フランス・ビアリッツでのG7サミットが終わろうとしている。予想された通り米と欧州勢の溝は深く、トランプ大統領も従来の姿勢を変えず全体会議は成果が見られなかった。注目の米中貿易摩擦による世界経済減速でも財政出動には温度差もあり世界経済の安定、世界が抱える課題解決を図るG7の存在感は薄い。
ところが来年のG7はアメリカ開催だ。今までビジターとして好き勝手な振る舞いだったが、今度はホスト国としてかじ取りが必要になる。好き勝手なことをやっていてはいけない。難しい課題にどう対応していくか、その能力が確かめられる。
日米首脳会談など2国間の個別会談の内容は報道で分かるが、肝心の全体会議がどうだったのか、メデイアの報道から拾ってみた。
トランプ大統領はロシアのG7への復帰を望んでいたが、議論はするも結論は出なかったようだ。ウクライナ問題で経済制裁も受けている。時期尚早と言うことらしい。G7のメンバーが自ら紛争国の当事者になること自体が問題だ。
イランの核保有は認めないという。何やら急遽イランの外相が訪仏し会談したらしい。
問題の米中貿易摩擦での関税の掛け合いで世界経済が減速に向かうが景気対策として財政出動の考え方もあるが各国で温度差があるらしい。必要に応じて機能的且つ万全な対策を立てると通り一遍の内容だ。
トランプ大統領は「国家非常事態宣言」を考えていると言うからなにおかいわんやだ。
安倍総理との首脳会談でも説得したそうだがトランプ大統領の姿勢は変わらない。そうだろう、ここで考えを変えると大統領選にも影響するのだ。
ホルムズ海峡の安全保障も議題にならなかったという。アメリカ主導の「有志連合」への欧州勢の参加も期待できない。日本を含め別の形での対応になるらしい。
気候変動、格差拡大もマクロン大統領は議題にしたかっただろうが、トランプ大統領は「パリ協定」から離脱している。
アマゾンでの森林火災は大きな事件だ。どこの国も反対はないだろう。乱開発で世界に森林が減少し地球温暖化対策でも問題だ。
英のEU離脱は首脳会談で米国は支持したようだが、フランスやドイツにとってはEU崩壊は避けなければならない。おまけにEU委員長も参加している。
日米貿易交渉が問題になる安倍―トランプ首脳会談はどうだったのか。
2回も会談をやったと言うから、交渉も難しかったのだろうと想像したが本当は2回目の会談は合意文書の確認だったという。合意文書の確認をしなければならなかったということは、やっぱり大変だったのだ。
閣僚協議の通りで「原則合意」らしい。でも大統領選への動き次第ではトランプ大統領のことだから何を言い出すかわからない。米中でうまくいかなければ日米にとばっちりが来る。日本はなんでも言うことを聞くのだ。
農産物や工業製品では大筋合意だが自動車は「変更なし」らしいが数量規制が検討されると言う。牛肉、豚肉はTPP以上は譲歩せず、トウモロコシの輸入を増やすと言うが、中国が輸入しないので日本が売れ残りを買い入れることになったらしい。
会談内容の詳細は分かららず国会審議で明らかにされるだろうが、TPPの時は交渉過程については政府は説明を拒んだ。相手方のいることでノーコメントだった。提出したTPP案で質疑をするというのだった。
だから今回も詳細な交渉過程は分からないだろうが、日本政府は隠してもアメリカ政府、トランプ大統領のツイッタ―で暴露されるかもしれない。
さて、G7の存在感が薄れてきている状況下で、来年はアメリカでの開催だ。「出たくない。時間の無駄だ」と言っていたトランプ大統領がどう出てくるか。
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