2018年2月20日火曜日

2030年、中国が覇者?:経済はトップになっても政治体制に魅力なしか


2030年頃、中国が経済で米国を抜いて世界の覇者になる? でも経済でトップになっても、その政治体制では不協和音か。IMFの専務理事がIMFの本部がワシントンから北京に移る日が来るかも知れないとコメントしていたが最近の中国に関する経済状況でその根拠がはっきりしてきた。

中国の発表する経済指標には信憑性で問題があると思っていた。先進国の成長率が2~3%であるのに中国は6.7%で異常に高い。でも信じるしかないのだ。

今、メデイアで発表されている予測では、2030年には米国を抜いて世界のトップに出、2035年に中国は世界のGDPの30%を占める。IMFの本部は最大出資国に置くことになっているので10年後にはワシントンから北京へ移る可能性が出て来たのだ。

世界の2016年名目GDP、2017年予測を検索してみた。

 アメリカ 2016年18624.45(10億ドル)、2017年予測20493(10億ドル)、以下同様に中国 11232,12633,日本 4936,57600だ。私が学生の頃は日本とアメリカは倍半分の関係にあったが今は約4倍になっている。日本が長期停滞していたためか。

世界のGDPにしめる割合を見ると

中国 18%(2016年)、20%(2021年)、同様に日本 4%、3.6%、アメリカ 16%、14%だ。長期予測では中国だけが伸びることになっている。

これで行くと約20年後の中国の30%もウソではなさそう。他の先進国は縮小しているのだ。ある予測では2027年前後には世界最大の経済大国になるとみられている。

1人当たりのGDPも2016年8113ドル、2020年12000ドル、2035年には20000ドルを超え中所得国からの脱皮を目指すとも言う。

でも経済大国になっただけでは世界を牛耳ることはできない。

2050年までに「社会主義近代化強国」を目指す。共産党一党独裁を維持しながら近代化国家を目指すので統制も強化され市場経済を阻害する危険があるのだ。最近外資系企業に「党の方針を経営に」と要求していることからも分かる。

中国は共産主義を標榜する独裁国家で「北京コンセンサス」が盛んにもてはやされているが模倣する国はない。

一帯一路など中国の戦略を採用する国はあるが中所得国以下で、中国のカネで経済成長を狙っている。後進国の港は中国のカネで開発がなされているが、借金が払えなければ港周辺の開発地域は中国の領土になる。99年後の世界地図には中国の飛び地が出来るのだ。

一方、中国社会を見ると厳しさが迫っている。

高齢化が進んでいる。2025年には14.5%の高齢化社会、2036年には21%の超高齢化社会だ。予測通りの経済成長は望めないのではないか。人口も2050年の14億人をピークに減少に転じるとみられている。

2050年、中国は興隆するだろう。しかし北京語が英語に変わる事はないし、科学者が世界をリードすることもない。

中国の元も基軸通貨にはならない。売り込み先は中所得国だし、金融市場は成熟なし、法の支配、民主主義もない。

経済大国になる可能性は大きいようだが、世界を牛耳ることはできない。カネにモノを言わせて世界の安泰をかき回す事ぐらいだ。

今の政治制度ではついていく国はないのだ。



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