移民問題に関連しポピュリズム野党の台頭で2021年に辞任することになっていたドイツ・メルケル首相の新型コロナウィルス感染拡大阻止で国民に発した言葉が、ドイツ国民の支持を得、支持率が64%になったという(週刊文春4月30日号)。
その言葉はドイツ国民ばかりでなく、我々にも共感を得る内容で安倍総理以上である。
メルケル首相は東ドイツで育ち物理学の教授だったと聞いたことがある。物理学者だから論理は整然とし無駄がない。
説得は的を得、行動、移動の自由束縛も東ドイツでの経験からなるほどと納得がいく。
それによると、今のドイツの感染拡大のペースは横ばいだが、感染者一人が一人にうつす計算だ。それが1.1になると10月、1.2になると7月、1.3人になると6月に医療体制は崩壊を迎える。現在は極めて危ない成功でしかないと4月15日の会見で言ったそうだ。
更に旅行や移動の制限について、東ドイツで育った人間にとっては旅行や移動の自由は苦労して勝ち取ったものにとって、こうした制限は絶対に必要な場合にだけ正当化されるのだという。
一方、安倍総理の新型コロナウィルス対策は混乱している。危機管理に強固な体制を持っていると思っていたが、今までは自らの不祥事、恣意的な政権運営で反対勢力を抑えてきた。国民の身体、生命の安全に対する事案は無かったが、今回は身体、生命に関する事案そのものだ。打ち出す政策が不適なら国民の批判は高まる。安倍政権にとっては始めてのケースなのだ。
唐突な「一斉休校」要請したかと思うと1週間で解除、感染者数の増大で再び「外出自粛」「休業要請」に出たが、効果が期待できないと見て、緊急事態宣言を7都道府県対象に発出したが、更に全国拡大し自治体の混乱を招いている。
経済のバランスを考えて外出自粛も買物、公園などへの散歩は自粛要請対象外とすると、国民はスーパーへの買物、公園やレジャーを求めて散歩(?)に出る。スーパーは混雑し感染の危険場所に、公園などレジャー場所は県外ナンバーで駐車場、道路は渋滞し、関係自治体は「来るな」という。
暇つぶしにパチンコをするためかどうか知らないが、自粛していない県のパチンコ店が繁盛し批判を浴び、施設の名称を公表するという。営業している施設が悪いのか、外出自粛をしない国民が悪いのか。
人と人との接触を「最低7割、極力8割」減らし、感染者数の減少を目指したい安倍政権、小池都知事にとって8割達成は無理でGWも控え更にオンライン帰省など10のポイントを指摘した。
感染者増加に基幹病院の院内感染が見逃せない。医師や看護師の感染による離脱は、ベッド数の問題もあって医療体制の崩壊が始まっている。軽症感染者をホテルに隔離、オリンピックの選手村の使用、日本財団の提案など試行錯誤が続くが専門家に言わせればすべて政治がらみだという。
そういえば、中国からの感染者入国を水際でとめることができなかったのは、習主席の訪日計画、オリンピックの延期問題などがあったためだろうが、安倍総理は国民の身体、生命の安全より自分の面子のための政治をやっているのだ。
メルケル首相には辞任せず、もっとやってG7, G20をリードしてほしいぐらいだが、安倍総理は任期を待たず退陣すべきではないか。国民に信頼されていない総理が対応できる新型コロナウィルス対策ではない。
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