段だ。・・(中略)・・。経済は目的ではなく、奇跡の大勝でもない。奇跡的なくらい急激な成長を追求したために経済にとてつもない損害を与えインフレ、破綻、失業、分断を招いた例も多い。それよりも優れた目標、既にテクノロジーの先端に有り、教育水準の高い人々が多い、西洋各国に実行可能な唯一の目標は、不思議に平凡とでも言うような状態だ。

平凡を達成し、維持すると、すばらしいことが起きる。その理由は、経済成長の着実な積み重ねが、やがて国民全ての生活水準の向上につながり、長期にわたり政治的に望ましいレベルに福祉支援と公共投資を維持する財政が整うからだ。予想しやすい環境では人々も機構も計画を立て、それを続けていける。

以上の文章は「西洋の終わり」(ビル・エモット著、日本経済新聞 2017.7)の第11章「西洋の運命」ページ330に記述されている。西洋社会の復活を達成するには、どんな国、どんな政策も「開放性と権利の平等」という2つの指針を尺度に8つの原則に従わなければならないというその1つの原則である「7 退屈で変わらない事が、経済成長の好ましい目標である」というのだ。

日本は太平洋戦争でアメリカに負けたが、アメリカの支援を受け経済大国として復活した。しかし今、アメリカ式グロバリゼーションで企業経営は大きく変わり東南アジアの後進国と競争しなければならず、良き日本的経営も無視しなければならなくなった。日本社会は大きく変わったのだ。

ビル・エモットさんは更に言う「堅実な持続する成長は生活水準を上げ続け、衝撃と失政は生活水準を激しく下落させる」と。サッチャー主義は社会の緊張の原因となったし、アメリカと欧州で金融規制を怠ったためにリーマンショックが世界経済を酷い不調に陥れたのだ。一か八かの勝負はさけなければならない。オバマ大統領が言ったように「愚かなことはやってはいけない」という言葉が、先進国の経済政策の抱負であるべきだと(同上)。

日本経済復活のために安倍総理はアベノミクスの第1の矢「異次元の金融緩和」
策を継続、市場にジャブジャブお金を流している。北朝鮮の核・ミサイル開発の挑戦を受け近隣諸国の安全が脅かされているし軍事費は急騰している。

一方、グローバリゼーションでパイの奪い合いが始まっている。海外市場を目がけて輸出しか日本企業の生き残る術はなくなってきたが、「国内需要の創出」が喫緊の課題になってきている。

今までも前川レポート、21世紀版前川レポートで内需拡大が提言されてきたがいずれも失敗している。その要因は「企業の儲けを家計に再分配する」システムが出来上がっていなかったことらしい。

このことは残念ながら今も言えるのだ。

アベノミクスで経済が好転すれば企業は儲かり、家計に再分配し可処分所得が増えれば消費も増え税収増も期待出来る。でも企業は家計への再分配を渋っている。そのため政府は3%の賃上げを経済界に要求し、応じた企業には優遇税制で答えるとアメとムチだが、企業にはそれぞれ事情があるようだ。

消費の低迷は将来に対する不安が大きく影響しているとすれば、昔の良き日本式経営で日本社会の再構築が必要ではないか。

アメリカ式グローバリゼーションは止め高齢化社会、人口減に対峙しなければならない。

国内需要を創出し日本社会を再構築する。そんな政策課題を挙げる政党がないと言う事は難しいと言うことか。

2018年2月22日木曜日

異次元の量的・質的金融緩和:黒田総裁続投でどうなるか 吉と出るか凶と出るか 


どうなるか黒田総裁続投で異次元の量的質的金融緩和、吉と出るか、凶と出るか。私達の生活、物価の安定を守る日銀の総裁に黒田総裁続投になる。「2年で2%物価目標」達成も6回の先送りで目処も立たず。今ではマイナス金利で銀行経営は悪化、ETF(株の買い上げ)で官製相場を作り、買い入れている国債購入も限界に近づき市場には不安が広がっている。

非伝統的金融政策と言われていたが今では政策も手詰まり感が出て来た。

そして今回の黒田総裁と2人の副総裁の任期切れによる新人事は、黒田総裁続投、他の2人の副総裁人事は若田部・早大教授、雨宮・日銀理事だという。若田部さんはリフレ派で日銀に高い総合力を発揮できるように配慮したという。

でも黒田さん続投は、このまま金融政策に大きな変更はないというメッセージと共にアベノミクスの「第1の矢」の異次元の金融政策失敗の責任を安倍総理は黒田さんに押しつけたことと、出口戦略を口に出すことはアベノミクスの破綻である事を考えると「出口戦略に触れるな」という警告だろう。

欧州中央銀行は金融緩和縮小へ、FRBは金融政策正常化に向け利上げのペースを加速するのではないかとみられている。そんな状況下で何故、日銀だけが2%物価目標の拘るのか。

今年1月26日のダボス会議の会合で「インフレ目標2%は良いことなのか」という質問が飛びだしたそうだ。2%目標はグローバルスタンダードと言われていたがIMFのラガルト専務理事は「インフレ目標2%は国によって異なることもある」と2%未達でも緩和縮小の動きに同調した。

日本では安倍総理が民進党の前原さん(当時)の「2%の根拠?」という質問に「2,3,4%と専門家は数字を上げているが1番達成可能な2%にした」と答えていたことがある。2%に拘っているようだがその程度の根拠なのだ。

黒田さんも「物価統計にはバイアスがあるので若干プラスにしている。のり代だ」と大阪での講演会で講演したことがある。

でも私は思う。今は非伝統的異次元の金融政策と言われているように副作用に注目する専門家が出て来た。日銀の内部だって副作用に気づいているはずだ。
副作用が大きくならないうちに早めに出口戦略に移った方がいい。総裁や副総裁は責任をとって止めれば良いが国民生活はどうなるのか。選挙で安倍政権を
潰すしかないのだが・・。

メデイアも方針転換を主張する。

朝日新聞(2018.2.20)は波聞風問「ぬるま湯に浸り続ける日本」で景気はいいのに株が下落。原因は異常な金融政策にあると指摘、ぬるま湯に浸り続けるか、冷水を浴びても早く常識の世界に戻すかと問うている。2018.2.9の経済気象台「金融政策の正常化を」で金融機関の経営も揺らげば日本経済にゆゆしき問題だ。出口を模索する時期ではないかと主張している。

全く同感だ。日銀が今後市場とどう対話していくか。遅れれば遅れるほど対話も難しくなる。

ところで今回の人事を政府、野党、銀行、市場はどう見ているのか、新聞で探ってみた。

日銀の考え方は、極めて緩和的金融環境にあり企業業績も良く完全雇用の状況にある。中国経済の減速で金融市場も動揺、先行き不安感もあるが金利は低下し設備投資、住宅ローンを刺激しているが長期金利0%をいつまで続けるか課題であると言う。

でも今は政府と考えが対立する状況にはないが長期金利0%、非伝統的金融政策をいつまで続けるかが課題になる。

政府は黒田総裁を信認しているが、与党内での反安倍は財政政策、金融政策も方向転換の時期が来ていると見ている。野党は2年で2%を6回も先送りしている。財政ファイナンスの疑いも出てくると批判している。

銀行関係者は、マイナス金利は銀行経営にボデイブローで効いており導入前後では1兆3000億円のマイナスだ。年金生活者の暮らしにも影響する。先々問題は大きくなるだろうとみる。国債の運用利回りが悪化すると保険会社にも悪影響が出る。

市場関係者は当面の政策変更は無いと好意的だが、国債の発行残高の4割を占め、106円という円高だ。緩和にも限界説が出て来た。副作用にどう対応するか大きな課題だ。又デフレ意識が強固なことも考えるとアコード見直し論も出て来た。

日銀はこう言う市場の動きは把握済みだろう。問題は安倍政権がいつ、どんな判断を示すかだ。異次元の金融政策見直しは即、アベノミクス破綻だ。責任をとって退くときは黒田総裁、副総裁も同罪だ。

自民党総裁選に向け、石破さん、岸田さんは金融政策をどう考えているのか。今は憲法改正が目立つがこっちの方が国民生活に影響が大きいのだ(戦争に巻き込まれる危険も大きいが)。

2018年2月21日水曜日

景気が良いのに株価が下がる 何故だ


景気は良いのに株価が下がる。昨日の株価は22000円を切っているし、為替は106円97銭で大企業の想定為替を大きく上回っている。株価も高すぎるという専門家もいるが、何故従来の動きと違うのか。

恐らく要因はFRBと米国投資家の心理だろう。

賃金も上がり大幅減税で設備投資の動きも出て来て米国経済は好調だ。そこでFRBはインフレ懸念から利上げのペースを加速するだろうという投資家は見てドル高、輸出減で米国の景気は悪くなると考えNY株価が下がる。

当然にNYが下がれば東証株価も下がる。国内の経済指標に影響されているのではない。

しかし、黒田総裁が続投と言うことになれば市場は現状維持で安心するだろうが、株価は下がっている。でも日銀は出口戦略を検討しているはずだ。出口戦略が明らかになれば長期金利も上がり景気は悪くなり株価は下がる。

今後はFRB、日銀の金利政策の動向が為替、株価に大きく影響する。

働き方改革:誰のための法案? 労政審に戻し再審議を


安倍政権にとって今国会の目玉政策は「働き方改革」だと言うが、その関連法案が労働者のために過剰労働を禁止する法案と思っていたらその根拠がぐらついてきた。もう一度労政審に戻し徹底検証すべきではないか。

攻める野党は法案撤回、調査のやり直しを要求しているが、政権側は来月に回すと言い出した。

問題は新しく導入する「裁量労働制」は一般労働者に較べて労働時間がみじかいのは本当かと言うことだ。

安倍総理は野党の質問に「一般労働者より短いというデータもある」と答えたがそのデータの根拠が曖昧になり撤回謝罪したのだ。勢いづいた野党が法案の撤回を要求する。

厚生労働相もデータ作成の不備を認め謝罪した。

政権は裁量労働の方が一般労働者より労働時間は短いと主張したかったのだろうが、逆に裁量労働者の方が一般労働者に較べ労働時間が長いという「労働政策研究・研究機構」の調査結果があるのだ。

安倍総理もその調査結果の説明を受けていたが、答弁には触れなかったのだ。

詰まるところ自分の主張する論理に都合の良いデータを使い、都合の悪いデータは無視したのだ。当然のことながら良くやる手だ。やり過ぎると「捏造」になる。

安倍総理は厚生労働省の責任、予め労政審で審議され了承されており「お墨付きを得ている」ことを主張する。

確かに労政審で審議を通っていたのだろうが安倍政権が多用する審議会もいい加減な審議をしている。御用学者、知識人を集めた審議会で役所が作成した資料をみて簡単な意見交換で了解されてしまう。労政審だから国民やメデイアの目につくことは滅多なことではない。

過剰労働で体調を崩したり自殺者が多く出ている社会現象に歯止めをかけようとする重要な法案だ。労働者にとっても事業者にとってもメリットのある法案にしなければならないのに検討が不十分では目玉政策を急ぐ政権の稚拙な国会運用だ。


2018年2月20日火曜日

2030年、中国が覇者?:経済はトップになっても政治体制に魅力なしか


2030年頃、中国が経済で米国を抜いて世界の覇者になる? でも経済でトップになっても、その政治体制では不協和音か。IMFの専務理事がIMFの本部がワシントンから北京に移る日が来るかも知れないとコメントしていたが最近の中国に関する経済状況でその根拠がはっきりしてきた。

中国の発表する経済指標には信憑性で問題があると思っていた。先進国の成長率が2~3%であるのに中国は6.7%で異常に高い。でも信じるしかないのだ。

今、メデイアで発表されている予測では、2030年には米国を抜いて世界のトップに出、2035年に中国は世界のGDPの30%を占める。IMFの本部は最大出資国に置くことになっているので10年後にはワシントンから北京へ移る可能性が出て来たのだ。

世界の2016年名目GDP、2017年予測を検索してみた。

 アメリカ 2016年18624.45(10億ドル)、2017年予測20493(10億ドル)、以下同様に中国 11232,12633,日本 4936,57600だ。私が学生の頃は日本とアメリカは倍半分の関係にあったが今は約4倍になっている。日本が長期停滞していたためか。

世界のGDPにしめる割合を見ると

中国 18%(2016年)、20%(2021年)、同様に日本 4%、3.6%、アメリカ 16%、14%だ。長期予測では中国だけが伸びることになっている。

これで行くと約20年後の中国の30%もウソではなさそう。他の先進国は縮小しているのだ。ある予測では2027年前後には世界最大の経済大国になるとみられている。

1人当たりのGDPも2016年8113ドル、2020年12000ドル、2035年には20000ドルを超え中所得国からの脱皮を目指すとも言う。

でも経済大国になっただけでは世界を牛耳ることはできない。

2050年までに「社会主義近代化強国」を目指す。共産党一党独裁を維持しながら近代化国家を目指すので統制も強化され市場経済を阻害する危険があるのだ。最近外資系企業に「党の方針を経営に」と要求していることからも分かる。

中国は共産主義を標榜する独裁国家で「北京コンセンサス」が盛んにもてはやされているが模倣する国はない。

一帯一路など中国の戦略を採用する国はあるが中所得国以下で、中国のカネで経済成長を狙っている。後進国の港は中国のカネで開発がなされているが、借金が払えなければ港周辺の開発地域は中国の領土になる。99年後の世界地図には中国の飛び地が出来るのだ。

一方、中国社会を見ると厳しさが迫っている。

高齢化が進んでいる。2025年には14.5%の高齢化社会、2036年には21%の超高齢化社会だ。予測通りの経済成長は望めないのではないか。人口も2050年の14億人をピークに減少に転じるとみられている。

2050年、中国は興隆するだろう。しかし北京語が英語に変わる事はないし、科学者が世界をリードすることもない。

中国の元も基軸通貨にはならない。売り込み先は中所得国だし、金融市場は成熟なし、法の支配、民主主義もない。

経済大国になる可能性は大きいようだが、世界を牛耳ることはできない。カネにモノを言わせて世界の安泰をかき回す事ぐらいだ。

今の政治制度ではついていく国はないのだ。



2018年2月19日月曜日

憲法9条自衛隊明記:政府解釈で「合憲」を憲法で「合憲」にするのか


安倍総理は憲法9条2項に自衛隊を明記することを提案し、今まで政府解釈で自衛隊を「合憲」としていたのを堂々と憲法で「合憲」とするつもりらしいが野党から解釈上疑問が出ることを予算委員会で指摘、かえって野党が結集する動きになったとメデイアは言う。

ただ、安倍総理は2項の「戦力の不所持」を残したままで自衛隊を明記すると言うが、どんな表現になるのか未だ分からない。だから正確にどう解釈できるのか分からないのだ。

更に自民党案を提案するらしいが自民党案では過去に2項を削除し「国防軍を置く」と言うことになっていたがその点をどうするのか。石破さんはこの点を問うているのではないか。今の自衛隊の実力は戦力なのだからこっちの方がはっきりする。

「戦力の不所持」を残せば自衛隊は違憲、「自衛隊を明記」すれば自衛隊は「合憲」となるが、後から加えられた条項が優先解釈されるので自衛隊は合憲で決着を付けるのか。

更に憲法改正案では9条以外に追加される条文が公開されている。問題は国民投票に一括提案なのか、個別に条文毎に〇、×表示にするのか。個別条文毎に信を問うのであれば憲法9条改正の是非がはっきりするが、一括提案だと国民の信が分からない。

特に、国民投票で否決されたら自衛隊は違憲となるのか。

通常の考えでは「自衛隊は違憲」となるが、安倍総理は政府の憲法解釈を「自衛隊を合憲」とする従来の考えを変えるつもりはないと言う。そうすると、今のままでは憲法9条改正は反対が多く国民を二分してまで国民投票に懸ける必要はないと思うのだが。

安倍総理は「憲法改正は自民党の党是」といい、自分の手で改正したいらしい。内容はどうであれ「自分の手ではじめて改正した」という実績を安倍総理は欲しいだけだ。

安倍総理の功名心だけで混乱を招くようなことがあってはならない。政権与党内でもしっかり検討すべきだ。

2018年2月17日土曜日

今日の新聞を読んで(135):日銀・黒田総裁続投、これしか選択肢はなかったのだ


日銀総裁人事案が提示され、黒田総裁続投が決まりそうだが、安倍総理にとってはこれしか選択肢はなかったのだ。2人の副総裁人事は早稲田大の若田部教授と日銀の雨宮理事だ。若田部さんはリフレ派だが極端な立場ではなさそうだ。

市場もリフレ派が占めることで大きな変化はなく安心感を持ったのだろう。

しかし、黒田総裁も厳しい立場に置かれる。

FRBは利上げのタイミングを狙っているし欧州中央銀行も出口戦略を検討している。そんな中で「2%物価目標」達成まで異次元の金融緩和策を継続する日銀は厳しい立場に置かれることは確かだ。

異次元の金融緩和策の出口戦略を口にしようものなら即、アベノミクスの破綻になり安倍政権の基盤は崩れる。安倍総理が黒田総裁を信任していることは、即「出口戦略を口にするな」と言うことだ。

このまま「2%物価目標」を掲げても達成は無理だろう。FRBは米国内のインフレ懸念から利上げのペースを上げるかも知れない。ドル安は円高になり株価も下落の心配がある。既に為替は106円台で大企業の想定為替の109円台を越えて円高だ。業績の心配が出て来ている。

株安はアベノミクスの成果をも否定することになる。どっち道、安倍総理にとっては3選も危うくなり、アベノミクスの見直しを掲げた総裁候補が出てくるだろう。

そうなると安倍総理の手段は黒田総裁に責任をとらせるしかないのだ。

黒田総裁の続投はアベノミクスの主要政策課題である異次元の金融政策の責任をとらせ、安倍総理は生き延びようとする手段なのだ。黒田総裁もそのことは覚悟しての続投なのだろう。

2018年2月16日金曜日

今日の新聞を読んで(134):小選挙区制で国会は民意を反映する場になっているか


小選挙区比例代表制で国会は民意を反映している場と言えるのか。政党の獲得票率51%でも議席獲得率は75%になる異常性が目立つ。政権交代を可能にする選挙制度として導入され今まで自民党から民主党、そして約3年後のまた民主党から自民党へ。2回の政権交代を経験した。

期待された民主党政権は寄り合い世帯で内紛、権力争いが絶えず、おまけに3.11東日本大震災という未曾有の非常事態への対応の未熟さを露呈し、口を開けば「いつ解散か」の政局になった。

その後再び政権の座についた安倍政権も傲慢な政権運営、疑惑まみれな政権に活を入れようとするも野党の不甲斐なさもあって政権交代まで持っていくことができない。ポスト安倍不在の安倍一強独裁政権が更に3年延長する事態も出て来た。

打倒安倍政権という状況でも選挙となると自民党が議席を独占する状況だ。

当然に小選挙区比例代表制の弊害が議論されることになる。朝日新聞(2018.2.14)「小選挙区制 見つめ直し動き」で小林良彰・慶大教授、建林正彦京大教授、砂原庸介神戸大教授らが考えを述べている。

私自身は政党本位の現制度よりも以前の人物本位の中選挙区制がいいと思っている。国民の政治に対する要望も多様化しているためだが、政党数も多数で「政権交代」は余程のことができない限り不可能かも知れない。ただ死票は少なくなる。

でも現・小選挙区比例代表制も見直しすれば何とかなるらしい。

小選挙区制は多数決型民主政治で死票が増える。政党が多いため得票率が50%以下でも当選し25%以下の民意と言う事になる。だから比例代表制にしろというのだ。合意形成型の政治になるが多党化が進めば「決められる政治ができるか」と言うことになるらしい。

もう一つは衆院、参院、地方選で異なる選挙制度になっている。衆院は政党本位の政治、地方は候補者個人本位になっている。そこで参院も地方も政党本位に統一すべきだというのだ。そうすれば全体が政党本位の政治になってくるというのだ。

折角、選挙制度を変えたのだから30年は続けるべきだという意見もある。そこでフランス型の「2回投票制」を導入したらどうかというのだ。1回で50%を取れなかったら決戦投票する事によりポピュリズムの横行に歯止めをかけようというのだ。

今、テレビは情報番組が謳歌している。毎日毎日同じ内容の政治状況が流されればどうしても「風」が吹く。どこかのメデイアが言い出せば同じ「風」が吹く。今まで我が国の2回の政権交代は「風」に煽られた。

しかし、今は野党がだらしないままだ。2大政党制など夢物語となれば中選挙区制に戻した方がいいと思うのだが。そうすれば小選挙区で落選した候補者が比例代表制で復活する事などあり得ない。

一度落選した議員に民意を託することが出来るのか。 


15日、株価2140円台,+300円:投資家の恐怖心が減り買い戻しが続くか

2月15日、11時の東京証券取引所

15日、子ども達を連れて東京証券取引所を見学した。最近大きな動きがあったが15日11時頃は株価21457円36銭、+303.19円だ。300円前後で値動きしていた。終値をネットで調べたら21464.98円、+310.81円だった。

為替も106.56~57円で円高傾向、麻生財務相は介入の意思のないことを表明していたので安心して安全資産である円買いが続いているのか。円高になれば株安の傾向になるが株は堅調と言う事か。

それでも今回の株の暴落は、NY株が1000ドル下落で始まり東証の1000円下落の乱高下を見せつけた。

原因は米国経済の景気拡大、賃金上昇でインフレ懸念が立ちFRBが利上げペースを加速するのではないかとVIXが40まで上がり投資家は一斉にコンピューター取引で売りに出て大きく下落させた。

コンピューターのアルゴリズムで大量の売り買いが一瞬で出来るのだから下げ幅も大きい。

一時、規制が考えられていたが、対策はされなかったのか。

結局、「株価は何で動きのか」というと投資家の損失を最小限にするコンピューター・アルゴリズムのせいだ。政界経済、企業を育てようとする意思など全然ない。

下がりすぎると儲けようと買い戻しが始まる。下落する時は大きいが、買い戻しは小幅なのは投資家がまだ警戒しているせいか。

15日は東証で外資系の不動産投資法人が上場してホールではイベントの最中だった。

株安になれば安倍政権も困るらしい。アベノミクスで株高になったと主張しているからだ。そんな事は無い。当時の日本経済は株安、円高で困っていたのは確かだが、投資家は行く行くは日本がターゲットと見ていたのは確かだ。アベノミクスでなくても株高にはなっていたのだ。世界の投資家は安倍総理の評価を歪曲した。

2018年2月14日水曜日

今日の新聞を読んで(133):次もやっぱり総理は疑惑だらけの安倍さんか


何でこうも安倍さんの総理が続こうとしているのか。次もやっぱり疑惑だらけの安倍政権が続く結果を読売新聞の世論調査が示した。自民の次期総裁に安倍さん32%、小泉さん25%、石破さん21%という。自民党支持層だけでは安倍さんが断トツで57%、他は16~17%。反自民層では安倍さんは2%、他は32~33%で安倍さん嫌いだ。

自民党総裁選は国民の人気よりも中央での権力の方が効く。だから次も安倍さんなのだろう。出馬宣言の時期を延ばしているのも自信の表れか。

国会審議やメデイアでこれだけ疑惑を追及、報じられている総理も稀だ。本来なら辞任しているはずだが生き延びているのは自民党内でNO2が見当たらないことと野党のだらしなさだろう。議席数にモノを言わせて国会運営も自民党の言いなりだ。

対立候補(?)とも思われる岸田さんは禅譲に期待、「でるぞ」と吠えている野田さんや河野さんも官邸は票が割れので安倍さんに有利とみて立候補を推奨する。

万年総裁候補で終わらせてはいけない石破さんも派閥人数は20人ギリギリ、他からの推薦者を集めなければならない。派閥嫌いで結成が遅れていた弊害が出て来たのか。弱小派閥に甘んじている。

ところで自民党の派閥はどうなっているのか。額賀派は総裁候補が出ていないので派閥の存続を懸け会長の交代があるらしい。

麻生さんは大宏池会構想を持って派閥拡張に動いている。岸田派との合流もあるらしい。

最大派閥の細田派は安倍総裁を要して権力を手中しているようだが安泰なのか。各派閥がポスト安倍を睨んで動いているのだ。決して安倍さんが評価されている訳ではない。

小泉さんの時は、「私に反対する者は抵抗勢力」「自民党をぶっ壊す」発言はポピュリズムで大いに人気を得た。今まで自民党を牛耳ってきた野中さんなど重鎮は黙ってしまった。カネを集めても国鉄など採算の悪い部門に投資する郵便預金などを廃止するために郵政民営化を推し進め反対する自民党員は離党した。

「自民党をぶっ壊す」と豪語していたがぶっ壊すことはしなかった理由を「自民党は変わった。ぶっ壊す必要は無くなった」と言ったことには驚いた。最初からぶっ壊す事など考えていなかったのだ。

そして、組閣の度に派閥の力を削いでいった。安倍さんも同じ手法を使っている。

安倍さんに近づく人材、ポスト安倍を狙いそうな人材は入閣させ、閑職に追いやったりでその力を削ぐ手段に出た。刃向かうと冷や飯を食わされる恐怖を抱かせたのだ。

でもお友達、都合の良い組閣は問題をはらんでいた。第一次安倍内閣は潰れ、第2次安倍内閣でもお友達内閣は続くが組閣の度に人材不足をさらけ出している。

一方、河野さんや野田さんを入閣させ反安倍にも寛大な姿勢を示したようだが総裁選には立候補すると発言された。

安倍さんの傲慢な政権運営は野党のだらしなさが影響している。

内紛ゴタゴタが絶えなかった民進党は、ポピュリズムで出て来た小池さんに乗っかって分裂騒ぎになり希望、立憲民主そして民進と三つどもえで再編の動きを起こしている。

自民党安倍政権の推し進める憲法改正、安保法制で肝心の所で野党がまちまちな行動をしているのだ。これじゃ参院選も自民党の一人勝ちだ。選挙ではうまく「争点隠し」で勝ち進んでいる。

憲政史上まれに見る森友疑惑での安倍総理夫婦揃っての疑惑事件も自民党の圧倒的多数の議席では国会追求も思うように行かない。参考人、証人喚問は当然と思うが野党の要求に自民党は盾になって安倍総理夫妻を守っている。

「いい加減にしろ 安倍総理」と言いたいところだ。
もう安倍総理には飽きたぞ。



2018年2月13日火曜日

IOC・バッハ会長はノーベル平和賞を狙っているのか


IOCのバッハ会長はノーベル平和賞受賞を狙っているのか。IOCは今回の平昌オリンピックで朝鮮半島南北統一への布石として南北統一チーム構想を強力に後押し、北と文・大統領の政治的駆け引きの中にオリンピックを引きずりこんだ。オリンピック憲章は何なのか疑問が出てくる。

核開発、ミサイル開発で朝鮮半島、近隣諸国への危機が叫ばれている北朝鮮の挑発行為を止めさせることができれば世界平和に向けての大きな一歩である事は誰が見ても分かる。

13日の新聞で北朝鮮のオリンピック委員会の招聘でバッハ会長が訪朝を検討しているという。五輪精神は「敬意、対話、理解]とも言う。

北朝鮮が核、ミサイル開発を放棄し米朝対話の席に着けば南北融和、統一へ第一歩を築く事ができる。それをIOCが中に立って推進出来ると言うのか。

それとも政治的に南北統一は難しいがスポーツなら先行することができるとでも言うのか。そこに政治が関わってこないのか。

IOCバッハ会長がノーベル平和賞を受賞したとしたら東京オリンピックはどうなるか。日本政府、東京都が苦しむ局面が目に浮かぶ。

2018年2月12日月曜日

ほど遠い南北統一か:北の大物特使に振り回された南の文・大統領か


こんな事では朝鮮半島の南北統一にはほど遠い。今回の金与正さんという北の大物特使に振り回された南の文・大統領の姿を見た。メデイアや必要以上に金与正さんの挙動に注目した。時々笑顔になるが冷淡さ丸出しだ。

北の目的は、経済制裁に困窮し何とか南の援助が欲しい北が「大変だから助けてくれ」のメッセージを親書で送ったことになる。平壌での南北首脳会談で日米韓の関係に楔を打とうとしているのだろう。

一方の文・大統領は人気の低い平昌オリンピックに勢いを付けたいし、同胞の南北融和は政権の課題でもある。人道的立場で北の苦境を助けたいところだろう。

まず、第一段階として同一のテーブルにつくことだろう。それが平壌での首脳会談になる。

でも南が抱えている難題が山積している。

今回は話題に上らなかったようだが核ミサイル開発だ。北は止めるつもりはない。南は半島の危機を防止するためにも中止させたい。

特に米国、日本、中国が北の各ミサイル開発に反対している。重要な米韓関係をどうするつもりか。

文・大統領は「環境を整えて」と言ったそうだが、北には米朝会談を訴えている。まず、北が米国とテーブルにつけというのだろうが各ミサイル開発の中止が前提条件では無理だろう。北の金正恩委員長は核ミサイルを親族よりも大事と言っていたではないか。

更には南北統一では北に中国、ロシア、南に米国など利権争い、主導権争いの種が尽きない。民主的資本主義国家と独裁的社会主義国家とは水と油の関係だ。

「血は思想より濃い」が南北統一は何時になるのか。