「ウィルスの見えざる手」「市場の見えざる手」で得意とする危機管理の正念場を迎えている安倍政権だが、自らの責任をどう取ろうとしているのか。恐らく任期切れだろう。それまでにギブアップはない。今まで責任を取らなければならないシーンは数々あったが、何故か切り抜けてきた。
朝日新聞によると、安倍総理が独断専行した「小中高一斉休校」「外出自粛」要請したが感染者の拡大防止ができなかったことをどう分析しているのか」との書面質問で「私が責任を取ればいいものではない」と答えた。更に「政治判断の責任」をどう考えるかとの問いには「政治判断の責任は自分にある」と答えたものの「今は最悪の事態に至らないようにするべきとき」だと責任を回避した。
最悪の事態に日一日と近づいていることは確かで10日発表の東京都の感染者数は189人と今までの最多を記録した。
7日の安倍総理の緊急事態宣言では「外出自粛、営業自粛で人との接触を8割減らすことにより1ヵ月後には感染者数の減少を目指す」と宣言した。どういう状態になったとき感染者数が減少したと判断するのか不明だが、「解除するか継続するかの重要な判断」に基準がないとは不思議だ。
またまた何か、責任逃れの策を打ち出すのかと心配になる。西村担当相は「効果が出なければ強力な策を打つ」という意味のことを言っていた。PDCAのサイクルをまわし成果を出すべきだ。
成果が出なければ安倍総理の責任問題が出てくる。布製マスクを各家庭に2枚ずつ配るというが、466億円かかるがすでに不良品というニュースも流れている。
このマスクの配布には裏話があるらしい。官邸で経産省の役人が「不足しているマスクを配れば国民に不満は吹っ飛ぶ」と提案したらしい。結果は逆に「これっぽっちか」と不満は募る。
安倍総理には今まで責任を取るべきシーンはいくつかあった。
その一つは森友事件だ。安倍総理夫妻が絡んだ国有地格安払い下げでは自殺者まで出し、今その奥様が国と佐川元理財局長相手に損害賠償請求をしている。
払い下げに絡む公文書の改ざんは安倍総理の「私や妻が関係していることが分かったら総理どころか議員も辞職する」と発言し野党の追及を避けようとしたときから始まったことは国民誰でも知っていることだが、安倍総理はかたくなに否定し、再調査も拒否した。
公文書改ざんという民主政治の根幹を揺るがす不祥事で総理として責任を取り辞職すべきであったが、その気はまったくない。今回の民事訴訟で真相が明らかになるのを期待している。
もう一度は総理主催の「桜を見る会」を私的に利用し、安倍総理の後援会の活動が政治資金規正法違反の疑いがあるのだ。ここでもおかしな論法で責任回避している。
安倍後援会が「桜を見る会」とセットで前夜ホテルで宴席を設けたが、通常の1人当たり15000円の費用が不思議なことに5000円の格安だった。これには安倍事務所などから経費の補助が出ているとしたら政治資金規正法で政治資金報告が必要になるが記載がないのだ。
そこで野党は政治資金規正法違反容疑で追及している。「ホテルとの契約」? 契約書の提出を要求したが自民党国対委員長は拒否した。国会審議では、後援会員一人ひとりがホテル側と契約し、直接費用はホテル側に支払ったので、後援会は何ら関係していないというのだ。「だから政治資金報告は必要ない」と、これを「安倍方式」と言うらしい。
安倍総理は「他の議員が真似ても違反にはならない」と言い出した。とんでもない話だ。
「桜を見る会」の招待客も総理枠、おまけに夫人枠もあり1000人近くが招かれている。
野党が「名簿を提出せよ」というと、1年以内に破棄したという。またまた森友事件と同じ論法で追及をかわす。
これには同じ事例(小渕優子議員)があり大臣と国会議員を辞任したのだ。それの比べるとみっともないことだ。
当時の小渕優子経済産業相の後援会が東京で観劇会を実施し、その時の費用が記載が無く政治資金規正法違反が問われたのだ。その時は後援会をまとめていた当時の長野原町長が「自分がやった。姫は何も知らない」とコメントし町長を辞職した。
小渕優子さんも「私は何も分からないことばかり」と、大臣を辞職、国会議員も辞職した。
こういうとき、安倍総理は「任命責任は私にある。進退はご自分で決めること」が常套句で任命責任を取ったことはない。
今度は自分の後援会の疑惑事件だが政治資金規正法違反は、何らかの責任を取るべきだと思うが、例のごとく責任回避に動いている。逆に合法的解決策を提示して反論しているのだ。
日本の政界のトップの不祥事がそんなに責任回避できるはずはないが、今回の新型コロナウィルスでの緊急事態宣言で感染者数の減少につながるか。しっかり検証し責任を明らかにすべきだ。
そうは言っても常識が通じる安倍総理ではない。「重大事態に至らないようにするのが自分の仕事」と言い張り任期中の責任は取らず、任期切れ待ちか。
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