2018年2月25日日曜日

専門家の予測は大丈夫か:2%物価目標に拘るか、出口に向かうか


日銀は異次元の金融政策継続の構えだが、2%物価目標に拘るか、出口に向かうか。専門家の予測は2分しているが大丈夫なのか。事は我々国民の生活の安定を担っているのだが正反対のことをやっても達成出来るのか。

2%物価目標達成に向け政府、日銀にアコードがある。政府は財政政策で、日銀は金融政策で目標達成を目指すと言うことらしい。このアコード論の見直しも必要と言う。

「出口戦略」論は今の日本経済は「緩やかな回復」で、景気も良いし、雇用も改善している。これ以上の経済状況は期待出来ないのではないか。今のうちに出口に向かい正常な金融政策に持っていく必要があるというのだ。

更にこのまま日銀が異次元の金融緩和を続けると副作用が大きくなる。国債市場に支障が出てくるし銀行経営も苦しくなっている。日銀が赤字国債を負っていることは財政ファイナンスで財政政策にも影響が大きすぎる。

でも出口戦略に向かうとなると、国債下落、金利上昇で設備投資、住宅ローンは減少し景気後退も危惧される。FRBが利上げのスペースをあげればドル高で円安になるだろう。

一方、2%物価目標達成論は、政府の財政出動で需要は創出でき達成出来るという。達成出来ていないのは消費税増税をやったためだという。

でも公共投資や成長分野への集中的投資の財政政策で本当に景気は良くなり税収増に結びつくのか。需要を喚起できなければ赤字の蓄積で国、地方の借金は1000兆円を超え対GDP比245%で先進国一悪いと言われているが、資産もあるので純債務は対GDP比140%で大丈夫という専門家もいる。

安倍政権もPBの黒字化時期を先送りした。これが将来不安に拍車をかけているのだ。

2%の物価目標達成したときの日本経済はどんな状況になっているのか。否、達成出来るのか。グローバルスタンダードと言うがIMFの専務理事は「2%も各国の事情により異なる」とダボス会議で言っていた。各国中銀は2%に拘らず緩和縮小に向かっている。

前の白川総裁の時は、「取り敢えず1%を目指し、達成出来たら次を狙う」と緩和な金融政策をとっていたが時の民主党政権、自民党は異論を唱え高い物価目標を要求した。日銀にはリフレ派を送り込み白川さんは任期を半年残して退陣した。

今、消費者物価上昇は1%にも達していない。白川総裁時の金融政策で良かったのではないか。

ところで今、心配するのは、それぞれの予測があっていいと思うのだが万一予測が外れて予期せぬ方向に経済が向かった場合にどういう対応策を持っているのか。P→D→C→Aサイクルを考えているのか。

それぞれ専門家の予測だ。いろんな情報を持って金融政策に効果のある政策を提案しているのだろうが意外に専門家の予測は当たらないのだ。「専門家の予測はサルより劣る」のだ。寧ろ素人は今日の状況から明日を予測するので専門家より素人の方が予測が当たっているというのだ(「専門家の予測はサルにも劣る」ダン・ガードナー著 飛鳥新社 2012.5)

私も素人だが、政府とは距離を置き日銀の矜持を示すときではないか。非伝統的金融政策から早めの出口戦略に期待する。

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2018.2.22掲載
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