どうなるか黒田総裁続投で異次元の量的質的金融緩和、吉と出るか、凶と出るか。私達の生活、物価の安定を守る日銀の総裁に黒田総裁続投になる。「2年で2%物価目標」達成も6回の先送りで目処も立たず。今ではマイナス金利で銀行経営は悪化、ETF(株の買い上げ)で官製相場を作り、買い入れている国債購入も限界に近づき市場には不安が広がっている。
非伝統的金融政策と言われていたが今では政策も手詰まり感が出て来た。
そして今回の黒田総裁と2人の副総裁の任期切れによる新人事は、黒田総裁続投、他の2人の副総裁人事は若田部・早大教授、雨宮・日銀理事だという。若田部さんはリフレ派で日銀に高い総合力を発揮できるように配慮したという。
でも黒田さん続投は、このまま金融政策に大きな変更はないというメッセージと共にアベノミクスの「第1の矢」の異次元の金融政策失敗の責任を安倍総理は黒田さんに押しつけたことと、出口戦略を口に出すことはアベノミクスの破綻である事を考えると「出口戦略に触れるな」という警告だろう。
欧州中央銀行は金融緩和縮小へ、FRBは金融政策正常化に向け利上げのペースを加速するのではないかとみられている。そんな状況下で何故、日銀だけが2%物価目標の拘るのか。
今年1月26日のダボス会議の会合で「インフレ目標2%は良いことなのか」という質問が飛びだしたそうだ。2%目標はグローバルスタンダードと言われていたがIMFのラガルト専務理事は「インフレ目標2%は国によって異なることもある」と2%未達でも緩和縮小の動きに同調した。
日本では安倍総理が民進党の前原さん(当時)の「2%の根拠?」という質問に「2,3,4%と専門家は数字を上げているが1番達成可能な2%にした」と答えていたことがある。2%に拘っているようだがその程度の根拠なのだ。
黒田さんも「物価統計にはバイアスがあるので若干プラスにしている。のり代だ」と大阪での講演会で講演したことがある。
でも私は思う。今は非伝統的異次元の金融政策と言われているように副作用に注目する専門家が出て来た。日銀の内部だって副作用に気づいているはずだ。
副作用が大きくならないうちに早めに出口戦略に移った方がいい。総裁や副総裁は責任をとって止めれば良いが国民生活はどうなるのか。選挙で安倍政権を
潰すしかないのだが・・。
メデイアも方針転換を主張する。
朝日新聞(2018.2.20)は波聞風問「ぬるま湯に浸り続ける日本」で景気はいいのに株が下落。原因は異常な金融政策にあると指摘、ぬるま湯に浸り続けるか、冷水を浴びても早く常識の世界に戻すかと問うている。2018.2.9の経済気象台「金融政策の正常化を」で金融機関の経営も揺らげば日本経済にゆゆしき問題だ。出口を模索する時期ではないかと主張している。
全く同感だ。日銀が今後市場とどう対話していくか。遅れれば遅れるほど対話も難しくなる。
ところで今回の人事を政府、野党、銀行、市場はどう見ているのか、新聞で探ってみた。
日銀の考え方は、極めて緩和的金融環境にあり企業業績も良く完全雇用の状況にある。中国経済の減速で金融市場も動揺、先行き不安感もあるが金利は低下し設備投資、住宅ローンを刺激しているが長期金利0%をいつまで続けるか課題であると言う。
でも今は政府と考えが対立する状況にはないが長期金利0%、非伝統的金融政策をいつまで続けるかが課題になる。
政府は黒田総裁を信認しているが、与党内での反安倍は財政政策、金融政策も方向転換の時期が来ていると見ている。野党は2年で2%を6回も先送りしている。財政ファイナンスの疑いも出てくると批判している。
銀行関係者は、マイナス金利は銀行経営にボデイブローで効いており導入前後では1兆3000億円のマイナスだ。年金生活者の暮らしにも影響する。先々問題は大きくなるだろうとみる。国債の運用利回りが悪化すると保険会社にも悪影響が出る。
市場関係者は当面の政策変更は無いと好意的だが、国債の発行残高の4割を占め、106円という円高だ。緩和にも限界説が出て来た。副作用にどう対応するか大きな課題だ。又デフレ意識が強固なことも考えるとアコード見直し論も出て来た。
日銀はこう言う市場の動きは把握済みだろう。問題は安倍政権がいつ、どんな判断を示すかだ。異次元の金融政策見直しは即、アベノミクス破綻だ。責任をとって退くときは黒田総裁、副総裁も同罪だ。
自民党総裁選に向け、石破さん、岸田さんは金融政策をどう考えているのか。今は憲法改正が目立つがこっちの方が国民生活に影響が大きいのだ(戦争に巻き込まれる危険も大きいが)。
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