2018年2月16日金曜日

今日の新聞を読んで(134):小選挙区制で国会は民意を反映する場になっているか


小選挙区比例代表制で国会は民意を反映している場と言えるのか。政党の獲得票率51%でも議席獲得率は75%になる異常性が目立つ。政権交代を可能にする選挙制度として導入され今まで自民党から民主党、そして約3年後のまた民主党から自民党へ。2回の政権交代を経験した。

期待された民主党政権は寄り合い世帯で内紛、権力争いが絶えず、おまけに3.11東日本大震災という未曾有の非常事態への対応の未熟さを露呈し、口を開けば「いつ解散か」の政局になった。

その後再び政権の座についた安倍政権も傲慢な政権運営、疑惑まみれな政権に活を入れようとするも野党の不甲斐なさもあって政権交代まで持っていくことができない。ポスト安倍不在の安倍一強独裁政権が更に3年延長する事態も出て来た。

打倒安倍政権という状況でも選挙となると自民党が議席を独占する状況だ。

当然に小選挙区比例代表制の弊害が議論されることになる。朝日新聞(2018.2.14)「小選挙区制 見つめ直し動き」で小林良彰・慶大教授、建林正彦京大教授、砂原庸介神戸大教授らが考えを述べている。

私自身は政党本位の現制度よりも以前の人物本位の中選挙区制がいいと思っている。国民の政治に対する要望も多様化しているためだが、政党数も多数で「政権交代」は余程のことができない限り不可能かも知れない。ただ死票は少なくなる。

でも現・小選挙区比例代表制も見直しすれば何とかなるらしい。

小選挙区制は多数決型民主政治で死票が増える。政党が多いため得票率が50%以下でも当選し25%以下の民意と言う事になる。だから比例代表制にしろというのだ。合意形成型の政治になるが多党化が進めば「決められる政治ができるか」と言うことになるらしい。

もう一つは衆院、参院、地方選で異なる選挙制度になっている。衆院は政党本位の政治、地方は候補者個人本位になっている。そこで参院も地方も政党本位に統一すべきだというのだ。そうすれば全体が政党本位の政治になってくるというのだ。

折角、選挙制度を変えたのだから30年は続けるべきだという意見もある。そこでフランス型の「2回投票制」を導入したらどうかというのだ。1回で50%を取れなかったら決戦投票する事によりポピュリズムの横行に歯止めをかけようというのだ。

今、テレビは情報番組が謳歌している。毎日毎日同じ内容の政治状況が流されればどうしても「風」が吹く。どこかのメデイアが言い出せば同じ「風」が吹く。今まで我が国の2回の政権交代は「風」に煽られた。

しかし、今は野党がだらしないままだ。2大政党制など夢物語となれば中選挙区制に戻した方がいいと思うのだが。そうすれば小選挙区で落選した候補者が比例代表制で復活する事などあり得ない。

一度落選した議員に民意を託することが出来るのか。 


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