安倍政権にとって今国会の目玉政策は「働き方改革」だと言うが、その関連法案が労働者のために過剰労働を禁止する法案と思っていたらその根拠がぐらついてきた。もう一度労政審に戻し徹底検証すべきではないか。
攻める野党は法案撤回、調査のやり直しを要求しているが、政権側は来月に回すと言い出した。
問題は新しく導入する「裁量労働制」は一般労働者に較べて労働時間がみじかいのは本当かと言うことだ。
安倍総理は野党の質問に「一般労働者より短いというデータもある」と答えたがそのデータの根拠が曖昧になり撤回謝罪したのだ。勢いづいた野党が法案の撤回を要求する。
厚生労働相もデータ作成の不備を認め謝罪した。
政権は裁量労働の方が一般労働者より労働時間は短いと主張したかったのだろうが、逆に裁量労働者の方が一般労働者に較べ労働時間が長いという「労働政策研究・研究機構」の調査結果があるのだ。
安倍総理もその調査結果の説明を受けていたが、答弁には触れなかったのだ。
詰まるところ自分の主張する論理に都合の良いデータを使い、都合の悪いデータは無視したのだ。当然のことながら良くやる手だ。やり過ぎると「捏造」になる。
安倍総理は厚生労働省の責任、予め労政審で審議され了承されており「お墨付きを得ている」ことを主張する。
確かに労政審で審議を通っていたのだろうが安倍政権が多用する審議会もいい加減な審議をしている。御用学者、知識人を集めた審議会で役所が作成した資料をみて簡単な意見交換で了解されてしまう。労政審だから国民やメデイアの目につくことは滅多なことではない。
過剰労働で体調を崩したり自殺者が多く出ている社会現象に歯止めをかけようとする重要な法案だ。労働者にとっても事業者にとってもメリットのある法案にしなければならないのに検討が不十分では目玉政策を急ぐ政権の稚拙な国会運用だ。
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